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モーターの回転計

以前書いた記事で、私が関係している体験塾(おもしろ科学たんけん工房)のアイテムである、モーターを紹介しました。このモーターは工房の宮丸さんの開発になるもので、このモーターを工作する体験塾を何度か開催しましたが、参加した子供達にはなかなかの人気です。

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 上は、宮丸さんが開発したモーターです。今回、そのモーターの回転数を測る装置を作ってみました。下が測定中の写真です。この装置は、体験塾では、回転数の競争にも使えますが、前回の体験塾では、児童に回転数アップ、つまり、よく回るように工夫をさせ、それがどの程度効果があったかを調べるために使いました。

全体構成

以下に、装置の概要を少し紹介します。モーターの回転子の回転により光が遮られる回数をPIC(マイクロチップ社のワンチップマイコン)で数え、その結果を100円ショップで買った電卓で表示します。7セグメントのLEDで表示するのはちょっとつまらなかったので、電卓の累積加算の機能を使っています。なお、PICについては、設計情報 PICの使い方をご覧下さい。

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上の写真は、測定の様子です。といっても何をしているのかよく分からないと思います。下の写真を見て下さい。写真左上にあるのが測定対象のモーターです。モーターを右下方向にずらすように動かすと上の写真のような状態になり、測定ができます。

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回転のセンサー部分

中央で光っているのが光源です。100円ショップで購入したレンズ付きLEDランプを利用しています。光っている部分がLEDのホルダーです。電池ホルダーの部分は外してしまいました。レンズの位置を調整しビームを細くして、光源の右上のフォトトランジスタを収めたストローに照射しています。フォトトランジスタから電圧を取り出し、右側の電卓の下のケースに納めたPICに入力しています。電卓の下のケースの蓋(そこに電卓が取り付けてあります)を開けると下の写真のようになっています。PICでフォトトランジスタからの信号を処理し、回転数を測っています。回転子は1回転に2回光を遮りますので、0.5秒測定し、その間、光が遮られた数が回転数になります。

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カウント部分

表示には、通常は7セグ数字表示LED等を使うのでしょうが、上に書きましたように、今回はそういうものは使わず、電卓を工夫して使っています。大抵の電卓には、「数字キー」の後に「+」を押し、その後、「=」を押す毎に加算を繰り返す機能がありますので、今回その機能を使いました。具体的操作法は、次のとおりです。

そうすると、その後は、PICが自動的に、所定の時間だけ回転数を測った後、リセットのパルス(電卓の「0」に接続)を出し、続けて、回転数だけカウントアップのパルス(電卓の「=」に接続)を続けて出します。これで、電卓が1から順にカウントアップしているようにみえます。

表示部分

PICの出力にフォトMOS FETを介して電卓のキーにつないでいます。このフォトMOS FETは、今回使用した部品の中で一番高価な部品でした。コスト的には、7セグLEDを使った方が安くできたはずです。

なお、今回使った電卓では、ONを検知するのに要する時間が結構長かったため、「=」は50ミリ秒、「0」は200ミリ秒に設定しました。そのため、1から順にカウントアップし表示が完了するまでにかなり時間が掛かりますが、実際に使ってみると、いかにもカウントアップしている風情があり、これはこれで面白い、と自己満足しています。

これから

以上、動作は完璧です、と書きたいところですが、未だ、たまにカウントミスをすることがあります。何度か測り、極端に多い数字あるいは少ない数字の表示はカウントミスということで無視することで実用にはなりますが、、、、おそらく、PICの割り込み処理が完全ではないためにときどきミスしているのだと予想しています。割り込みは、タイマーと入力信号の変化点の検出との二つで使っており、プログラムにバグが張り込む余地はありそうです。いつかじっくりとPICのプログラムの見直しをしようと思っています。