希望の力

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第三章 過去の思い出

第六話 ケレーム

「ゲノン、いるのか。」
後ろからモーレの声がする。ゲノンは両手を下ろし後ろを向いた。
「モーレ。来ないで」
「なぜ?」
「どうしてもだめなんだ」
「何があったか知らないけどそっちに行くぞ」
そういってモーレは走ってゲノンの方に向かった。
「貴様は・・・ケレーム」
モーレも剣を構えた。
「ゲノン、なぜ俺を追い払おうとした」
「ケレームに勝てるはずがないもん」
「だったらなぜ」
「モーレだけには生きて欲しかった」
「馬鹿野郎」
そういってモーレはゲノンを殴ろうと手を上に上げた。
「馬鹿野郎・・・・・・死のうと考えるな。生きることを考えろ」
そうい言ってモーレは手を下ろした。
「モーレ・・・・・・ごめ・・・・いや、ありがとう・・・。そうだよね、生きていれば今どうにもならない事が後では何とかなるかもしれないもんね。これがモーレの口癖だもんね。」
「そういうことだよ。でも口癖って言うほど言ってるかな?」
「うん、言ってるよ。でもどうやって逃げるの」
「おれに任せろ」
「えっ。まかせろってまさか前と同じ方法を採るの?」
「気を引いてるうちに逃げてくれ。逃げるだけなら方法はあるから」
「どう言うこと?なんか自信があるように見えるけど・・・」
「それは秘密」
「わかったよ」
「準備は良い?」
「待って・・・もういいよ」
「じゃあ行くぞ」
そういってモーレは剣を振り上げケレームに突撃した。しかし、ケレームは見事によけた。
「ケレームなぜ生きている」
モーレはケレームの顔を見上げていった。
「ふっふっふっ・・・・・・」
しかしケレームは笑うだけだった。
「何がおかしい」
「あのとき死んだと思っていたのか」
「あの爆発の中、生きられるとも思えないからな。逃げ道もなかったし、時間もなかったはず」
「逃げ道がないと思っていたとわな。ふっふっふ、愚かだな。」
「あったのか」
「気づかぬとは愚かだな。ふっふっふっ」
「MMを人工的に作ろうとした野望を阻止出来たんだからそれで俺にとって見れば十分だったんだ。たとえ逃げ道があったとしてもMMTのコピーは持ち出せなかったはず。違うか」
「確かにMMTのコピーは持ち出せなかったが、そんなことで止めるとでも思うか?」
「これ以上、ゲノンみたいに悲しい思いをする人間を作らせない」
「ふっ、あの失敗作の人形を人間というのか、滑稽な。」
「ゲノンは人形じゃない、人間だ」
「言いたいだけ言っていればよい失敗作の人形には代わりはない」
「ふざけるな」
そういうとモーレはケレームの顔を切りつけた。
「我が顔に傷を付けるとは、なかなかやるな。しかし貴様はここで死ぬことが決定したな」
「戯れ言を抜かすな。死ぬのはおまえだ」
「貴様の方が戯れ言を言っている事を気づかぬとは愚かだな。まあいい、貴様が戯れ事を言っていたと言うことに築きながら死ぬがいい」
そうケレームが言うと剣を取り出し、モーレを斬りつけようとした。モーレはっ皮脂に剣で受け止める。
「ふっなかなかやるな、私の顔に傷を付けるだけのことはある」
そういうともれーの剣を振り払おうとした。モーレもケレームの剣を振り払おうと剣を上に上げようとした。しかしモーレは振り払われ、モーレの剣は宙を舞った。
「さあ拾え、もう少し遊んであげるよ、ふっふっふっ」
「魔の力よ、我が力になれ。そしてモーレの名により命令する。炎よ、ケレームを焼け」
モーレは本を開き呪文を唱えた。炎が現れケレームを焼き尽くしていくように見えた。

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