Repair Base2 何カ所も壊れたアコ・ベースの修理U |
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そんなことはともかく、私はチェロをはじめとして、大型弦楽器の修理はいままでやったことがなかった。 チェロの倒れてた魂柱を立てたことが一回だけという経歴なので、最初は無理だとお断りした。 ところが、以前、地方の楽器屋さんに持ち込んだところ、 『これは、もうダメでしょう』と修理を断られたという経緯があり、それで、『なんとか、バンド好きなお客さんと一緒に、演奏できればいい』、というので引き受けることにした。 次の日曜日、マンドリンの知人とマスターは、軽四のワゴン車いっぱいに詰め込んだベースを持ち込んできた。 狭い工房に入れてみると、想像以上に、それはそれは、とても大きく感じらるものだった。 |
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このコントラバスは、クラシックの演奏家に、大事に使われたのとは違い、アマ・バンドのベースマン。 宴会やらパーティやら、ガタガタと、トラックに積んだり駆け巡ったものでしょうか、ともかくあちこちにキズだらけのひどい状態。 裏板・表表とも、出っ張っている部分は、大きく欠けていたり、すれたり、さらに裏表とも、大きな割れも何本かありました。 側板にも大きな割れがあったり、全くの素人がやったことでしょうか、一度、折れたネックにはゴテゴテにボンドを塗って貼り付けてあったり、指板も浮いていたり、ずれて貼ってあった始末。 |
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裏板の割れたところは、割れた部分も最大で2mmほどの段差がついたまま、木工用のボンドで修理してありました。 |
表板だけではなく、割れは裏板にも・・・ |
欠けや、すり傷もいっぱい、文字通りの痩身創痍。 |
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側板にも、C部突端近くからからエンドピンのそばまで・・
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そして、上下左右の出っ張っている角は大きく削られたり、
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これほどひどいものだと、大型の修理は初めてでも、安心して手にかけられます。
それに、話しを伺っていたらマスターは、私と同じ高校の先輩にあたるのです。
そんなこともあり、破格の予算で修理をお受けした次第・・・。