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折れた弓の修理

れは、フロッグのアジャスター・ネジのナット部分が差し込まれる穴から、アジャスター調整ネジの方向に向い、ドリル穴からスティックが割れたもの。

その割れた部分だけを糸でグルグル巻いて縛り、接着して、なんとかごまかせない訳でもないが、その割れたことが原因で、アジャスター・ネジの受け部分も、少し痛んだりしていたので、思い切って下の部分15cmほどをカット。

そして、補填のために、別の同じ太さ・材質のスティックから、必要な、同じ長さのスティックを切り出し、それを流用。

右の写真、スティックの接合部分は、銀銅線巻きの中になり、当然、目立たなくなるので場所だから、その位置でジョイントするようにした。

仕上げを残して、ジョイントが大体できたところ
接着後、線巻きが済めばほぼできあがり。


そんな場所のジョイントだから、スティックに垂直なダボピンの穴をあける必要がある。しかも、スティックの中心に、垂直に空けなければならない。
そこで、ドリルスタンドに、ご覧のような補助台をつくり、そこに正しくセットすると、スティックの中心に真っ直ぐに穴が空けられるようになる。



この市販の作業テーブルは、中央部分が任意の巾で隙間が空くように移動できるから、このような長いスティックでも裏側から下に抜けるので、対応するわけ。
この作業テーブルは市販品で、中央部分が任意の幅で自在に動かせる構造になっている。つまり、長いスティックでもテーブルの下に突き出せるようになっているわけ・・・。


フロッグのアジャスター・ネジのナット部分が納まる穴もドリルであけた。


ダボピン(竹の割り箸を必要な太さに削り、流用)を挿し込み、様子を見たところ。さらに、ほどよい太さの竹を半割りしたものを用意し、添え木(ギブス)として使った。

添え木の竹と一緒に麻糸で縛り、エポ系の接着剤で固定。

その・・・アップ写真です。
銀銅線巻き


だいたい、標準のシルバー線は0.25mm、しかもシルバー線として売っていても、その実態は銅のニッケルメッキ線ではないかとボクは思っている。

上の写真のものは、ずいぶん前、東京の材料店から購入したもの。

銀線ということで、結構な高値で買ったのだが、中身は銅メッキ線。
しかも、メーカー名や品質名などの、ラベルの部分が剥がしてあるので、ヴァイオリン本体のラベル同様、隠さないと売れないのだろうか。
秋葉原の線材店で、アース配線用として買えば、ずっと安いはず。


まッ、それはともかくとして、巻き線のスタート位置は、まず、ドリルや、揉みキリで、ワイヤーを固定するための、1mmそこそこの穴を空けておく。

穴は、巻き線のスタート位置でもあり、当然、目立ちにくい毛側がいい。
なお、この巻き線器の詳細は「てづくりツールU」のこちらのページで→


その穴に、線の先端を差し入れ、瞬間接着剤をつけた爪楊枝を挿してワイヤーを固定する。


そこからスタートし、後は右側の手回しハンドルを回して巻いていく。
線は、布きれや手袋を使い、すでに巻いたところに少し乗せるようにして、きっちりと巻いていく。ときどきは止め、隙間を埋めるようにキッチリと巻く。



前に巻いたところに、ワイヤー線の直径の、およそ半径分程度が乗るようにして巻くのがこコツで、そうすると隙間なく、きれいに巻ける。

この線巻き台ができた後から、必要にせまられ、ワイヤーのボビン台を別につくったので下の板のニス色に差がある。


所定の位置まで巻き、その後、フロッグまでの間は糸を巻いて埋めておく。
これは、後で皮を巻いたとき、ふんわりとした感触で仕上がるから・・。

一方、こちらは新調した線巻き台。巾が少し広いタモ材を使い、今回はワイヤーのボビン(左端)が楽に乗るよう、一体化させ進化している。
   
  ただいま、ちょうどいい皮の在庫がないので、皮を貼る工程は後日に・・・。
 

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