旧英国領事館
(山口県下関市唐戸)
うんちく
旧英国領事館は英国政府工務局 上海事務所建築技師長のウィリアム・コーワンの手による
設計で、1906(明治39)年に完成しました。現存する領事館建築としては最古のものです。
この設計者ウィリアム・コーワンは翌年、長崎の英国領事館の設計も行っており、私はまだ
見たことないのですが、この2つの領事館は非常によく似ているそうです。
構造は本館部分は煉瓦造二階建て、屋根は寄棟造桟瓦(さんがわら)葺で、附属屋は一階建て
の煉瓦造・桟瓦葺きとなっており、建物周辺は煉瓦塀で囲っています。
デザインはバロック様式を基調としており、正面玄関・窓部を白い石で囲み、南側は
3つのアーチとトスカナ式円柱を組み合わせ、そこにバルコニーを設けた独特のものです。
屋内は一般に公開されており、市民ギャラリーや喫茶店として利用されております。
内装の特徴としては、床は全て板張り・壁と天井は漆喰が塗られ、各部屋には暖炉が配置
されています。一階は領事館員の執務室、二階は寝室・居間として利用され、附属屋は
台所・倉庫・使用人部屋となっていました。現在喫茶店になっている部分が元の
台所・食堂です。
この領事館は完成後、太平洋戦争が開戦する1941(昭和16)年まで領事館として使用され、
その後、下関市が英国から購入して、一時期警察署として使用した後、現在に到っています。
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