調布市多摩の万葉歌碑
多摩川沿いの、調布の京王相模線近くにある消防団の敷地内の万葉歌碑を見てきました(2010/3)。
この歌碑には、下の二首が刻まれています。説明碑によると、これら二首は調布の風土を詠った代表すべき歌であり、東京ロータリークラブ贈呈で、平成15年建立、となっています。
歌
多摩川に 曝(さら)す手作(てづくり) さらさらに 何(なに)そこの児(こ)の ここだ愛(かな)しき (巻14-3373) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 多摩川に晒す手織りの布のように、さらにさらにどうしてこの子がこんなにもひどく可愛いのか。
赤駒(あかごま)を 山野(やまの)に放(はが)し 捕(と)りかにて 多摩の横山 徒歩(かし)ゆか遣らむ (巻20-4417) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 山野に放牧していた赤駒が逃げてしまい捕らえられないため、夫に多摩の横山を徒歩で行かせることになるのだろうか。
最初の歌は、狛江の玉川碑にも刻まれている歌で、乙女たちが多摩川に織った布を晒す風景を詠っています。また、次の歌は、防人の妻が夫を送り出すときの辛さを詠っています。いずれも、多摩川流域が伝承地といえる歌です。
上は、この歌碑のほんの少しだけ下流で写した多摩川の風景です。木のあるところは中州です。つまり、この写真では、多摩川の流れの一部しか見えていませんが、昔は、このようなところで、布を晒していたのかもしれません。この日は暖かく、大勢の人が多摩川土手を散策、ジョギング、サイクリングしていました。お天気がよかったため、富士山が見えていました。実は上の写真にも写っているのですが、少し霞んでいたこともあり、写真を縮小したら、まったくわからなくなりました。上の写真のトーンカーブを調整してみたのが下の写真です。左中央の木と右端の塔の中間の少し右側に、未だ雪を被った白い富士山が見えます。お分かりでしょうか。
所在地
調布市多摩5丁目37 第8消防区分団 火の見の下
行き方
京王相模線京王多摩川駅から100m程南、京王線調布駅から南へ1km程のところの多摩川の近くにあります。下の地図のマークのところです。