江波山気象博物館
(広島県広島市中区)
うんちく
江波山気象博物館は、広島測候所として、1934(昭和9)年に完成しました。
設計は広島県建築課職員の伊達三朗の手によります。
その後、1943(昭和18)年には広島地方気象台と名称を変え、運命の日 1945(昭和20)年
8月6日を迎えます。その日の朝の気象観測では広島の天候は高層に雲量7〜8と記されており、
程良く薄い雲がかかって比較的過ごしやすい朝であったと思われます。
この日、世界で初めて実戦使用された原子爆弾はたったの一発で文字通り広島を焦熱地獄に
変えてしまった訳ですが、その間変化し続ける気象情報・成長するきのこ雲・黒い雨・・・も
ここで観測・記録されました。
この時、爆心から3.7km離れていたにも関わらず、その爆風は鉄製の窓枠をゆがめ、窓ガラスを砕き、
ガラスの破片がコンクリート壁に突き立つ程強烈なものでしたが、幸いにして建物そのものの
破壊にまでは到りませんでした。現在もガラス片が突き刺さった壁がそのまま残されています。
その後も気象台として1987(昭和62)年まで使用され続けていましたが、気象台が広島地方合同庁舎に
移転した後、江波山一帯は公園整備され、この建物は日本唯一の気象専門博物館としてオープンしました。
デザイン的にはドイツ表現主義の影響を受けており、(って、いまいちドイツ表現主義がどんなものか
理解できていない私)太い柱の玄関ポーチ、屋上にある塔屋など、独特のものがあります。
この博物館の中には気象に関する各種の資料や機器が展示してあり、世界や日本の気象情報をリアルタイムで
見ることが出来たり(いまではインターネットのおかげで自宅でも可能ですね。)1940年以降の広島の気象が
わかるデータベースをはじめ、気象に関する実験が出来る体験コーナーがあり、フラスコの中で雲を作ったり、
突風や雷などを体験したり、天体観測に関するイベントを催したり、いろいろ楽しむ事が出来ます。
私も実際に行ってみたいと思いつつ、9年も経ってしまいました。(^_^;
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