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木工の楽しさ・おもしろさ No.6
今回は、なぜか?「双対顕微鏡用のケース」
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顕微鏡に合わせて、内径の大きさ、デザインを決める
完成直前の写真からで申し訳ありません。







なぜか急に顕微鏡を使うことになり、探したものの一向に出てこない。
前に使ったのは、もう十年以上も前のことだろうか。


(ランのバイオ・無菌栄養繁殖 なんて、かわった趣味もやっていたんです。この顕微鏡は双対顕微鏡といい、倍率は低いものの接眼レンズがふたつあり、両目で見るので立体的に見えるというすぐれもの。もちろん、普通の単眼の高倍率のものもあるんですよ。)

そうなんだ、プラスチックのケースが割れて、それで湿気ないよう
ビニール袋を被せてどこかにしまったっけ。

やっと探し出してみたら、なんと、その袋は半透明のスーパーのポリ袋。
これでは中に何が入っているのか分からない。
そのため、発見がおくれたというわけ。

それで今回は、将来、孫たちのものになるかも知れない我が顕微鏡のために、持ち前の木工技を駆使して、 そのケースをつくることにした。

材料は、すべて手持ちの半端もののベニヤ+アルファ。

使わなくなった壁紙見本帳(本業用の)から取り外しておいた取っ手

ジャンク箱の底から引き出した足に使うゴムプッシュ4個

このゴムプッシュは、プリアンプなどのシャーシの足に使うため、
昔、秋葉原で買ったもの。

しかし、どうせつくるならただの長方形の箱ではなく、顕微鏡の本体に
合わせて、 先がやや台形になっているスマートなデザインに・・・。

終わりごろになって、「あーそうだ、しばらく更新していなかった木工のページに追加しよう」と思い立ち、早速、完成まぎわのものからデジカメに・・・。




入れるものの形は決まっているのでケースの内径から決め、
5.5mmベニヤに形を写し取り切って組み立てるだけ。
今回は、当初から突きつけ貼り

ただし、接着補助材は内容積をおおきくするため三角に・・。
当初、表面仕上げにはウクレレ・ケースと同じ材質の、
ダークグレーか何かの塩ビシートを貼ろうと思っていた。

だから、どうせかくしてしまうところであることから、
接合部分は単純な「突きつけ貼り」。

そのかわり、中に出っ張って邪魔にならないように、三角形にした。

















はぎ合わせ部分の、三角の接着補助材はすべて木工ボンドで
ヴァイオリンのライニングと同じ要領で、洗濯ばさみで
クランプして接着。その後からベニヤを接合。

最初、入り口のドアーはひらきにしようと考えましたが、
しかし、裏板と一緒に内径でカット。
合わせて上がすぼんでいるため、蝶番の取り付けがやっかい。

やむなく下からスライドさせる引き戸にしたというわけ。

まぁ、使うときにはテーブルの前面にもっていけば、
下に向かって楽に引けるから、これでも十分と、ここは妥協。

ちなみに、5.5mmのベニヤを「くの字」に曲げるのは、
造作用の刃をつけた電動丸鋸を、刃の出し方を3mmほどにし、定規をつけてまっすぐ押すだけ。

それで、刃の厚みおよそ2mm、深さ3mmの溝ができる。

そのあとから、その個所の裏側を水で濡らし、一晩、ほどよい枕をだかせて重しを乗せ、くせをつけたもの


引き戸は、下から溝にするとはめにくいので、下から3センチほど離したところから
差し入れるようにしました。

上部にはプラパート・ボックス等、小物が乗せられるよう小さな棚をつくり、
この接着だけは接合する3つの辺をエポ系の強力なものを使用。

仕上げはニスにしようか、ダークグレーのOP(オイルペイント)にしようか、シート貼りがいか、
さんざん迷ったあげく、手持ちの水性ペイント(EP)濃いベージュにした。

水性ペイントは、少し薄めに塗ってからペーパー掛けしてならし、さらに、それより少し濃い
ものをもう一回、それでなんとか下地のベニヤらしさは消えた。

その上から、つや消しのクリヤーで表面保護にする。














作業が補助材を貼ったりするような、前段階を少しずつ進めなければならなかったし、ここでも釘を一切つかっていません。

できてから家内に「どうだろう?」と見せたら、
「うん、よくなったね!」という評価。

家内からすれば、いつもこうして見せられている煩わしさ?のためか、
この程度の評価でも最良のほめ言葉。

例によって自画自賛、
しばらくはよく目につく書棚にでも鎮座させておくつもりです。

すっきりとして、スマートなケースになりました。

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