希望の力

ホームに戻る

前に戻る

第四章 自分と自分

2話目 夢と希望その続き

「また来たの」
「そうらしい」
「それでここがどこかわかった?」
「全く持ってわからない」
「じゃあ僕は?」
「わからない」
「じゃあ出口への行き方は?」
「ほんとにわからないからヒントぐらい教えてよ」
「じゃあヒントあげるよ」
「できれば出口教えて」
「出口にいく方法のヒントを教えてあげるよ」
「だからできるなら出口への行き方を教えて」
「規則なんて誰かが決めなければできはしない。運命もそう」
「それで出口はどこ?」
「誰かが規則を変えない限り規則は変わらない」
「それで出口はどこ?」
「人の話を聞いてる?」
「関係ないじゃん。出口へのヒントにもなってないし。出口そのものへの行き方も教えてくれないじゃん」
「ヒントがほしいって言ったからあげたのに聞いてなかったんだね」
「だからあれのどこがヒントなの?」
「言ったことをよく考えて」
「規則がどうのこうのって関係無いじゃん。どこが関係あるの」
「まあそこら辺はどうかは言わないよ」
「まさか出口を探すのに規則を変えろと言うの?」
「これ以上はいえない」
「何でいえないの」
「君が見つけないといけないから」
「なんで」
「ここではそういう規則なの。どうしてここに居るか考えてる?」
「そういえば何でここにいるんだろう」
「少しわかったみたいだね」
「確か教室に戻ったはず、そして眠くなったから寝た。そして起きたらこんなところに・・・。誰かに連れてこられたんだよな」
「誰もここに君を連れてきてないよ。君が自分からきたんだよ」
「どういうこと」
「後もう少しでわかりそうだね」
「なんか言った?」
「何でもないよ」
豊錐の何気なくつぶやいた
「ここは夢で君は僕が作った人」
「場所は正解」
「なんて事無いか」
「だから正解だって。僕のことは惜しいけど」
「えー」
豊錐は驚いた。
「マジで今のが正解なの」
「完璧じゃないけど場所は当たってる。僕のことも半分だけ当たってるよ」
「夢なら何でこんなに迷うんだよ」
「君がまよってるからだよ」
「俺が迷ってる?いったいなにを」
「それはいえない。というよりわからない。君がわからないことは僕もわからない」
「それはどういうこと?」
「僕は君に作られた物だから」
「起きないと、ずっと寝てるわけにもいかない」
「大丈夫、後もう少し時間はあるから」
「帰りの学活が始まっちゃう」
「まだ昼休みだよ」
「かなり時間がたってるはず」
「大丈夫夢の中だから・・・」
「でも起きないと」
「誰かが起こしてくれるよ」
「昼休みに中井さんが起こすはずだもんな」
「いえることはただ一つ、運命はないからね」
「運命があるなんて考えたこともないよ」
「考えちゃだめだよ絶対に」
「わかったよ」

目をこすりながら頭を上げる豊錐。そして豊錐は時計を見上げた。
「寝てから5分しかたってないのか」
そして横を見るとコンパスの針を持った中井がいた。
「中井さん。どうしたの」
「いや豊錐起こすのにこの針で刺そうとしただけ」
「刺そうとしただけって・・・危ないじゃん」
「大丈夫だって、軽くのつもりだったから」
「軽くでも危ないから・・・露木お前も止めろよ」
「いやーさあー、面白そうだと思ってさ」
「面白そうって・・・本当に刺してたら冗談じゃないぞ」
「今度は本当にするから」
「するな」
「わかった、わかった」
「露木お前も止めろよ」
「やだ」
「露木ふざけるな」
「いいじゃん止めなくても」
「けがするだろうが」
豊錐は夢のことを忘れてずっとしゃべっているのであった。
そして中井が本当に刺そうとしていたかは別の話。

次へ行く

ホームに戻る