C-1400XLをばらす

それは社員旅行をあさってに控えたある日の晩、幹事兼カメラ担当と なっていた私は少しでも良い写真を撮るべくメンテナンスに余念が なかったのですが、このとき、なぜか新しいブロアが見つからず、 ゴムが硬化した古いブロアで埃を飛ばしていました。

で、いくら掃除しても埃がなくならないので、よくレンズを見てみると、 なんと、レンズの内側へ埃が入っているではないですか・・・

ここで普通の人なら素直に修理に出すか、埃が入ったまま使う事に なるのでしょうが、修理に出す金は惜しいし、かといってこのまま使う 気はさらさらない私の場合、自らの手で分解修理するという事に なってしまったのです。

それ以来、定期的なオーバーホールの際にはカメラをばらして レンズ掃除するのが習慣となってしまいました。


準備するもの
作業準備 C-1400XL本体
精密ドライバー(+)
レンズクリーニング用品一式
はんだごて,はんだ
テスター




その1 分解の前に

分解を始める前に静電気対策として水道の蛇口などにふれて(*1) 体にたまった静電気を逃がした後、カメラ本体から電池(ボタン電池を 含む)とスマートメディアを取り出します。




その2 背面パネルの取り外し

ラバーを剥がしたところ C-1400XLの背面は4箇所のねじで止められています。左側の2箇所はねじが 露出しているので、すぐに判ると思いますが、右側の2箇所については、グリップ 部分のラバーによって隠されているため、まずグリップのラバーをはがす必要が あります。

ラバーは両面テープで張りつけられているだけなので、端っこの方で爪を引っかけて ゆっくり引き上げると簡単にはがれます。 ただし、後で張り戻す必要があるので、剥がした両面テープ部分には手をふれない 様にします。

すると、写真の様に隠されていた2箇所のねじが現れますので、左側2箇所とこのねじ を外し、背面パネルをゆっくり外します。

背面パネル取り外しと視度調整レンズ このとき、視度調整のレンズが外れることが ありますが、簡単に取り付けられるので、あわてず、レンズ部を汚さないようにして、 取っておきます。(わかりにくいですが、写真右上の枠が視度調整レンズです)




その3 シンクロ端子の取り外し

シンクロ端子はんだ部分 ボディ前面側を外す場合、外部ストロボシンクロ端子がはんだ付けされているため、 これを外してからでないと、作業が前に進みません。シンクロ端子は本体下面、 液晶の左下部分にはんだ付けされているので、これをはんだごてで外してやります。




その4 ボディの取り外し

ボディねじ取り付け箇所1 ボディねじ取り付け箇所2
ボディねじ取り付け箇所3 ボディねじ取り付け箇所4
ボディ前面側を固定しているねじは、単三電池ボックス部に3箇所・ストロボを 開いたところへ4箇所・外部ストロボシンクロ端子の上下2箇所・正面から見てセルフ タイマーLEDの下1箇所と計10箇所です。これを外し、ボディ前面を前に向かって 外します。

このとき注意するのは2箇所、まず、外部ストロボシンクロ端子の部分に注意 してください。先の作業で取り外した外部ストロボシンクロ端子へつながっている フィルム基盤がテープ止めされていたりするので、これをはがしてからゆっくり 取り外します。

ボディ上部取り外し それから、ボディ上部のストロボのところにも電源スイッチとストロボ用のライン があるので、これを間違っても切断しないよう、また、ボディ裏側についている 金属ブラシは電源スイッチとストロボのスイッチになっているので、ここを折り曲げたり しないように注意します。(分解時より組立時の方が要注意です。)

あとは、ストロボポップアップレバーのところにはスプリングが入っていますから、 これを飛ばしたりしないようにします。

C-1400XLの内部
ヒートシンク
すると、C-1400XLの全体像が見えてきます。ほとんどがC-1400XL専用のカスタムチップ で固められているため、あんまり手をかけるところなんてないのですが、一般人に 出来そうな要素で、改造の余地があるとすれば、CCDのヒートシンク部分に何らかの 冷却装置を付加したり、シャッターなどのスイッチ部に手を加えて、レリーズを 作るなどといった事が考えられます。

個人的には、夏の花火シーズンまでにレリーズは作っておきたいと考えているのですが、 ケーブルの取り回しをどうするか未だ決まっていないので、改造レポートが出来るのは もう少し先のことと思います。

シャッターSW で、それまで待てない方のために技術情報として、シャッタースイッチの接点情報 を記載しておきます。(単に自分が忘れないためという話もあるけど・・・)

右図の番号@はCOMMON,Aがシャッター半押し時ON,Bがシャッター押し切り時ON となります。




その5 1枚目レンズの取り外し

私の様にレンズの中へ埃が入ってしまったような場合、ここまでの分解では 何の意味もなく、さらにレンズ部分の分解が必要になります。できれば光学系 には手をかけたくないところなのですが、私のような場合やレンズにカビが わいたときなどはそうも言っていられないので、分解していくことになります。

ちなみに、レンズ部分というのは密閉されているように見えますが、実は カビの発生を押さえるため、可能な限り通気性を持たせているとのことです。
ですから、私のようなボロのブロアを使うとこのようなことになってしまうので みなさんも気をつけてください。

レンズ正面 さて、本題ですが、レンズ部分はレンズのロゴが書かれたリング部分は両面テープ で張り付けられているだけなので、爪をかけて、引っ張ってやれば簡単に取れます。 (ちょっと力はいりますが)なお、後でまた張らないといけないので、テープの粘着 面には手を触れないようにします。すると、右図のように3箇所のねじが見えるので これを外してやると、1枚目のレンズを外すことが出来ます。
レンズ2枚目 1枚目のレンズを取り外すと、次に2枚目のズーム時に可動するレンズが出てきます。 通常、埃を落とすだけならここまでの分解でまず問題ないため、私もここまでしか 分解していません。このレンズは、強く押さえるとギアが外れて、ズームが動かなく なる可能性があるので、そのような場合、一度レンズ外側を手で回して行くと、 どこかで再度ギアがかみ合うところがあるので、あわてて分解せず、この方法で 対処する方が無難です。

なお、レンズを組み上げる際には、必ず2枚目のレンズが手前側一杯に来るところ まで出しておいてください。(電源OFF時のポジションです。)そうしないと、後で 組み立ててもギアがかみ合わず、ズームが作動しません。最悪、ズーム用のモータを 破損させてしまいます。

それにしても、このレポートって、一部のメカフェチにはいい線行っている と思うけど、実用面では問題有りなレポートだなぁ〜


(*1) 体の静電気をとる方法で、一番いいのはじっくり手を洗うと聞いた事が あります。最近の水道は導体を使用していないのでアースとしては不充分だそうです。
(情報提供:ゆきさん どうもありがとうございます。m(_ _)m)

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