「オーストラリア・ツーリングの旅」


Ver.1.1 13th Aug. 2001
Ver.9.5 12th Jun. 2003
「8月度ST−21ツーリング報告」

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1、日   程
        2001年 8月4日(土)〜6日(月)

2、目的地
       [1日目]メルボルン市内(見学と慣らし運転)
       [2日目]ネピアン岬、フィリップアイランド
       [3日目]グレートオーシャンロード

3、出発地点
        メルボルン市内

4、ハイライト
   (1)・メルボルン市内の主要な観光名所の訪問
   (2)・ネピアン岬の砲台跡の見学
      ・フィリップアイランドのペンギンの行進ウオッチング
         日没になると体長30cm程の小型ペンギンが
         海から群を作り一列になって上陸する様が観察できる。
   (3)・グレート・オーシャン・ロード
         全長200kmに及ぶ美しい海岸線を走る楽しい道。

【メルボルンは赤⇒の地点】   
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5、メンバー
      GP(Global Person)  : KAWASAKI Vulcan 1500
      SM(Snow Man)     : B M W R1100-RT

6、行程表

【 ツーリング・ルートマップ 】
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   【1日目】黄色の市内 :メルボルンの市内観光と慣らし運転
   【2日目】青色のルート:ネピアン岬、フィリップアイランド  
   【3日目】緑色のルート:グレートオーシャンロードの景観  

コース [1日目]
 
 
メルボルン空港
到着

11:00〜30
 
 
 

GPさんの
アパートで着替

エリザベス通り
散策
ビクトリア
マーケット
12:10〜12:50
13:00〜
13:10〜
 
0km
 
 
フードセンタ
混雑/昼食パス
レンタルバイク
屋で契約/出発
メルボルン港で
コーヒーを楽しむ
ビーコンコープ
海岸を通過
13:20〜
13:30〜14:00
14:30〜15:00
 
 km
セントキルダ桟橋
(ヨットバーバー)散策
15:10〜40
km
km
km
 

アルバート公園
(F1レース場)

王立(英国)
植物園の散策
GPさんの
アパートに到着
15:50〜16:00
16:30〜17:00
17:40


コース [2日目]
 
0km
メルボルン
出発
8:00
28km
62km
87km

Menton

Mornington
給油
9L/A$8.8
9:20〜25
9:45〜10:30
 
107km
110km
178km
258km
Point Nepean
コーヒー
ブレーク
Sorrento
(昼食)
給油
9L/A$8.5
11:20〜
11:45〜12:40
13:00〜55
16:15〜25
 
310km
ペンギンセンタ
申込所
17:00〜
320km
429km
480km
 

Phillip Island
ペンギン観察

給油
9L/A$8.3
メルボルン
到着
17:20〜19:00
20:15〜20
21:00


コース [3日目]
 
0km
メルボルン
出発
9:10発
52km
108km
124km

PA
トイレ休憩

カンガルー
横断警告標識
展望台
Apple sea
9:50
10:50〜
11:15〜25
132km
145km
160km
167km
Great Ocean Road
記念撮影
Lorne
観光案内所
(昼食)
熱帯雨林
Cafe Falls
給油
10L/A$10.6
11:30〜45
12:00〜13:00
13:15〜25
13:40〜50
 
168km
Lorne Piar
コーヒーブレーク
13:55〜14:10
244km
324km
325km
 

Geelong Town Cunningham Piar
Buccanan Cafe

給油
8L/A$7.0
メルボルン
到着
15:20〜50
17:20〜30
17:40


7、総走行距離

  第1日目 第2日目 第3日目 3日間合計
走行距離   45 km    480 km    325 km    850 km 
燃 料   3.0 Liters  27.0 Liters  15.0 Liters  45.0 Liters
燃 費  15.0 Km/L   17.8 Km/L   21.7 Km/L   18.9 Km/L
経過時間    4 Hours    13 Hours    8.5 Hours   25.5 Hours 
          (註) 燃料及び燃費は換算値 (燃料注入時が日を跨っているため)

8、内 容

 今年は21世紀元年。我々のツーリングクラブの名(ST−21:Super Touring in the 21st Century)に因んで21世紀元年記念イベント海外遠征(オーストラリア)ツーリングを企画・実施した。
 幸い我々の仲間に時々海外に駐在する者がいて、今回はGP(Global Person)さんがオーストラリアのメルボルンに駐在している。そんなことから、この国やこの地方の状況に詳しいGPさんが企画し宿泊やレンタルバイクの手配を全てしてくださった。
 今回、メンバー全員にこのツーリングの参加を募ったが、長い日程、費用問題、先約等の理由により、結局、参加者はGPさんと私(SM:Snow Man)の二人だけとなった。

(1) 準備
 全てをGPさんにお願いしたが、いざ行くとなると種々の心配が出てくる。
  @ クレジットカード中心にせよ、オーストラリアドル(A$)はいくら用意したらよいのか?
  A オーストラリアは真冬というがどのくらい寒く、ウェアーはどのようにすればよいか?
  B バイクはどんな車種があってレンタル料はいくらか?
  C 装備は日本と同じとしても、ヘルメット、バイク用革のズボン、パット付きバイクウェア、
    ブーツ、カッパ等かさばるものばかり。 どうするか?
  D 国際免許を用意する必要があるが、今は何処へ行けば交付してもらえるのか?
  E オーストラリア入国にはETAS(Electronic Travel Authority System)ビザが必要。経験のため自分で申請するか?
    ETASとは「オーストラリア旅行に必要な査証(ビザ)を、パスポートに押印する発給方式に代わり、オーストラリア政府のコンピュータにオンラインで登録し、入国許可を済ませる「電子渡航許可制度」である。」
  F 日本は真夏で猛暑の最中。オーストラリアは真冬、機内でどのようにいつ衣替えするのか?

 まあ、日本でのツーリングと違い、心配事が多く、行くまでが大変だった。
 現地の状況については全てGPさんにEメールにて情報を頂いていたので安心して出発することが出来た。

(2) 航空券キャンセル待ち
 今回の便は結果的に申し込みぎりぎりになってしまい、危うく安売り切符が取れなくなる寸前だった。6月上旬には未だ空きがあると聞いていたのでのんびりしていたら、6月20日ツーリストに申し込みんだ時点ではJAL悟空は既に満席でキャンセル待ち。慌てて、HISに電話してとりあえずカンタス航空・シドニー経由メルボルン直行便が取れた。JAL悟空は人気があるのでキャンセルは出ないのではないかと不安だったが6月26日に無事取れたので、カンタス便はキャンセルさせてもらった。
 私はJALのグローバル会員でもあるので色々な得点がある。

  @ 「JAL悟空」ならば、安売り券ながら70%のマイレージが付く。
  A 空港で出発待ちのとき、快適サロン「さくらラウンジ」(飲み物無料)が利用できる。
  B 自宅から空港までのバゲージ無料配送サービスが受けられる。
  C チェックインカウンタはファーストクラスの窓口が利用でき、待ち時間がない。
  D ファーストクラスと同様に「荷物の早出し」サービスが受けられる。
  E 海外旅行傷害保険は自動付与される。(死亡時最高5000万円)
など大変優遇されるので、JALを選んだ。

(3)真夏から真冬へ
 日本を発つ日まで、猛暑が続いていた。服装はジーパンに半袖シャツだ。早めに空港に到着したので、軽く夕食を取った後、早速、「さくらラウンジ」で休憩し、ビールを楽しんだ。時間になり飛行機に乗り込む。当然ながら殆どの人は半袖シャツで飛行機に乗り込んだ。
 隣の席にはオーストラリア人が座っていて、私のほうから話し掛けた。旅行目的など聞かれ、「バイクツーリング」だというと大変驚いていた。日本語版だが私のホームページがあるというと、帰国したら早速見たいと言っていた。
 一夜明けて、時差1時間のシドニーに到着するとそこは真冬。しかしこの日は暖かいらしく半袖でも寒くない。すぐに冬物を着られるように長袖シャツとジャンパーを持っていたが必要なかった。
 という訳で、半袖シャツのまま空港のイミグレーション(税関)をを出た。

(3) 荷物の手違い
 チェックイン時に「荷札はメルボルン空港になっているがシドニーで一旦受け取って自分で持って国内便に乗り換えてください」と言われた。その通りにシドニーで通関手続きして自分のスーツケースの出るのを待った。念のためにJALの日本人係員に確認すると、「この荷札(航空チケットに控えが貼ってある)ではメルボルンに行くことになっているので、ここには出てこない」という。そうこうしているうちに私の荷物が出て来た。JALの係員は「おかしいですね」と言っているが出てきたのは事実なのだ。しかし、私は最初チェックイン時に言われた通りに一旦出てきて正解だった。もし出ずに直接国際線の乗り継ぎでメルボルンに行ったら、この荷物はどうなっていたのだろう。しかも、不思議なことに私の便はやはり東京⇒シドニー⇒メルボルンのトランジット便(国際便)であった。従って、オーストラリア入国をシドニーで一旦取り消してメルボルンで再び再入国手続きをした。幸い空いている窓口を選んだので2回とも1人待ちですぐ手続きは完了した。

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無事メルボルン空港に到着 Sydneyで入国取消サイン(右下)
Melbourneで再入国(右上)
メルボルンの高速道路

(4)約束の場所にGPさんはいない
 出発も少々遅れて、メルボルン到着が20分ほど遅れたが、GPさんとの待ち合わせ場所に行ったがGPさんはいない。彼の連絡先を知らないので困った。元々、GPさんは約束の場所で待ったらしいのだが、時間に来ないので、「もしかして国内便で来るかも知れない」と思い、かなり離れた国内便到着口に確認に行ったらしい。国際線到着口と国内線到着口とはかなり離れているので時間がかかったらしいが、幸い20分くらいでGPさんが私を見つけて声を掛けてくれた。
 やれやれ、ほっとして彼の運転する車で彼のアパートに向かった。そして途中、観光案内までしてくれた。

[第1日目]

(1) GPさんのアパートでバイクスーツに着替える。
 到着した日がツーリング第一日目である。昼前にGPさんのアパートに行き荷物を解いて、冬のバイクウェアに着替えた。念のためウールの股引をはき、日本から来た時のままの半袖シャツの上にゴアテックス製のバイクスーツを着た。

(2)街を散策しながらレンタルバイク屋まで歩く
 日本の真冬(朝0℃)ならウールの長袖下着、長袖シャツ、トレーナーそしてバイクスーツを着るところだがこちらは暖かかったので上記の服装となった。
 この日のメルボルンは暖かでこの服装で歩くと暑い。しかも、彼のアパートからバイク屋まで、街の中心を縦貫して3km歩いた反対側である。最初距離は知らずに、彼の案内に従って早足で歩いたが汗をかいてしまう。しかし、邪魔になるので脱ぐことも出来ずにそのまま歩いた。
 エリザベス通りとクロスする交差点で目の前に停車したトラムカー(市電)の絵に度肝を抜かれた。始めて見た市電の側面一杯に裸の女性が上向きに片膝を立てて横たわっているヌード写真が描かれているのだ。証拠に写真を撮ろうと思ったが、リュックに入っているカメラを出して写真を撮る時間はない。まもなく電車は動き出し行ってしまった。
 その後、メルボルン滞在3日間通過する市電を見たが緑がベースの通常の塗装をしたものばかりで、このとき以外は一度も見ることはなかった。あの、広告は何の広告だったのだろう?
 途中、ビクトリアマーケットを見てフードセンターで軽い昼食を取ろうと思ったがこの日は土曜日で混雑しており座る席もない。この混雑ぶりと暑さから昼食する気にもならず取りあえず昼食をパスすることにした。

(3)気のいいバイク屋
 GPさんが予め予約しておいてくれたので手続きは極めてスムーズに出来た。彼は以前一度バイクを借りたこともあってこのバイク屋の親爺さんと親しい。この人は大変気の良い人で気持ちが和んだ。
 当初、保証金をA$1,500をクレジットカードで仮切りする。ノントラブルであればそのまま戻ってくる。私の借りた BMW R1100-RT は本来は A$275/Day なのだが、当初借りる予定の BMW R1100-RS がなくなってしまったとのことで、GPさんが予め交渉してくれて KAWASAKI Vulcan 1500 と同じ A$220/Day にしてくれた。
 親爺さんは手続きが済むと二人のバイクを外に出してくれて、「どうぞ行ってらっしゃい」という感じで、バイクのキズ等何も確認せずに鍵を渡してくれた。多少小さいキズが数箇所ついているが「まあいいか」と納得して、さあ出発だ。

(4)45kmの慣らし運転
 今日は午後2:00〜6:00頃まで市内を走り、主要なビューポイントを訪問するに留めた。オーストラリアの交通ルールに慣れるのが主な目的なので慎重に走った。
 借りたバイクはBMWのRシリーズ(水平対向エンジン2気筒)なので殆ど私のものと同じだが、ツアラーなので重量が320kgと私のもの(250kg)より重いので特に慎重に扱った。
 車の通行については、オーストラリアは昔英国領だったので日本と同じ左側通行で全く問題ない。
 今回は、メルボルン港、ビーコンコープ海岸、セントキルダ桟橋、F1の開催されるアルバート公園、王立(英国)植物園の各所で休憩し写真を撮った。

(5)メルボルン港
 ここは昔列車ごと船に積み込んだ港で、日本の青函連絡船の青森港のようだ。ここでも今は鉄道は廃線となっている。中々スッキリしていて良い桟橋だ。ここでバイクの記念撮影をして、オープンカフェでコーヒーブレークした。

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Melbourne City メルボルン港 (New Port)
B M W R1100-RT
喫茶店の屋外テーブルで
コーヒーを楽しむ

(6)セント・キルダ(St.Kilda)桟橋
 ここは少々バイクを走らせてセント・キルダ桟橋に向かう。そして長く突き出た防波堤状の小さな島に行った。ここから見るヨットハーバーは日本の葉山マリナーのように美しいところであった。

(7)アルバート(Albert)公園(F1レース場)
 ここはF1レースをするところで有名だ.普段は公園になっていて普通の車が通ることが出来る。最初の半周は写真を撮ったりしてゆっくり走り、最後にこのレースコースを1周した。結局、1.5周したことになる。

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落着いたヨットハーバー セント・キルダ桟橋 アルバート公園(F1 レース場)
KAWASAKI Vulcan 1500

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セント・キルダ桟橋を渡ってWilliames Town のヨットハーバーを臨む。(180 度のパノラマ)

(8)王立(英国)植物園
 最後にロイヤル・ボタニック・ガーデン(王立(英国)植物園)内を散策した。  イギリスにはこのような公園が多く、ここも同じ雰囲気だ。1ヵ所東京の新宿御苑のような雰囲気の所があった。

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王立(英国)植物園 珊瑚の木
(Cockscomb Coral-tree)
東京の新宿御苑に似た風景

(9)夕食前に一寸と散歩
 今日はGPさんのアパート前にある大きなカジノ1階のレストラン街で軽く夕食を取る事にした。昼間は割合暖かかったが流石半袖というわけには行かない。半袖シャツの上にベストを着てその上に薄いジャンパーを着て出掛けたが結構寒い。
 GPさんの気遣で、食事の前に少し遠道し、アパートの近くにあるBMWのショールームを見るように案内してくれた。そこは大きなショウルームでBMWの最新のバイクが沢山展示してあった。もう閉店していたが、ガラス越しに一つ一つ観察した。勿論、R1150-RT、R1150-RS、R1150-R、R1150-S、K1200-LT も展示されていた。
 四輪車も展示されていたがそれらはスーっと横目で見る程度で済ました。バイクよりは関心が薄いのと、寒いのとで足早にレストランい向かった。

(10)レストランで軽く夕食
 ここのカジノは兎に角大きい。その代わり、アメリカのラスベガスのようにカジノが林立しているのではなく、ここの巨大カジノ一軒だけなのだ。
 ここは一つの社交の場でもあるらしく大勢の人が集まってくる。入口を入るとラスベガスのように電子スロットルマシンやルーレットで一杯だ。大変な賑わいの中を掻き分けるように奥に進みレストラン街に来た。GPさんはいつも一人でここで夕食を取っているとの事でお店には馴染んでいる。
 ここではGPさんお奨めのイタリアン料理を食べた。勿論、ドリンクは地元のタスマニア産ビールをオーダーしてその味を楽しんだ。


Mornington港のShunapper's Cafe
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(1)どんより曇り空
 2日目は長距離ツーリングでメルボルン市内から、Phillip Island まで走る。ところどころ青空の見える曇り空だ。走るに従って段々雲が厚くなり、暗くなってきた。
Mornington港のShunapper's Cafeでコーヒーブレーク。しかし、9時50分なのでコーヒーショップが開かない。10時5分前にドアをノックしたら早めに店を開けてくれた。

(2)ネピアン岬の砲台跡
 その後、暫く走りネピアン岬に向かう。この岬付近にビジターセンターがあり、様子を聞いた。ここは自然保護地帯で入場料を取られる。そして、車が入るためにゲートを開ける5円玉のようなメタルをくれた。このメタルをゲートの機械に投入するとゲートが開く。そこから岬の半分ほどのところに行くと駐車エリアがあり車はそこでストップだ。そこから先は自然保護のため徒歩で行くしかない。約2kmほど歩き海が見える丘に出た。
 ここには昔外国からの攻撃に反撃したという砲台の跡と要塞跡があった。しかも周囲には「不発弾が沢山あるので策の外は立ち入り禁止」の骸骨マーク付き標識があちこちにあった。
 ここは小高い丘ながら南氷洋(バス海峡)を中心に周囲360度見えるので「360度のパノラマ写真」を撮った。

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展望台からの眺望 ネピアン岬とG.P.さん
(Point Nepian)
Point Nepianの砲台跡

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Point Nepianの砲台跡から見た南氷洋 (360 度のパノラマ)

(3)Phillip Islandにまっしぐら
 後は夕方のペンギン上陸の時間(pm 6:00)に合わせて広大な牧草地帯をひた走る。途中遂に雨が降りだした。イギリスの天気のようにすぐ上がるので少し我慢していたら、益々ひどくなり遂にカッパを着る羽目になった。バイクを停めると土砂降りになってきた。
 バイクをフリーウェイの脇に停めていたら親切な車が停車して「何かトラブルか?」と聞いてくれた。こちらの人は大変親切なのには驚いた。

(4)予定通りPhillip Islandに到着
 Phillip Islandペンギンセンター申込所へ17:00に到着した。しかし、この事務所は「今クローズしたばかりなので、受付はセンターに直接行ってください」とのこと。そこから10km10分ほど走りセンターに到着した。もう周囲は薄暗くなっている。しかも、これからは海岸なので寒い事が予想され防寒代わりにカッパを着たままセンターに行った。そしたら一般観光客もビニールのカッパを着て寒さに耐える準備をしていた。結果オーライであった。そして17:45入場のコースに申し込んだ。自然保護のため昼間は勿論のこと、他の時間帯には入場できない。
 また、場内は写真、ビデオ等の撮影は一切禁止で、可愛いペンギンの姿を撮ることは出来なかった。

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ペンギンセンター
(日も沈みあたりは暗い)
カッパを着た私
(防寒にもなり暖かい)
体長30cm程の小型のペンギン
(センターのパンフから転載)

(5)ペンギン上陸
 ここのペンギンはフェアリーペンギンといって体長30cm程で極めて小さい。そのため外敵に狙われやすいので、ここのペンギンは昼間は姿を現さないのだそうだ。
 17:50になると「ペンギンは2km先迄来ています」とのアナウンスが入る。18:00になるといよいよペンギンの上陸が始まった。
 波打ち際に1羽また1羽と段々増えてくる。それもすぐには上陸せずに群をなすまで(30羽以上)1ヵ所に集まり仲間を待っている。ある程度まとまるとリーダーらしいペンギンが歩き出し、次々とその後に続き1列になって陸に向かって可愛いよちよち歩きで登ってくる。
 子供のために腹いっぱいに魚を詰め込んで大きなお腹が重そうに歩いていく。その餌(魚)は自分の体重の3倍もあるという。その姿は滑稽でもあり愛らしくもある。坂を1列になって登ってきて2〜3羽の先頭グループのペンギンが立ち止まり暫く毛づくろいなどしている。何故かと思って観察していると歩くのが遅いペンギンを待っているのだ。そして追いつくとまた1列になって登っていく。仲間を大切にし群れをなし外敵に備えていることが良く分かった。
 この素晴らしい光景を残念ながら写真には撮ることが出来ない。だから自分の脳裏に強く焼き付けた。
 オーストラリアの人達はルールを固く守るので一人として隠れて写真を撮る違反者はいない。

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日が沈みあたりが暗くなるとペンギンは上陸し群になるまで仲間を待つ
( QUANTAS航空のパンフレットから転載 )

 暫くすると雨が降ってきて観光客も傘をさしたりカッパを着たりおおわらわだ。我々は元々防寒を兼ねてバイク用のカッパを着ていたので慌てることはなかった。
 十分観察したので元来た道をペンギンセンター(建物)に向かって歩き出した。するとその道のあちこちで親ペンギンに子供達が餌をねだって鳴いているのが聞こえる。「かえるの合唱」のように草むら全体で鳴いており賑やかだ。いつの間に、こんなに沢山のペンギンが上陸したのだろうかと驚いた。

(6)帰路は淡々と走るのみ
 帰路はいつ雨が降るかわからないのと防寒を兼ねてカッパを着たまま暗い夜道を淡々と走った。田舎のフリーウェイは街路灯は全くない。だから真っ暗で星空も見える。
 帰路も延々と牧草地帯を真っ直ぐに北上する。このとき、真正面に大きな流れ星が見えた。下に行くほど太い線となって最後はパッと一瞬光って消えた。子供の頃以来こんな大きな流星を見たことがなかったので感激だった。
 また、月が右手から出て左手に移るので、日本にいる感覚では「月が西から出て東に沈む」感じである。
(これは昼間の太陽も同じで、異様な感じがするがすぐ慣れてしまう)

 到着は21:00と大変遅くなったが充実した1日であった。


(余録) 台風や洗面所の水の渦が北半球と逆?
 上記のことと関連して、台風(ハリケーン、サイクロン等)のような熱帯低気圧の渦は北半球と南半球は逆なのだそうだ。同様に、トイレや洗面所の排水時の水の流れも逆だと聞いて、日本を発つときに家内と子供達から「確認の宿題」をもらってきた。
 トイレの水洗で何度も確認したが一気に大量の水が流れて渦にならない。今度は洗面所の水で実験したが渦になる前に水がなくなってしまう。出口に栓で少し閉じて少しづつ流そうとしたら栓の位置で水の流れが変わってしまい確認できなかった。
 この件は、メルボルンから自宅に国際電話したら最初に結果を聞かれた。滞在中に何度もトライしたが結局確認できなかった。残念。


[第3日目]

(1)牧草地帯をひた走る
 3日目は走り中心のツーリングだ。メルボルンから西に南氷洋沿いに150km程走るコースだ。この辺は殆ど牧草地帯で大きな木は殆どない。畑と畑、畑と道路の境目に少々木が生えている程度である。
 殆ど平坦な草原の中を真っ直ぐに走る。フリーウェイには日本のようなSA(サービスエリア)はない。時々休憩所がありトイレがあるだけだ。イギリスでは小さな土産店とコーヒーショップがあったがそれもない。

(2)グレート・オーシャン・ロード( Great Ocean Road )
 フリーウェイを快適に走っていると「カンガルー横断警告の標識」が見えてきた。GPさんがバイクを止めて記念写真を撮ろうと言ってくれた。これから注意して走ろう。
 いよいよ海岸線に出た。Apple Sea の眺めのよいところで写真を撮った。そしていよいよ Great Ocean Road だ。この道はトーキーの町から西に200km続く美しい海岸道路で、山側は森林や絶壁が連なる。 Great Ocean Road の名称の通り南氷洋に沿った景観の良いところを延々と走る将にグレートな海岸道路なのだ。
 途中の砂浜で気持ちのよい海風を楽しんだ。「ゴミは自宅に持ち帰ってください」との看板があったが、景観を害さない配慮がされていた。海岸にはゴミはなくきれいだ。土産店では種々の黄色の警告マークが売られていたので写真に撮った。

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カンガルー横断警告の標識 Apple Sea の景観 Great Ocean Road 入口

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「ごみは家に持ち帰ってください」
の表示板も景観を配慮
砂浜とG.P.さん 沢山の黄色い警告マーク

(3)Lorne 観光案内所と昼食
 この Lorne の街の観光案内所に行ってこの周辺の見所を教えてもらった。オーストラリアでは各町に観光案内所があって「i」(英文字で小文字のアイ=information)のマークはあるのですぐわかる。ここの女性案内人が4kmほど先にある Cafe Falls、別のところにも滝、岬など数ヵ所教えてくれた。昼食後に行くことにして、この街のレストランでイタリア料理の軽食をとった。店の従業員も何となくイタリア人といった感じの人たちばかりだ。イタリア系のレストランは世界どこに行ってもあるので「よく頑張っているなあ」と思った。

(4)熱帯雨林の中のCafe Falls(コーヒー滝)
 街から4km程はなれたところにこの辺では有名な滝(Cafe Falls:コーヒー滝)があると言うので見に行った。丘から急な下り坂をかなり下ったところに駐車場があった。ここにバイクを止め滝を見に行こうとしたが徒歩で15分(往復30分以上)かかるというので行くのを断念した。
 この辺は熱帯雨林で全体がじめじめしている。ここにハーレーが停まっていたので我々のバイクと計3台の大型バイクが駐車した。

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熱帯雨林の中にある Cafe Falls (3台のビッグバイク:Harley Davidson, BMW, KAWASAKI)

(翌日、車でドライブしたが、コーヒー店で車を止めたらハーレーが止まっていてその持ち主が戻ってきた。この人たちが「昨日、あの熱帯雨林で君たちを見かけたよ」と我々に声を掛けてこられた。この方たちは60歳前後の夫婦で2000km西の町からツーリングにきたとのこと。「我々は確かにいました。でもあのときのハーレーだったのですか?」と我々は驚いた。それにしても我々の服装は「昨日はバイクスーツで今日は普通のコート」で全く違うのによく分かったものだ。しかも、我々はあの時このご夫婦を見かけなかった。我々が帰り支度でもしているときに見たのかもしれない。兎に角、「Have a nice trip」といって二人を見送った。あのハーレーの轟音とともに消えた。)

(5)Geelong の街
 ここは港が良く見える美しい街だ。記念写真を撮って港まで行き、ここ Cunningham Piar にある Buccanan Cafe でコーヒーブレークすることにした。
 冬の港は淋しい。夏ならば賑わうはずのヨットハーバーも真冬なので訪れる観光客は殆どなく、土産店兼コーヒーショップの中も閑散としている。ここでコーヒーブレークして帰ることにした。

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Geelong湾と街並みと私

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Geelong湾とG.P.さん Geelong Town と私 Cunningham Piar
Buccanan Cafe

(6)田舎のフリーウェイにはロータリーもある
 あとはひたすら帰路を急ぐのみだが、どの車も制限速度を守って走るのでそんなに速くはない。最高速の表示でも110km/hだ。そこでは皆110km/hで走る。速い車がない代わり遅い車もいなく、皆同じ速度で走る。日本では考えられない。
 田舎のフリーウェイを走っていると時々ロータリーマークが出て来る。すると車は徐々に速度を落とす。
 ロータリーに入るには一定のルールがある。ロータリー内は40km/hで、入る前に一旦停止し、ロータリー内に車がいなければ前進してよいが車がいたらその車が出るまで進入禁止だ。このルールも完全に守られている。欧米は契約社会なのでこれが当然のように守られるのだそうだ。ドライブライセンス(運転免許)とは一種の契約なのだから当然なのだそうだ。逆に日本人は「契約を守らない人種」と言われているらしい。
 尚、片側2車線の広い道路ではロータリーも2車線になっているので面白い。

(7)田舎のフリーウェイには信号もある
 同様に田舎のフリーウェイには信号があるところもある。このときは当然、制限速度は 80km/h以下になる。制限速度が80km/h⇒60km/h⇒40km/hになったと思うと信号が出てくる。ここは街中(まちなか)でいつのまにか一般道になっているのだ。制限速度が80km/hとなると大抵町が見えてくる。町を通過するとまた100km/hに戻りどの車も速度を上げる。そして、道路標識は「高速道」を示す「緑色の看板」(日本も高速は緑看板)になる。


9、費 用

費用 (A$=\70) 1日目 2日目 3日目 3日間小計
二輪車レンタル料   220    220    220    660 
燃   料   ---    25.6    17.6    43.2 
飲 食 費   44.6    33.1    53.0    130.7 
入 場 料   ---    13.0    ---    13.0 
合   計   264.6    291.7    290.6    846.9 

 航空運賃等は別としたツーリング関係の総費用はA$846.9で、日本円では59,283円と6万円以内で済んだ。
 GPさんによる宿舎提供、毎朝食の用意、詳細計画作成に感謝します。この場を借りて御礼申し上げます。


【夜間観光】
 3日間ともバイクツーリングをしたが、夜は夕食を楽しむ事を兼ねて、GPさんが夜のメルボルンの街を案内してくれた。
 GPさんのアパートはメルボルンのほぼ中心でフリンダース・ストリート駅から徒歩5分程のところにある。しかも、アパートの正面道路の反対側は大きなカジノがあるビルなので、夕食はそのカジノの1Fにあるレストラン街で取ることが出来る大変便利なところだ。
 カジノ周辺は洒落たレストランや観光兼デートコースになっているので、メルボルンの若者達が集まってくる活気あるところなのだ。そこの2階にある、大きな運河(ヤラ川)と綺麗に照明されたフリンダース・ストリート駅舎の見える洒落たレストランで夕食を楽しんだりした。その後、この周辺を散歩して夜のメルボルン街を楽しんだ。
 また、中国料理や日本料理を食べたければ街の中心地点を越えて反対側にある中華街の一角でとることが出来る。勿論、滞在中に一度そこを訪れて日本食と日本のビール(アサヒスーパードライ)と日本酒(菊正宗)を楽しんだ。

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カジノのあるビル[CROWN] レストランからの夜景 (フリンダース・ストリート駅とヤラ川)
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フリンダース・ストリート駅正面 NECのネオンも見えた 中華街(日本料理店もある)

 3日間の雄大なオーストラリア・ツーリングはトラブルもなく、無事楽しいツーリングを終えた。

以上

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