旧大阪商船門司支店
(福岡県北九州市門司区)
うんちく
大阪商船は1891(明治24)年にこの場所へ初めて出張所を開設しました。それから26年経過した1917(大正6)年、
同じ場所に支店として建て替えたのがこの建物です。
設計は河合幾次の手によります。
現在は創建当時の姿に修復した上で、門司の海事博物館として、かつて大陸への玄関口であった頃の海運に
関する各種資料を展示しています。
この建物の表面はオレンジ色の煉瓦のように見えますが、実はタイル張りとなっており、壁面は
外側を煉瓦で作り、内側を鉄筋コンクリで作っているという、"片面レンガ型枠鉄筋コンクリート"
と呼ばれる、ちょうどレンガ造りから鉄筋コンクリート作りへ移行していく過渡期の工法を用いて
います。しかも、それ以外の箇所は全て木造という、実に中途半端というか複雑な作りです。
ちょうど
秋田商会ビル
も建てられた時期的が似通っていますが、あそこも変わった構造になって
おりました。(^_^;
デザイン面では、角に立っている塔の基部・大きなアーチ窓の上にある三角形状のデザインなどに
このころ流行始めたドイツのゼツェッション形式の影響を見ることが出来ます。
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