repairBaase-2
Back

Repair Base2 何カ所も壊れたアコ・ベースの修理U

HOME
Next



   ◇ 何カ所も割れた、アコ・ベースの修理 U   

   ◆ 壊れ方と、その現状   

ひょんなことで知り合ったマンドリン奏者の知人から、元ベースマンだった方の、ボロボロのベースを直してやって欲しいとの電話。

その知人が行きつけの、N市郊外でスナック・レストランをやっているマスターは、かつてはハワイアン・バンドのバンマス兼ベースマン。

いまや、その店のインテリアにしかなっていない、壊れたボロボロのベースを、なんとか使えるものにしたいというのである。

奥さんである美人ママは、元・グループのボーカル・・ということは、きっとマスターとは好き同士で結婚した間柄ということになるのかな・・???

そんなことはともかく、私はチェロをはじめとして、大型弦楽器の修理はいままでやったことがなかった。

チェロの倒れてた魂柱を立てたことが一回だけという経歴なので、最初は無理だとお断りした。

ところが、以前、地方の楽器屋さんに持ち込んだところ、
『これは、もうダメでしょう』と修理を断られたという経緯があり、それで、『なんとか、バンド好きなお客さんと一緒に、演奏できればいい』、というので引き受けることにした。
次の日曜日、マンドリンの知人とマスターは、軽四のワゴン車いっぱいに詰め込んだベースを持ち込んできた。

狭い工房に入れてみると、想像以上に、それはそれは、とても大きく感じらるものだった。


このコントラバスは、クラシックの演奏家に、大事に使われたのとは違い、アマ・バンドのベースマン。

宴会やらパーティやら、ガタガタと、トラックに積んだり駆け巡ったものでしょうか、ともかくあちこちにキズだらけのひどい状態。

裏板・表表とも、出っ張っている部分は、大きく欠けていたり、すれたり、さらに裏表とも、大きな割れも何本かありました。

側板にも大きな割れがあったり、全くの素人がやったことでしょうか、一度、折れたネックにはゴテゴテにボンドを塗って貼り付けてあったり、指板も浮いていたり、ずれて貼ってあった始末。


少し離れてみるときれいには見えますが???白い紙をはさんであるところは、表板の割れたところ。

よくみると、左右、あちらにもこちらにも大きな割れが何本か走っています。

とくに、駒のすぐ右側のものは、永年、弦を張ったままの状態でおいたためか、
割れ目そのものにも駒の圧力によって押され駒がめりこむように、
すでに、板そのものにも2mmほどの段差がついていました。

裏板の割れたところは、割れた部分も最大で2mmほどの段差がついたまま、木工用のボンドで修理してありました。

多分、これはマスターが自分自身で貼ったものでしょうかね??。。

表板だけではなく、割れは裏板にも・・・

欠けや、すり傷もいっぱい、文字通りの痩身創痍。

側板にも、C部突端近くからからエンドピンのそばまで・・
大きな割れが。

そして、上下左右の出っ張っている角は大きく削られたり、
すり切れて、白木が露出している状態。

これほどひどいものだと、大型の修理は初めてでも、安心して手にかけられます。
それに、話しを伺っていたらマスターは、私と同じ高校の先輩にあたるのです。
そんなこともあり、破格の予算で修理をお受けした次第・・・。

HOME

Page Top

Next

Back