希望の力

ホームに戻る

前に戻る

第三章 過去の思い出

第七話 新たなる仲間

「モーレ・・・大丈夫・・・かな」
不安になりながら外に向かうゲノン。
「その前に・・・逃げろって・・・言ってなかった・・・気がするんだよなー」
そういいながらも逃げるゲノン。しかし目の前に誰がいる。
「用心した方がいいかな」
そっと歩くゲノン。
「待ってましたよ」
「うわーーーーー」
驚くゲノン。
「驚かしてしまいましたか。驚かすつもりなどなかったのですが・・・すみません」
「こちらこそ・・・驚いて・・・しまって・・・すみません」
「こちらが驚かしてしまったのですから気になさらないでください」
「それよりも・・・早く・・・逃げてください。」
「そのために待っていたんですよ。外への行き方を教えるためにです」
「えっ」
「細かい理由はあとで説明しますから、とりあえずついてきてください。その前に走れますか」
「何とか・・・大丈夫・・・です」
「無理そうですね。仕方ありませんから私の背中に乗ってください」
「いえ・・・大丈夫・・・です」
「無理になくていいですよ。そのために来たんですから」
「まだ・・・走れますから」
「仕方ありませんね。少々痛いかもしれませんが・・・」
そういうとその男はゲノンを殴った。
「まさか、ケレームの仲間じゃ・・・」
そう言うとゲノンは倒れた。

「貴様、魔法が使えるだと・・・貴様を甘く見ていたようだな」
「ケレームお前こそ魔法を受けて無事だとは思っていなかったよ」
「貴様を殺すのは惜しいが、我に逆なうつもりなら殺すしかあるまい」
「お前に争うつもりはない、お前がしようとしていることを阻止するだけだ」
「我に逆らうと同じ事。貴様と意見が合わなくて残念だ」
「俺もお前と意見が合わなかったことは残念だ。しかし今はお前を倒す力はない」
「貴様さっきまでと言っていることが違うな。まあいい、素直になってきたじゃないか」
「そんなことは解っていた。ただ時間を稼いただけだ」
「ふっ、そんなことは無駄なこと。貴様を殺して失敗作を消すことなどすぐに出来る」
「それは俺を殺せたらだろ?違うか」
「その通りだ。逃げるつもりだろうが無理なことぐらい貴様の脳でも解るだろう」
「ふつうに考えればそうだがこちらには秘策があってね」
「秘策?おもしろい。しかしその秘策とやらが見られなくて残念だよ。そんなものは使わせないのだからね」
「あとは発動させるだけだ。モーレの名により発動せよ、ムルーブ」
「なに」
モーレは消えた

「やっと着きましたか。そっとおろして・・・っと」
空を見上げる男、そして洞窟の方に体をむき直して
「さて早く破壊しますか・・・少しでも長く時間を稼げればいいのですが・・・」
そういうと一枚のカードを出して
「私に封印されし力よ、魔の力に変わりて破壊せよ」
そういうとカードを投げた。
「魔術の方が威力があったかもしれませんねー」
ものすごい爆発音とともに洞窟の入り口が壊れだしていった。
「あとは、待つだけですね」
その男の後ろに激しい光とともにモーレが現れた。
「うわっと」
「大丈夫ですか」
「あっはい」
「それはそうとお連れの方なのですが・・・」
ゲノンを見ながら男はいいわけを考えた。
「ちょっと無理矢理だったのですが・・・」
「気にしないでください。どうせゲノンのことです。もう歩けない状態なのに無理して、ご迷惑をかけたんでしょう。それはそうと俺たちが目的だったんでしょう。俺たちを何に利用しようと考えてるんですか」
「鋭いですねー。でも利用なんて考えてませんよ。助けに来ただけですから・・・」
「それが本当としてもなぜここに来ると言うことが解った・・・いや解っていたんですか」
「無理に口調をあわせなくてもいいですよ。いつも通りに話してください。別に解っていたわけではありませんよ。罠をかけただけです。」
「罠?」
「その前に名前をお聞きしたいのですがよろしいですか」
「俺はモーレ・エレ・ブレスト。まあモーレと読んでください」
「モーレですね。解りました。モーレが持ってる魔術書が罠です」
「これがですか」
「そうです。モーレ達は必ずその魔術書が必要になると言うことは予想してました。だからこの魔術書のことを流したんですよ」
「これは偽物と言うことなんですね」
「それは確かにいわゆるコーの遺産です」
「なぜこの本のことを知っていたのですか」
「それより町に戻りませんか。ゲノが疲れてますよ」
「そうですね。ゲノではなくゲノンですけどね」
「そうですか。間違いしまいましたね。すみませんゲノン」

次へ行く

ホームに戻る