岩国徴古館
(山口県岩国市横山)
うんちく
岩国徴古館は、1945(昭和20)年、元岩国藩主の吉川家が"郷土に博物館を"という
目的で建てられたもので、設計は佐藤武夫・施工は株式会社 池田組の手によります。
起工は1942(昭和17)年9月、既に太平洋戦争に突入しており、国家総動員態勢・物資統制の
行われている苦しい時代環境の中にあって、戦争に直接関係ない文化施設を作り上げることが
出来たのは、ただただ感心する限りです。竣工年次から考えると、我が国の近代建築の
最後を飾る建物だと思われます。
基本構造はレンガ造りですが、表面は独特のタイル張りとなっており、デザイン的には
ヨーロッパ古典主義様式を基本としており、なかなか味わい深いものがあります。
建物内部は下へ広がる白い列柱・採光窓・木製階段など、独特の雰囲気を醸し出して
います。
惜しむべくは、この建物の周辺に配している植裁などのため、建物全体像を見通す事が
出来ない点で、これは何とかして欲しいと思うのは私だけでしょうか?
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