蒸気機関車に乗ろう


          Chemain de Fer du Vivarais

今回の旅行で一番行きたかったのがこれ!ヴィヴァレ鉄道
リヨンから電車で南下すること約1時間。Tain L'Hermitage Tournonという小さな駅があります。Hermitageで「あ!」と思った人はワイン好き。はい、ここは有名なエルミタージュワインの産地です。
蒸気機関車で片道約2時間の観光鉄道。人気路線と聞いていたので満席がちょっと心配でしたが乗車率は8割くらいかな。SLは生まれて初めてでした。

Tain L'Hermitage Tournon駅の裏手は斜面がどこも全部葡萄畑。
10時発のSLに乗るにはここに8時15分に着く電車に乗るしかなかったので、朝は5時半起き。リヨン・パールデュー駅でパン2個を買い、日本から持ってきた生茶で朝食。早起きした甲斐があって、朝の爽やかな空気と太陽に輝く斜面が美しかった。周囲は鳥の声だけ。
蒸気機関車が来る駅は、さっきの所から更に徒歩で20分くらい行ったところ。途中ローヌ川を渡ると対岸に小さな石造りのお城が見える。
道が全く分らなかったので、Mappyというフランスの地図サイトで検索した地図を持っていったのが正解。以前と比べて便利になったなあと大助かり
ここが出発のTournon(トゥルノン)駅。
9時前に着いてしまったが、すでに老夫婦が一組切符売り場の前で待っていた。駅員や運転士が点検やらおしゃべりしていてなんかワクワク。
間近で見る蒸気機関車はまさに鉄の塊、迫力満点。SLファンの気持ちが少し分った気がする。この日は秋の特別運行で9時台にも1本走ったようだ。
この路線はトゥルノン〜Lamastre(ラマストル)間をSLだと2時間、またAutorail(オートライユ)という電車で1時間かかる。大人往復18ユーロ。15人以上の団体だと1車両貸切できるようだ。この日も3組の団体が乗車。
9時半を回るとだいぶ客が増えてきた。子供達おおはしゃぎ、大人はあちこちで写真撮りまくり。本格的なカメラのセットを持ち込んでる人もいた。
蒸気と煙の匂いって悪くないなと思った。
いよいよ出発。機関車は畑の中を過ぎると次第に山と渓谷の中に入っていく。時々汽笛が鋭くピーッと鳴る。
後ろのワゴンで大人しく座ってられない人たちがみんな繋ぎ目のとこに出てきて小旅行を堪能。
「橋だ、橋だ!」とみんな大喜び。
私も調子に乗って窓を全開にしてたんだけど、石炭のカスがパシパシ顔に当たる。気がついたらあちこちざらざらだった。うわ〜今夜は何が何でも頭洗わなきゃ。
出発してしばらくは進行方向向かって左の席が景色良かったのだけど、途中からは私が座った右側がずっと見晴らしがいいことが分った。やったラッキー!
地図で見る限り、いくつか駅はあるのだけど使ってる様子がない。時間帯によって電車が停まってるのかもしれない。
民家はほとんどないから客いないじゃん。牛ばっか。
中間のBoucieu-le-Roi駅で一時停車。ここで20分くらいお休み。
駅のホームでは地域の人たちが特産の栗を使ったペーストや蜂蜜飴、ソーセージ、ワインなどを即売してた。私もついついソーセージを1本購入。夜チビチビ食べることにした。
皆さん、お手洗いに行きたい人は今のうち、お席にお戻りください、まもなく出発ですよ〜とアナウンス。乗客はあんまり聞いてない。
この駅からの新しいお客様「ヤギ」!!
席に戻ったとき、私はなぜか車両を間違えていた。なんでじゃ??
まあいいや、とガラ空きの車両を独占。後半の車窓をお楽しみ。
着きました、終点ラマストル駅。
駅の外はホントな〜んにもないの。どうもこの町はアルデーシュ山系自然公園の入り口の一つらしい。大き目のホテルもあったけど観光する町ではなさそう。
ヤギさん達もさようなら。またの御乗車をお待ちしております。
復路のオートライユが来るまで町をうろうろ。あまりに暇だったのであんまりおなか空いてなかったけどカフェでラマストル風サラダとアイスティーを頼んだ。
帰り道、朝渡った橋の上でヘンなおっさんになれなれしく話しかけられた。うっとうしいからスタスタあるく。おかげでのんびり景色を見るどこじゃなかった。ちっ!