C-1400XLにレリーズをつける

これまで数回の花火撮影や夜景撮影を通じて、何度となくスローシャッター時の手ブレの 問題に直面し、セルフタイマー撮影や、機械式のレリーズを使って何とかしようと もがいていたのですが、ついにその不便さに耐えきれなくなった私は、錦帯橋の花火大会 撮影に向けて電気式のレリーズスイッチを取り付けることにしたのでした。

今回のレポートは先に掲載している"C-1400XLをばらす"の続編にあたります。 分解方法の詳細などについてはそちらを参照してください。




その1(準備する部品/道具)

まず必要となる部品は次の表の様になります。
部品名 写真 説明
レリーズ レリーズ 当初レリーズSWも自作することを考えましたが、
2段押しのマイクロSWはどこを探しても見あたらないため、
CANON EOS用のレリーズ(型番 RS60-E3)を購入しました。
選定理由は、端子の形状が一般で入手しやすい2.5φ
ステレオピンジャックだったからです。
(しかも実売\1,800前後と安かった)
2.5φコネクタ(3端子) コネクタ 2.5φのステレオピンジャックに対応したコネクタです。
今回の改造では、コネクタを基盤に取り付けるわけでは
無いので、写真のようなタイプが扱いやすいです。
リード線 リード線 見たまんまです。(笑)
シャッター全押し・半押し・コモンの3本分必要です。
後は、コネクタ端子部の絶縁の為に熱収縮チューブがあると便利です。
これだけ揃える為の材料費は\2,500-以下で何とかなると思います。

それから、道具の方は、基本的にC-1400XLの分解に用いる工具に加え、 ボディにコネクタ用の穴を開けるために用いるドリルorピンバイス・ヤスリと ゴムを切るためのカッターナイフ・結線のチェックに使用するテスターが必要になります。




その2(結線作業)

シャッターSW ピンジャック まず、C-1400XLを分解手順に従ってボディから内部を取り出してやり、シャッターSWの部分 にリードをはんだ付けします。2枚の写真に付けている番号は@がCOMMON、Aがシャッター 半押時ON、Bがシャッター押切時ONですので、シャッターSWの番号とレリーズのピンジャックの 番号が一致するようにテスターで確認しながらコネクタと結線します。


結線した状態 結線完了時は左の写真の様になります。





その3(ボディの加工)

次に、コネクタを取り付けるための穴を開けます。
ボディ穴開け位置 C-1400XLの場合、ボディを後ろから見て左側にプリンタ・シリアルポート・電源用の端子が あります。ここは、ボディ内部で最も空間の余裕がある部分なので、ここにピンバイス・ドリル・ ヤスリを用いて、仮組みしながら、コネクタの頭が出る大きさの穴を開けます。

相手はプラスチックなのでそれほど難しくはありませんが、周辺に傷を付けないように 気をつけます。


カバー切り抜き 次に、端子カバーのゴムをカッターで切り抜き、コネクタの頭が出る様にしてやります。 これも仮組みしながら調整してやります。




その4(組立)

コネクタ場所 最後は組立です。レリーズ用のコネクタは、シリアルポートコネクタの上の空間に入るように します。(左写真参照)
シリアルポートのコネクタには、黒いプラスチックの薄い板がついていますが、これはじゃまになる ので、取り外しておきます。


組み上げた状態 分解時の反対の手順で組立を行っていきますが、ボディ前側を取り付けた時点で、 レリーズコネクタをボディに組み付けます。

その後、ボディ後側を取り付け、動作確認を行って完成になります。分解に慣れていれば、 だいたい3時間程度で作業完了します。


レリーズ取り付け後 レリーズ取り付け前 これにより、従来はコの字型に曲げたアングルに機械式レリーズを取り付けて、 それをアクセサリーシューで固定するという、準備に手間がかかり割に、シャッターを 切ろうとしたらレリーズがずれてちゃんとシャッターが切れないなどという、非常に 不確実だったものが、レリーズをコネクタに挿すだけで準備が完了し、確実に シャッターが切れ、見た目も良いと、大幅に改善されるわけです。

実際、錦帯橋の花火撮影においては、ブレ・シャッターが切れないといった 原因で失敗したカットはなくなっています。

ちなみに、花火撮影/夜景撮影でC-1400XLを使用する場合、AFが合焦しない可能性 が高いので、ワンタッチフォーカスボタンの∽をセロテープで押しっぱなし にしておき、レリーズでシャッターを切る方法を採っています。

なお、この改造は同系列のC-1400Lにも適用できると思われます。



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