グリーストラップの最もシンプル、確実、低コストの浄化方法のご提案 |
スカムセーブネット&オイルキャッチシステム |
1 グリーストラップの従来の管理方法" |
グリーストラップとは、"Grease(グリース)=油脂"を"Trap(トラップ)=止める・罠"という意味で、
グリーストラップに流れてくる排水(汚水)に含まれる油脂分(及びゴミ類)をグリーストラップで
阻集し、油脂等を除去した排水を流すことを目的としており、汚水を排出するほとんどの施設
(飲食店・給食施設・工場等)に設置されています。1976年1月から施工された1975年建設省
告示第1597号〔改正:1982年建設省告示第1674号〕によって、汚水が油脂など、排水のため
の配管設備の機能を著しく妨げる恐れがあるものを含む場合には,グリーストラップの設置が
義務づけられています。 |
グリーストラップで阻集したゴミ類・油脂はどのよう処理するのでしょうか。 |
@ 残さカゴで阻集したゴミ類は、残さカゴをグリーストラップから持ち上げて捨てます(一般廃
棄物)。そして残さカゴを洗浄し、もとの場所にもどします。この作業は通常毎日行います。
A グリーストラップ内に浮上した油脂は、おたまやひしゃくなどで何回も掬い、別容器に貯め
て産業廃棄物として処分します。この作業は通常毎日〜3日に1度行います。
B 残さカゴで取りきれずにグリーストラップの底部に堆積されたゴミは定期的に産業廃棄物
として処分します。(外部委託) |
以上のように、グリーストラップ内のゴミ類・油脂を除去するのは文面でみると単純な作業
のようにみえます。しかしながら、現在グリーストラップが設置されている90%以上の現場ではこれらがうまく機能せず、油やゴミの処理問題は管理者の頭痛の種となっているのが現状です。原因を次の項で分析してみました。(従来のグリーストラップ図を参照ください。 |
2 グリーストラップの問題点 |
グリーストラップを管理する上での問題点をあげてみます。 |
@ 残さカゴは、大きめの残さは捕りますが米粒以下の細かい残さは目を抜けてしまいます。
(残さカゴの目は、通常3mm角程度の大きさ)
A 残さカゴは透過面積(目の数)が一定のため、目詰まりを起こしやすく、目詰まりすると排水
はオーバーフローしてしまい、それとともにほとんどの残さが2槽目に流出します。
B したがって残さカゴは清掃時よく洗浄して元のきれいな状態に戻す必要がありますが、金網
などに詰った汚物は簡単に落ちません。(ホースなどで裏側から水をかけたりして手間が
掛 かり、きっちり洗い落とすには十分な洗浄スペースが必要です。)
C 残さカゴから抜け落ちたり、オーバーフローしてしまった残さ類はグリーストラップの底部に
ヘドロ状に堆積し汚泥となります。汚泥は堆積が進むと仕切り板の流路を塞いでしまうことも
あります。 この状態では、仕切り板の上を越えて汚水が流れてしまいます。
D 浮上油は、油分だけを採るのは困難で、オタマやひしゃくですくっても確実には採集できません。採った油は、別容器に移して処分しますがスカムや水も含まれ
るため取り扱いが 厄介です。また時間と手間が掛かります。
E 浮上した油脂を放置しておくと、油脂が固形化し悪臭が漂ってきます。スカム化した油層と底
部の汚泥の層に挟まれて、排水の通過容積が著しく減少するため流速が速くなり、排水が油
水分離せず流れ出てしまいます。流出した油脂はその先の排水管内で冷却して配管内壁に
付蓄し、配管詰りを引き起こす危険がでてきます。 |
従来のグリーストラップの現状 ・・・
通常の管理状態 |
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放置すると・・・ オーバーフローの状況図 |
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3 スカムセーブネット&オイルキャッチシステムの原理 |
スカムセーブネット&オイルキャッチシステムは、「グリーストラップの煩わしい作業を何とか軽減できないか」→簡単に、「配管詰りを予防する良い方法はないか」→確実に、「原価に影響するコストは困るが」→低コストで、という切実な現場の要望から生まれたシステムです。 |
そのシステムは下記の2点から構成されています。
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@ 残さカゴのかわりにスカムセーブネットを使用する。
A 浮上した油脂類を瞬間的に吸蓄する油吸着材を使用する。
上記の通り、機械等を一切使用せず、これだけで諸間題を解決できるシステムです。
スカムセーブネットネットによる生ゴミ収集
(特許取得済)
原理
スカムセーブネットは目が細かくしかも伸縮性に大変優れたナイロン製のネットです。流入ロに直接取り付ける方式なので、流入する全ての排水は必ずスカムセーブネットを通り
グリーストラップに入ってきます。したがってほとんどの残さがネット内に収集されオーバー
フローはしません。スカムセーブネットは非常に目が細かいので内側に付着したスカム類により目詰まりを起こし
ます。目が塞がれることにより流入する排水の圧力が増していきネットが膨張していきます。
ネットが膨張し始めるとネットの目が拡大していき排水が抜けていきます。つまり、水分だけ抜け
て細かい残さまで阻集する仕組みとなっているのです。
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スカムセーブネットのフィルター効果 |
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フィルター効果 |
ネットの内側にスカム類の堆積が進むとスカム自身がフィルター効果を発揮し、更に細かい
残さや、洗剤カス、粘性のある油脂分も付着していきます。ネットが十分に残さを収集し、詰まり気味になる時点で新しいネットに交換します。ネットを取り付ける意味は、残さ類を収集するためというより、高性能なスカムフィルターを取り付けたことと考えてください |
沈殿汚泥の減量効果 |
ネットは目が細かく、残さカゴより確実に残さを収集できますので、従来はカゴを抜けたりオーバーフローしたりし底部に沈殿してしまう汚泥は非常に少なくなります。結果的に産業
廃棄物の減量に効果的です。
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消臭効果 |
収集された残さは、業務終了後もネットに包まれさらに排水中に沈んでいますので、臭気
源が水封された状態となります。従来の残さカゴの場合では、残さやカゴについた付着物が
水面上に露出していますので大きな悪臭源となります。この臭いの点についても画期的に
改善されます。
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油吸着材セルソーブ |
セルソーブ(Cellsorb)のセルの意味はセルロース(cellulose)のセルです。素材は天然セル
ロース(廃パルプ材)100%でつくられ特殊な撥水加工が施されているため水をほとんど吸いません。反面、親油性が優れているためグリーストラップに浮かせるだけで瞬時に表層
の油脂を吸着します。吸着した油は、繊維内に保持され、再溶出してこないので安心です。
これらの特性から、浮上している油吸着材を"目の粗いすくいアミ"ですくうだけの作業で
油脂のみを簡単に取り除く事ができます。
グリーストラップの水面上にはネットから抜け出た浮上スカム(灰汁)がよくみられますが、油を含んで粘着性があるセルソーブに付着してしまい油と同時に採れます。
阻集効果もさることながら、作業効率は従来に比べ、飛躍的に改善されます。投入から
回収まで約5分前後で終わります。
油を吸着したセルソーブは、吸着した側(セルソーブ)の素材の廃棄方法により処分します。したがって可燃ゴミとして処理してください。
注意 : 油を含んだ油吸着材はビニール袋に入れ、しっかり縛って圧カが加わった
油吸着材は、グリーストラップ槽内に浮上した油分をすくい取る際の補助材として使用
します。他の目的(多量の油を処分する等)には絶対使用しないようにして下さい。 |
4 Q&A集 |
Q1 ネットの目が細かいのでカゴよりも目詰まりしやすいのでは?
残渣カゴは、開ロ部の面積が一定のため開ロ部が詰まると水が抜けません。ネットは、目が
詰まるとネットの中の水が抜けにくくなるため内側の水圧が上がっていきます。ネットはそれにより膨張していきネットの目が大きくなり水が抜けていきます。ネットの伸縮性
がすぐれているため、限度はありますがカゴに比べると遥かに目詰まりしません。
Q2 ネットの交換を忘れてしまったらどうなるのか?
ネットの内側に堆積する残渣が厚みを増していくと水が抜けなくなります。グリーストラップの
開ロ部を袋で塞ぐことになるので側溝側に水があふれてきます。厨房の現場では、水が流れなくなるためにすぐに気が付きます。
Q3 ネットが破けたりしないのか?
ネットは、ナイロン製で編み込み仕上げをしていますので10kg以上の荷重には耐えられます
ので通常の管理がされていれば破けることはありません。しかしながらネットが何らかの要素で傷が付けられると破れます。破れる原因としては・・・・
@残渣の中にガラス片やフォーク・ナイフ・竹串などの固形のとがった異物が混入した場合。
Aグリーストラップ内壁に突起物・バリなどがありネットの膨張したときにあたってしまう場合。
@に関しては、側溝のグレーチング(側溝上の蓋)の開ロ部が大きく落下物が側溝内に落ち
込んでしまうケースが考えられます。本来、排水溝には、流.してはならない物ですので厨房側に改善を提案します。
Aについては、ネットの膨張時にネットの外側が当たる可能性のあるグリー一ストラップ内の突起部分を施工時によく調べて、除去するかカバーなどで覆うなどの対策を講じます。
Q4 ネットの交換時期は、どうやって決めたらいいのか?
残渣によるネットの詰まり具合をみて交換時期を決めます。導入後1〜2週間程度観察しなが
らお店に合った交換周期を決めていくのが一般的です。(ネットが詰まりやすい要因:活魚料理の鱗・病院食に含まれるお粥・ミキサー加工した野菜等・焼肉用網のカス・固まったラード・大根おろしなどすりおろした繊維物)
Q5 油吸着材は可燃ゴミで処分してかまわないのか?
油吸着材は、紙状の繊維が素材なので油を含んだ紙として処理できます。ゴミ出しの際、圧
迫などにより油が染み出さないようにビニール袋などに入れ(出来れば2重にして)しっかり縛
ってください。一般的な処理法では、液体のままでは液体の処理方法(油は産業廃棄物)に従
いますが、他の素材に浸透した場合は、その素材の処理方法に従います。
但しネットを使用した場合のグリーストラップの浮上油程度の量を処分する場合に限定してください。フライヤーなどの多量の油を油吸着材を利用して処分することは行ってはいけません。
Q6 油吸蓄材をグリーストラップ入れたままで次の交換時まで放置してかまわないか?
油のない状態では、油吸着材は、水を吸わない性質があり水面上に浮いています。油を含ん
だ状態では,油の比重により浮いています。しかしながら、厨房稼動時はグリーストラップ内には常時流入水があり、流れ込む勢いで撹絆され流速で後段に流出する恐れがありますので
放置しないようにして下さい。
Q7 油吸着材の使用量の目安は?
油吸着材は、自重の約16倍の重さの油を吸着します。油吸着材は、油を吸うと薄い茶色の
素材色が濃い茶色に変色します。排水面上にあるほとんどの油を吸着すると、それ以上は
吸いませんので変色が止まります。これ以上入れる必要はありません。
Q8 油吸着材の投入時期は?
必ずネットを取り外した状態で投入してください。ネットがあると掬い網で攪拌したり掬い取ったりするときに金網部分でネットにキズがつく恐れがあり、後に破れる原因となります。
Q9 側溝がU字形になっている場合はどうするのか?
@グリーストラップ内部に貼り付け型ネットホルダを取り付ける。
A特殊置型ホルダーを取り付ける。
BU字型側溝の側壁とホルダーの側面の隙間にスペーサーを入れる。
などの各種方法があります。
Q10 側溝が直線状になっていない場合はどうするのか?
グリーストラップ内部に貼り付け型ネットホルダか特殊置型ホルダを取り付けます。
Q11 浅いグリーストラップ(ステンレス製)で第一仕切り板がグリーストラップの壁に
溶接されている場合はどうするのか?
浅いグリーストラップは、第一槽が小さく仕切り板がついたままでは、ネットが広がらないため
すぐに詰まります。施主のご了解を頂いてからグラインダーを使い仕切り板の両端を切断して
取り外してください。(この場合ネットが膨張時に切断面にふれて傷がつく恐れがあります。
切断面を綺麗に仕上げるようにして下さい。)又は、特殊置型ホルダーを取り付ける場合があり
ます。
Q12 残さカゴの枠の一部が、ネットの膨張時に当たってしまう場合はどうするのか?
グリーストラップの水面上に架かっているカゴ枠の一辺は、ネットが脹らんだとき当たるようだと
膨張時ネットが枠により絞られるため詰まりやすくなり交換スケジュールが短くなります。
この部分は、カゴがあったとしても機能上必要性がありませんのでできれば上記理由を説明
の上、施主の了解を頂きカットして下さい。(ディスクグラインダーで簡単に切断できます。)
又は、特殊置型ホルダーを設置すれば枠に関係なくネットを垂らす事ができます。バイオ製剤オルゴン(またはUCS5XF)
グリーストラップの生ゴミと浮上油に関する問題はスカムセーブネット&オイルキャッチシス
テムにより物理的に解決されます。更にバイオ製剤を使用して細かい部分までの仕上げを行う
グリーストラップから漂う臭気原因の1つは、グリーストラップ内の水面部分に接する壁や先の配管付着し腐敗してしまったスカムと油です。これらの付着の進行を止め、さらに付着力
を緩める目的でバイオ製剤を使用します。特に下水管や浄化槽迄の距離がかなり長い配管
や元々の配管径が細い場合、又、流れるための傾斜が不足している場合はおすすめです。
グリーストラップ用のバイオ製剤は、2種類用意しております。
ネット交換時に下記の要領で使用します。
@ オルゴン→強力消臭バイオ製剤です。グリーストラップの臭いが気になる場合にごく少量
(30cc程度)を直接グリーストラップに投入します。
A UCS5XF→油脂分解バイオ製剤です。例えばシンクからグリーストラッ
プ迄の配管にお いて、油脂の付着を予防したい場合などにシンクから適量(
100cc程度)を流します。
※留意事項:バイオ製剤は、数種類の有用微生物を液内に含有しています。そのため使用
して効果を発揮するには環境条件を整える必要があります。極端に酸性やアルカリ性等の洗剤や殺菌剤の使用、大量の高温お湯の流入は避けて下さい。
Q:どのようなグリーストラップにも導入することができますか?
A:三槽式以上のグリーストラップであれば特殊な例を除き、基本的にほとんどの
グリーストラップに対応し、導入することができます。
また、二槽式のグリーストラップでも、一槽目にネットの広がり(膨張)に十分な
スペースが確保できる場合に導入の検討が可能です。
また、まれに特殊な場合においても、グリーストラップの形状に合わせ
特殊ネットホルダー作成も可能ですので当HP問合せフォームより御相談下さい。
Q:油を吸ったセルソーブ(油吸着材)は、可燃ゴミとして捨てられるのですか?
産業廃棄物扱いにはならないのですか?
A:使用後のセルソーブは、可燃ゴミとして捨てられます。
スカムセーブネット&オイルキャッチシステムは、グリーストラップに浮上した油を
セルソーブによってこまめに回収していく方法ですから、1回に回収する油は
少量になります。
ゴミ処理場や、各都道府県の公的機関の見解では、このような方法で回収した
セルソーブは、日量が小さいことから通常『合わせ産廃』として一般廃棄物と
同等に扱われます。(地域によっては産業廃棄物扱いになるところもありますの
で行政に御確認下さい。)
注:グリーストラップの清掃を怠り、一度に多量の油をセルソーブに吸わせて
処分した場合は、産業廃棄物扱いになります。
スカムセーブネットシステムの原則、『コマメに清掃する』ことを心がけてください。
Q:スカムセーブネットは、そのまま一般廃棄物として捨てられますか?
A:袋に包まれたものは、内容物の分別基準で処理します。
ネット内の内容物は厨房より排出される動植物系残渣なので、ネットごと可燃
ゴミ(生ゴミ)として処分してかまいません。
ただし、しっかり水を抜いてから捨ててください。
Q:ネットの交換の目安は?
A:原則は毎日交換することが好ましいですが、ネット内に収集される残渣の量や
浮上油の発生量は、各飲食店によって異なるので、その量に応じて、交換日を
決めていきます。しかしながら、ネット内の生ゴミも腐敗が始まりますので
最長でも3日に一回の交換を行うようにしてください。グリーストラップの管理の
原則は、コマメな清掃の実施にあることを念頭において交換してください。
Q:ネットホルダーの種類は?
A:オールマイティ型ネットホルダー『NH−K500』,の他に,貼付型『NHP シリーズ』
管対応型『NHC シリーズ』,深い流入口対応型『NH−F シリーズ』、また、特殊な
場合において、特別に製造する『特殊置型 シリーズ』,など各種ございます。
◎上記全てにおける詳細な質問、また、この他に関してご相談したい事のある方は
左上のリンクをクリックして問い合わせフォームよりお気軽に問い合わせください。
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