希望の力

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第四章 自分と自分

1話目 夢と希望

「おい豊錐起きろ」
豊錐の方をたたく露木
「豊錐起きろ。先生に指されてるぞ」
何度かたたかれ起きる豊錐。
「それはえーと。a=-2 b=5,3です」
そういうと豊錐はまた寝た。

それから授業は終わり。
「豊錐起きろ」
中井は教室に入るなり自分の頭を枕にして寝ていた豊錐の頭を叩いた。
「痛ったーい」
豊錐は自分の頭をさすりながら叩いた中井を見上げて言った。
「どーせ大げさにしているだけだろう」
「本当にいたいんだってばー」
「はい、出た出たいつもの大げさ」
「だーかーらー大げさじゃないって。それはそうとなんか用が有って来たんじゃないの」
「ただ暇だったから来たんだよ」
「暇だからって人の頭を叩かないでよー」
「起こすために軽くたたいたんだよ」
「どこがかるくだよ」
「まあそれはおいといて」
「あっごまかしたー」
「ごまかしてない」
「ごまかした」
「だからしてない」
「それはいいとして何」
「豊錐さあ、この頃よく寝ているよな」
「寝ようとするんだけど寝られないんだよ」
「どうせ豊錐のことだから徹夜でゲームやってたんだろう」
「別にいいじゃん」
「よくない」
「眠れないんだもん」
「だったらゲームせずに勉強しろ」
「そんなこと解ってるよー。でも勉強しようと思っていたのに気づいたらゲームやっってるんどよー」
「いいわけするな」
「言い訳じゃないもん、本当のことだもん」
「はいはい」
「酷いー。話を流したー」
「悪いか」
「別に流しても良いけど」
「なら良いだろう」
「でもやっぱり酷い」
「あー、うざったい」
そう言うと中井は豊錐の頭を叩いた。
「あいたたたー」
そう叫びながら豊錐は叩かれた反動で机に当たった額を押さえた。
「叩かなくってもいいじゃん」
「豊錐がうざったく感じたら叩くのが一番なんだよ」
「なにそれー。特に酷いー」
「全然酷くない」
「ものすごく酷い」
「どう考えても酷くない」
「さっきと同じパターンだから止めよう」
「そうだな」
「中井さん、話変わるんだけど国語の教科書持ってきてる?」
「有るけど貸さないよ」
「貸してよー」
「冗談だよ」
「じゃあ」
「500円で」
「金取るの」
「うそうそ、ちょっとまってろ。持ってきてやるよ」
「ありがとうー」
そう言うと豊錐はあくびをした。その行動を見て中井は
「でも貸しても寝るんじゃ意味ないよなー」
「大丈夫、もう数学の時間に十分に寝たから」
「やっぱり取りに来て」
「解った」

国語の時間
「露木、先生に呼ばれたら起こして」
そういうとまた豊錐は眠りだした 。

「豊錐、起きろ」
豊錐は聞き覚えのない声に起こされた。
「きみはだれ」
「君はだれ」
「私は益井豊錐。君は」
「僕のことは君がよく知ってるよ」
「わたしは君を知らない。その前にここはどこ」
「ここがどこかも君が知ってる」
「何故ここにいるんだろう。ここじゃないどこかにいたはずなんだけど、俺がどこにいたか知ってる」
「それも君が良く知っているよ」
「ここから出る方法は」
「僕のことを思い出すこと、この場所を思い出すこと」
「ほかにはないの」
「後は出口を見つけること」
「君のことを本当に俺は知っているの?」
「君は僕が作り出してんだから・・・」
「どう言うこと?」
「答えは君の中にあるよ」
「まあ良いや。解りそうもないから出口を探そう」
「君は自分のことを見ようとしないね」
「何か言った?」
「何でもないから気にしないで」
「出口へのヒントを教えて」
「それは教えられない」
「君は誰か教えて」
「それも出来ない」
「なぜ?」
「それは君が答えを見てけないといけないから」
「あれまた眠くなって・・・」
豊錐は眠いについた。

「おい豊錐起きろ」
露木に体を揺らされて、目をこすりながら起きる豊錐
「また先生に指されたの」
「もう授業は終わってるぞ」
「本当?」
「もう給食だから移動しうぜ」
「あれ次って社会じゃなかった?」
「だから今さっき終わったぞ」
「嘘だろう」
「本当だ」
「国語の教科書は?」
「中井が持っていった」
「ならいいや」
「じゃあいこうぜ」
「そうだな」
豊錐は夢のことのなど忘れて給食を食べにランチルームに向かった。

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