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木工の楽しさ・おもしろさ No.4-2 Next




せっかくの手作りですから、表板の周囲にはパフリング
(黒・白・黒となる線の象眼)のアクセントを入れることにしました。(5/14)

パフリングは、手製のパフリング・カッター(大工道具のケガキのようなもの)
であらかじめ筋をつけておき、これまた手製の巾1mmの彫刻刀で、
巾1.3mm深さ1.0mmほどの溝を彫ります。

その溝に、ニカワを流し込んでおいて、パフリング材を埋め込んでいきます。
ここでも写真のように、アイロンで熱して大体の曲線はつけておきます。

パフリングついでに、ネック・ヘッドの周囲にもパフリングを施しました。

ネックにパフリングを入れたはいいが、まだ何か足りない、
そこで、シェル(貝)を横ダイヤ形に切り抜き、インレイ(象眼)しました。

これで、ネック・ヘッドにもワンポイント、アクセントがつきました。

ウクレレ制作2 細部の仕上げ工程

これからは仕上がりを予想して、細かな作業・細工になります。



左の、上に乗せた細く黒く写っているのがパフリング材
指板にフレットを埋め込む作業に、
ベニヤの端材で「カット台」なるものもつくりました。

正確に、一定の深さにノコ目を刻んでいくわけですから、
ノコの歯がぶれないよう、しかも浅すぎず、深すぎないように、
上と下にストッパー代わりの白ベニヤでサポートさせます。

中心線と平行に台のエッジを仕上げてありますから、ヴァイオリンで使う
直角定規(これも手製)をあてがって、ノコで刻みます。

同時に、黒檀でテールピース(緒止めとナットもつくりました。

さて、DIYで買ってきた真鍮板(50×100×0.5mm)2枚セット200円を、
どうやって正確に2〜3mm巾に切り出そうか、まよっています。 (5/17)














結局、真鍮板は写真用のギロチンカッターで、巾3mmに裁断。

切ったものがくるっと丸まってしまいますが、手でのばしてから、
鉄板の上に載せ、イカケ屋さんよろしく、
固い木でコンコンとたたいて真っ直ぐに延ばしました。

フレット間隔については、弦楽器について奥深く書かれている
クレーンさんのホームページを参照させていただきました。

このサイトには、弦楽器制作工具類から、ギター・ウクレレのフレットサイズまであり、有効弦長を入力するだけで、各フレット間隔が表示され、
しかも、理論値と、弦の太さの違いによる修整値の両方が出ます。

ギターと違って、ウクレレの4弦は、3弦より5度高い音程(=1弦と同じ太さ)ということから、弦の太さによる理論値と実効値の差は考えず、
私はただの理論値で切りました。

その代わり、弦を押さえたときにテンションの変化が、極力、
少なくなるように、ナットの高さも高すぎないように、
また先端の形状もできるだけシャープにします。

その上、ブリッジの形状と高さなども十分考慮するつもりです。
切り込んだ溝に、茶系の色のエポ系接着剤を爪楊枝で入れて固定。

そのあと、平ヤスリで平らになるまで削り、さらに板に巻いた400番のペーパーで、
指をスライドさせて引っかかりや抵抗がなくなるまで削ってならしました。

頭の中で、うまくできるかどうか考えていた以上に、意外とすっきり、
きれいに仕上がりました。

ネック・ヘッドにはシェルを入れたものの、フレットに入れるシェルをどうやって
直径5〜6mmのまん丸に削ったらいいかか?

四角から八角、と徐々に丸くする方法だってあるが・・・。

もし、ドリル式にアワビを丸くくり抜く「切り出し用具」をつくるとしたら
何を流用したらいいか?それは、じっくり考慮中。 (5/18)











早速、できあがった指板のテスト。 
いくらきれいにできたといっても、これは楽器。

インテリア用品のような飾り物ではありませんから、
音程の確かさだけはチェックしたい、と思ったわけです。

以前、ヴァイオリンの有効弦長や響きを調べるためにつくった、模式的な
響板の模型があるので、それに指板をはめ込んで調べました。

でも弦はウクレレ用のナイロンではなく、とりあえず、ヴァイオリン用のA線
(ペグボックス内の糸巻き部分が切れてしまい、とっておいたもの)を使用。

ブリッジを、(有効弦長の)設定通りナットから370mmに合わせ、
まず、1/2のハーモニックスが、正しく12フレットになるかどうか。
それから、半音階、全音、5度とチェック。

本来なら、太い弦、細い弦と両方を調べるべきでしょうが、
多少の差はナットの高さやブリッジ側で補正可能と考えています。

わたしの耳で聞く限りは、これでOKです。
講座の第1回目は6月2日、2回目の7月7日には、
皆でつくったものを持ち寄って初演奏することにしていますから、
とりあえず、ここで作業はストップ。

なぜなら、制作途中の工程を受講生にも見せるためです。

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