希望の力

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第三章 過去の思い出

第五話 探し物

「モーレ。本当に大丈夫だと思うか」
「無理ならそんな事いはないだろう」
「確かにそうだな」
「別れてるぞ。モーレどうする」
「お前はそっちに行け。俺はこっちに行く。もし見つかったら叫べ良いな」
「わかった。気をつけろつよ」
「お前ほど間抜けはない」
「大きなお世話だ」
「まず急ぐぞ」
モーレは奥に向かって走った。
「まだ着かないのか」
モーレは焦っていた。その焦りを忘れようとしているかのようにより急いだ。そして周りの石があの広い場所以上に光っている事に気がついた。
「後もう少しで着く」

そのころゲノンは
「行き止まりか。戻るしかないか」
そのとき前の壁が扉のように開いた。
「うそだろー」
ゲノンは空いた壁に向かって奥に進んだ。

「邪魔だ」
モーレの剣が魔物の腹を切りつける。
「光が強くなってる。あと少しだ」
モーレは走った。そうすると部屋みたいな場所が見えてきた。
「あった。魔道書」
その部屋には一つの机がありその上にはぶ厚い本が一冊置いてあった。モーレはその本を持ち上げた。その時本が光だしどこからか声が聞こえてきた。
「この本を求めし者名をなんと言う」
「誰だ」
「すぐに解かるであろう。お主、名をなんと言う」
「名を聞いて何をする」
「この本の持ち主をお主にするだけ」
「解かった。我が名をモーレ」
「モーレか、解かった。本を机に置き二歩下がれ」
「解かった」
モーレは言われたように本を机の上に置き下がった。
「準備は良いか」
「何の準備だ」
「この本の主になるための心が前だ」
「もう出来ている」
「解かった」
いきなり周りが暗くなり本が少し光っているだけであった。
「我が力を手にし者、名をモーレ、我が力求めるし時、力とならん」
周りが明るくなった。
「もう良いのか」
「これでお主の心が死ぬまで我が力はお主のみしか使えぬ」
「そうか、わからない事があったらお前に聞く事が出来るのか」
「我が力の事は書いてある。それを参考にしてくれ」
「解かった」
モーレは本を取りめくった。十ページほどは書いてあったが、それ以降は何も書いてなかった。
「これはどう言うことだ」
「お主の力で使えるもの以外は見えない。お主が強くなったら見えるであろう」
「そうか。では何回ぐらい使える」
「それもお主の力が続くかぎりだ。もうこれ以上は答えられぬ」
本は光らなくなった。
「とりあえずゲノンを呼んで助けに行くか」
本を鞄の中に入れ急いで戻った。

「モーレまだ戻ってこないのかなー」
ゆっくりと奥に進んでいくゲノン。もう助けに行かなければと言う意志は遠退いてしまっていた。
「ここにはどのくらいの仕掛けがあるんだよー」
一人奥に立つ人がいた。
「お前は」
見て驚くゲノン。

「いない」
大広間に着いたが何もない。
「ゲノンもいない」
足音より想像出来る魔物もいなかった。
「ゲノンもしかして魔物に苦戦しているのかな」
もしかとは思ったがそんなこと無いよなと考えた。しかしそのまさかが当たっているような気になり、ゲノンが無事かどうかが不安になったので、奥のほうに再び戻った。

「お前は」
ゲノンは驚いた。
「お前は確か死んだはず、なのになぜお前がここにいる」
剣に手を添え、右足を後ろ一歩分ぐらい引いて
「死ぬ、ケレーム」
そう言いながら、剣で切りつけた。しかし交わされてしまった。
「喰らえ」
もう一度切りかかる、また交わされたのでもう一度、もう一度と何回が切りかかった。しかし一度もかすりもしなかった。
「やはりこいつは普通じゃないな。仕方がない、モーレに止められているけどいいや」
両手を上に上げるゲノン、そして後ろから足音がする。
「ゲノン、いるのか。」
後ろからモーレの声がする。両手を下ろし後ろを向く。

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