旧三井倶楽部
(福岡県北九州市門司区)
うんちく
旧三井倶楽部は三井物産の迎賓館として、1921(大正10)年に完成しました。
この建物は元々同じ門司市の谷町にあったのですが、それを現在の場所へ移築する際に
"松田建築事務所"の墨書が発見されたことから、設計者が松田昌平であることが判明しました。
天下の三井物産の迎賓館とあって、著名人も数多く訪れており、皇族の北白川宮殿下やアインシュタイン夫妻
もここで宿泊しています。これらのエピソードは、かつて門司が国際貿易港・大陸との玄関口であった頃の
隆盛を物語っています。
構造は木造2階建てで、現在では材料事情から普通は使われないであろう、11mもの高さの通し柱を43本も
使用しています。デザインはハーフティンバー様式を取り入れており、木の柱や梁など骨組みを外に見せる
ようになっています。(そういえば、
入船山記念館
の洋館部もそうなってますね。)
屋根はスレート葺きの切り妻屋根となっており、直線的なデザインが目を引きます。
それから、窓枠とか屋内のマントルピースのデザインにはアールデコ調のデザインが見られます。
ちなみに、こちらからのアングルだと、下に小さい和風の木造平屋建て建物がありますが、これは付属室・倉庫
となっています。
現在この建物は1階部分をレストラン・コンサートホールなどとして一般公開しており、アインシュタイン夫妻が
宿泊した2階部分は資料館として有料(\100-)で公開しています。
展示内容としては、アインシュタイン夫妻が宿泊した当時の部屋、門司市の歴史に関する事柄、大正時代の
生活に関する事柄などがあります。
この建物を移築した際に完成当初の状態に復元をおこなっており、屋内のマントルピースや天井の飾りなども
手作業にて修復してあります。
なお、現在この建物は国の重要文化財となっております。
どーでもいいことですが、ここのトップにある写真は、デジカメによる撮影ではなく、97年頃に
AE-1で撮影したネガから起こしたものです。見た感じが違うからと言って、決して印刷物から
スキャニングしたものではありません。念のため(笑)
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