バカ100連発名作劇場
Vol.2 1971年/米監督 ウィリアム・フリードキン 出演 ジーン・ハックマン ロイ・シャイダー フェルナンド・レイ |
| バカ100連発名作劇場、誰もが忘れた頃合いを見計らって第2回を投入しますが。というか実に半年ほど更新らしい更新をしてないので非常に気まずい思いをしてますよ。てなわけで今回は今を遡ること31年前、1971年に作られた刑事ドラマの金字塔『フレンチ・コネクション』の話をします。なんでまた、と問われたら知らん！と答えるのはいつも通り。
ここを見に来てくれるお客さんの大半は仕事を持ってる方だと思うんですが。まァオレも皆さんが昼間っから仕事をサボって読んでくれるといいなと思ってここを作ってますけども、しかしそういうオレのことをなぜか無職と思ってる方が時々いるようで、一度なんか会ったことのない方からメールで「ホークさんは無職なので大変だと思いますが、このまま就職なんかしないで頑張ってください」とかいうありがたい励ましの言葉をいただいたことがありました。ちょっと待て！働いてるよ！ていうか何を頑張れってんだよ！とえらく狼狽しましたが。まァこの親切な方はちょうどオレが以前に勤めてた会社を辞めて、毎晩毎晩このサイトにゴミのようなコンテンツを投下してた頃のあれこれを読まれてそういう判断をされたんだと思うが、あの頃はずいぶん精力的だったなあ。それに比べて今はどうだ！というわけで一応仕事はしてます。 でまァ話のついでというわけではないんだけれども、勤めてた会社を電撃離脱しちゃったことがあった。今になってみればずいぶん発作的に辞めたもんだなあと思うが、覆水盆に帰らずという言葉を適当に思い出してみる春の昼下がりである。 その頃は広告代理店の営業という仕事についていたのだが。基本的には走り回って謝って、また走り回ってまた謝るという、考えてみればドタバタするのが5割、謝罪が5割。そんな毎日だった。その他のことをあんまりというか全く覚えていないのは、きっと他には何もしてなかったせいだと思いますが。それでも結構楽しく暮らしていたのは何だかんだ、そうやってドタバタと暮らすのが性に合っていたからかも知れなかった。 ところがある時、異動の命令が下った。 異動先はマーケティングがどうとかコミュニケーション戦略がどうとか、そんなことを日がな1日打ち合わせてるのが仕事という、それまで走り回って目先のことを片付けてさえいればそれが仕事だとばかり思っていた自分には信じられない世界だった。そこには押し出しだけが妙に強いヘッドのオヤジがいて、その取り巻き連中が1日24時間長机を囲み、オヤジのご高説にウンウンうなづいていた。どうやらそれが彼らの仕事らしかった。要はそれだけやってれば誰にも叱られないのである。なおかつ彼らはそのお喋りの合間合間に、まったく何が書いてあるのか解読不能な文書をシコシコ作っては「やっぱりボクたちみたいな頭脳派がいないと、この会社はダメなんだよね〜！」などと感極まっているのだ。 オレは慄然としましたよ。まァふんどし一丁で御輿を担いでその場をグルグル回ってるような。しかも満面に笑みをたたえて。彼らのやってることと言ったらそんなものにしか見えなかった。というわけでオレは思わず「こんなもん仕事じゃねえよ！オッサンのタイコ持ちなんかやってられっか！ガッデム！」と、会社を辞めたのである。異動から1週間弱、まさに電撃離脱であった。かつてアントニオ猪木の所行のあれこれにほとほと疲れ果てた坂口征二が「人間不信」とだけ書いた手紙を1枚残して行方不明になったという状況を思い起こしていただければ、当時のオレの心境が判る、わけがねえだろう！もともと判りにくい話がいよいよ支離滅裂になってきちゃったじゃねえか。でもまァ、とにかくそれぐらいに激烈な勢いで辞めちゃったんですよ。 しかし「今日は『フレンチ・コネクション』の話をしますよ」なんて言いながら、なんでオレのこんなショッパイ話をしているのかといえば、それはこのページのキモというのがまさにその「こんなもん仕事じゃねえよ！」というところにあるからなのだ。 なら何が仕事なのか。 |
 たまたまビデオを見ていたのだ。もうそろそろ異動かなあというタイミングで、何度目かの『フレンチ・コネクション』を見返していた。実に暗い気持ちで。まァ長い人生、煮詰まってないときはないのだが、このボンヤリと『フレンチ・コネクション』を見ていた夜の煮詰まりようと言ったら前代未聞だった。仕事もドン詰まりなら貯金もなく、女にも逃げられていた。そこでどうして『フレンチ・コネクション』を見たのかは判らないんだが、とにかくオレはこの映画を夜中に、いや明け方も近くなっていた時間に見返して辞職を決意したのだ。正気かよ！いやオレの人生、正気だったことなんかあるかよ！ないよ！
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