希望の力

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第三章 過去の思いで

第三話 モーレとゲノン

「モーレ。待ったか」
ゲノンがモーレに呼び掛ける。
「あぁ、待った」
「やっぱり。30分も待たせたら……そうだよな」
「まああいつほどじゃないからいいか」
「許してくれるのか」
「誰か許すと言った。ちゃんと今度、この借りは返してもらうからな」
「わかった。それで今日の目的は?」
「コー・クーゼフの遺産を手に入れる。」
「どこでその話し聞いたんだ。第一ほんとに有るのかそんなもの」
「あいつに聞いた話だから当てにならんが、夢のお告げで聞いた話じゃないらしい」
「それなら安心だ」
「そういうことだ。いくぞ」
「ちょっとまって」
「何だよゲノン」
「走ってきたんだ。休ましてくれ」
「うそつくな。歩いてきていただろうが」
「この町に入る前は走ってたんだって」
「遅れてきたんだから、休まさないからな」
「そんな〜」
「わかったよ、途中まで歩いたら休ましてやるよ」
「わかった」
そして町を出てから4,5分たってゲノンが
「もうそろそろ休もうよ〜」
「あともう少ししたら休ましてやるから、がんばれよ」
「あとちょっとってどれくらいなんだよ〜」
「20分ぐらい」
「そんなにあるのーもう疲れたー」
「しょうがないな。おまえの言うこと無視して目的地まで歩くか」
「どこがしょうがないんんだよ〜。しょうがないなら普通なら休むだろ〜。あっ、モーレまって」
「どうしたんだよ」
「ほら、あそこにいる人おかしくない」
「あの石の上に座っている人が?」
「そう、ここらへん確か魔物や山賊が多く出るのに何にも武器を持ってないのはおかしいって」
「たしかにここらへんまで来て何も持ってないのはおかしいな」
「だろー」
「でも気にするようなことでもないだろう」
「そうか」
「そうだ」
「襲われたらどう戦うか気にならないか」
「そんなもの気にならない」
「襲われたら助けないといけないと思うけど……」
「どうでも良いこと………」
その時、その男に山賊が絡んできた。
「しゃーないから少し様子を見よう」
「モーレ、すまないな」
「その代わり次の町で食事おごれ」
「あーわかったよ。俺の都合だからな」
その時山賊を炎が包む。
「あれはもしかして」
モーレは見覚えが有る変な燃え方をしている炎に驚いて呆然としている。
「すごい……あの炎はまさか…」
ゲノンも同じように驚いている。
「とりあえず逃げたほうが良さそうだな」
「モーレ、なぜだよ」
「この場を見ていたんだぞ、もしかしたら戦う羽目になるかもしれないだろうが。その前に逃げておいたほうが安全だろう。もしかしたら逃げ切れるからな」
「なるほど、わかった」
それから十五分くらい走りつつけて洞窟が見えてきた。
「モーレもう良いんじゃないのか」
「ああそうだな」
「目的地までついてしまったな」
「ああそうだな」
「俺らのこと気にしてなかったのかもしれないんじゃないのか」
「わからん追いかけてきてたかもしれない」
「休んだらさっさと事済ましちゃおうぜ」
「そうするつもりだ」

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