秋吉台・秋芳洞
(山口県美祢郡秋芳町)
うんちく
日本最大のカルスト台地である秋吉台は、もともと珊瑚礁であった(といっても3億年も前の話らしいですが)ものが、
その後の地殻変動により押し上げられて陸地となり、その後雨水による浸食により現在の姿となりました。
草原の中に露出する石灰岩の柱(カレンフェルト)・高原の中の大きな窪地(ドリーネ)・それらが連続した石灰盆
(ウバーレ)が長さ17km、幅7kmにおよぶ広い範囲にわたって他にない独特の景観を作り出しています。
また、ここの地形を構成している成分が石灰石であるため、その地下には浸食によって出来た鍾乳洞が数多くあり、
東洋一といわれる秋芳洞をはじめ、大正洞・景清洞などがあります。秋芳洞は正しくは"あきよしどう"と読むらしい
ですが、その昔、明治天皇がここを訪れた際に"しゅうほうどう"と言ったことから、現在は"しゅうほうどう"の方が
よく使われるようです。(私が愛用するIMEであるATOK11は"あきよしどう"では変換してくれない・・・それでいいのか!
ジャストシステム!!)
撮影ポイント
秋吉台周辺には先に述べた通り、秋芳洞以外にも洞窟があるのですが、なにせ秋芳洞は
東洋一の規模を誇る鍾乳洞なので、ここを最初に行ってしまうと、穴ばっかり潜ってばっかり
というのも・・・ と、いうわけで他の洞窟は今回訪れていません。
まずは、秋芳洞(地図上ポイント@)です。
撮影と言うことに的を絞って秋芳洞を見た場合、これほどカメラマン泣かせの場所はないのでは
無かろうかという場所です。なにせ、水による浸食で出来た洞窟というほどですから、黄金柱より
手前の観光コースは常に水滴が上から降ってくるし、下は川になっているので湿度が高く、
洞窟内と外との温度差が大きい場合は結露の問題も発生します。それに、当然といえば当然ですが、
洞窟なので、中は人工の照明しかないわけですから、それはそれはやりにくいものがあります。
よって、ここでの撮影ではつぎの様な装備が必要かと思います。まずは増感モードを搭載した
暗い場所に強いデジカメ、つぎに水滴対策のカバー類、そして強力な外付けストロボの3点セットです。
それから、結露のせいで洞窟を出るとしばらくレンズが曇ってフォギーフィルタを装着した
ようになってしまうので、秋芳洞入口周辺を撮影するのは、洞窟に入る前に済ませておいた方が
無難だと思います。ちなみに、右のカットがいつ撮影されたものか解りますよね・・・ (^_^;
つぎに百枚皿です。このあたりは水滴の落下が激しく、ストロボを使用するとストロボの光が
水滴に反射するため、ストロボを使用しない撮影の方が無難なのですが・・・実際にはあまり良くなく、
しかも平日とかならともかく週末とかはかなりの人が訪れるため、三脚を立ててレリーズで・・・と
悠長なことをするのはかなり勇気がいる行為だと思います。ですから、ここはシャッターを切った
際にクイックリターンミラーを持たず、ショックが無いというデジカメならではのアドバンテージを
生かし、手持ちでぶれない限界までシャッター速度を下げ、後からレタッチで増感するか、デジカメの
感度切り替えで増感モードにするなどの手法で撮影するといいでしょう。
水滴の影響を受けにくくなる黄金柱あたりからは、外付けストロボを使って、出来るだけ強力な
光で被写体を照らすようにするとうまくいくようです。(デジカメ内蔵のストロボではせいぜい
3〜5mですが、外付けストロボとの併用であれば10m以上光が届くと思います。いくら広いといっても
鍾乳洞の中なので、15m光が届けば被写体全体に光を廻すことが出来ます。)
続いて秋吉台展望台(地図上ポイントA)からの眺望は非常に良い・良い・・・のですが、何せカルスト台地の
中にぽつんとある訳で、あるのは草原と石が延々と続く風景なので、悪くいえば注視点になるものが
無いともいえます。そういった中で魅せる写真ということになると、構図をどのようにするか、また
ズームや広角の持つ特性をどう生かすかが決定的な要素になると思われます。この辺はわたしもえらそうに
言えるほどのものではないので、コメントはこの程度にとどめておくとして・・・
秋吉台の草原は春になると山焼きをやるので、山焼きをやった直後というのは、ただの荒涼とした
野原とかしてしまうので、それ以外の季節を狙って行った方がよいと思われます。
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