海上自衛隊 幹部候補生学校

(広島県安芸郡江田島町)

海上自衛隊 幹部候補生学校 640*480

うんちく

海上自衛隊 幹部候補生学校は海軍兵学校 生徒館として1893(明治26)年に竣工しました。 設計はイギリス人J・ダイアックの手によります。

海軍士官学校は、かつて日本が世界三大海軍国に数えられていた頃、アメリカのアナポリス、 イギリスのダートマスと並ぶ規模を誇り、真珠湾攻撃で有名な山本五十六を初めとする、 数々の海軍士官を輩出しています。

背面より 生徒館は正に世界三大兵学校の顔の名に恥じないだけの立派なもので、レンガ造り2階建で 横幅は140mにも及びます。また、海軍イコール航海術・天測等といった学習への配慮の為か、 建物は正面から見ると両翼はきっちり東西を指しています。

構造上の特徴としては、この建物に使用されている煉瓦はイギリス製のもので、全て 輸入されたものを使用しています。現在でも生徒館の床下には補修用として、 当時の煉瓦を大量にストックしていると聞きます。

デザイン的には正面玄関はチューダー・アーチの形状をしていて、2階外壁の柱には コリント式柱頭が用いられています。また、建物背面・廊下は1階・2階ともアーチの 連続するアーケードとなっています。

兵学校の場合、その年度の軍事予算や軍縮・戦争といった要因で採用する人員数が 変動することもあって、一概には言えないのですが、竣工当時には、1部10分隊・450人の 士官候補生が生活していました。


ロングショット 私がこの建物を初めてみたのは、中学校の2年か3年の春で、その後専門学生の時に一度 訪れて、今回が11年振りの3回目となるのですが、正面側からの眺めは今も昔も変わらず 非常に美しい姿をそのままとどめていますが、残念なのが裏側で、以前は普通のグラウンド だったところへ増設した建物が建っていて、しかもこれが景観を完全に無視した普通の 学校建築(しかも、建物の色は今時の軍施設にありがちな軍艦色に近いグレー)で、興醒めも 良いところです。一応、正面から見えないように、建物の高さを押さえているあたり、 全く配慮していないわけでも無いのでしょうが・・・

それにしても、軍事施設とはいえ立派な文化遺産であるにも関わらず、こういった ところへの配慮が完全に欠けているあたり、日本の文化レベルを疑わざるを得ないと かなりショックを受けてしまいました。

廊下 用地や使われなくなっている建物はまだ充分あるのだから、こんな場所に建物を 増築するだけで神経を疑いたくなるのですが、せめて建てるなら建てるでデザインなり 統一性を持たせるとかいった配慮は無かったのでしょうか???

世界三大兵学校の名が泣きますね・・・




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