オバチャリダー北の大地を行く(2)

8月18日 (3日目)

夕べは、昼間の運動熱が温泉で増幅されて暑くて眠りにくかった。
朝食のとき少しポツポツと来たようだったので、雨具をすぐに出せるようにして薄手のフリースを着て出発。 少し寒いし、曇っているけどなんとかこのままお天気がもちますように!
国道233を走っていると、左前方の遠くに黄色い丘が見えてきました。 あれがきっと北竜のひまわりなんだわ。

今日はいよいよ峠越えです。 だんだん登りになって来たところで、ジョージが 「チャコちゃーん! これ峠?」
と聞いてきます。
「ん? まだでしょ。これからもっと先だよ」
ぐんぐん登る。 一昨日より、昨日より登りに慣れた感じがします。

あれー「美葉峠」って書いてある。 ここが頂上かな? そんなはずないよ。 「峠」というより「丘」という感じです。 地図を見ると、もうちょっと先が峠下って書いてあるからきっとそこから本格的なんじゃないの?

 地図の等高線など読めないので、ライダー用のロードマップをばらして必要な分だけ持ってきているので、どこがどのくらいの高低差なのか全然見当もつきません。 もうすぐ峠だよ、と言いながらとうとうそれらしきものはありません。 ゆるいアップダウンをくりかえすだけです。 留萌川を渡るとき後ろを振り返ったら、ジョージが居ない。 橋の欄干に自転車を立てかけ一服してると、やっと姿が見えてきた。エッチラオッチラ登ってくる。 「重くて登れないんだヨー」 
よく見るとブレーキシューがリムに半分くっついてしまっている。 あれこれやってみてやっとねじがゆるくて曲がっている、ということがわかった。ひとつひとつ自転車のことを学びながら進んでいく。

留萌市に入った所で大きいショッピングセンターを見つけ、EPIガスカートリッジを買う。 これでキャンプが出来る。 
市街地に入り、コインランドリ―を見つけ洗濯開始。 その間に「旭川ラーメン」の昼食。  さあ、いよいよ今日はキャンプだ。 2人にとって生まれて初めてのキャンプです。 と思ったらポツリポツリ・・  弱気になって、やっぱ旅館にしよう。 ホテル神居岩を予約してしまった。
宿も決まって気が楽になったので、小雨の中黄金岬まで行ってみました.日本海です。 右手に留萌港、その先に明日走る緑の丘が見える。 ロシアの船が着くらしく、外国人(ロシア人?)の姿が多い。 岬のおばさんの話では、中古車、中古自転車、日用品などを積んで帰るということでした。

「おごってあげる」とジョージが言うのでソフトクリームのおやつです。
なぜか何処でたべても北海道のソフトはおいしいのです。

港やら街中やらウロウロしてホテルに到着しました。 道東に比べあまり観光地化していない分、素朴で料金も安いです。 温泉も最高です。 特に薬湯は効き目満点のようです。 「患部がピリピリします」と書いてある通り、おしりがピリピリしてどうにもこうにも、・・・それでも我慢して何回か入った処、おしりの痛みが直ったようです。 明日からまた快調に走れそうです。

夜主人に電話したら、「キャンプ道具送り返せば........?」と言われてしまいました。 ハッハッハ―――!!

ジョージが、「一番疲れるのがトホダ―(徒歩旅行者)、次がチャリダー、ライダーは楽だー! 2番目に疲れる方法で旅しているんだね」
そうだよー 一漕ぎ一漕ぎ大地を踏んで足跡を付けていくって感じ、いっぽ!いっぽ!ってね。
「なんかかっこいいこと言うね!」だって。

3日目といったら健脚の人はもう稚内に着いているのに、私達は楽しみながら、のんびり走っています。 温泉三昧の2日間です。

明日からいよいよオロロンラインです。 オヤスミナサイ!


                       本日の走行距離  50Km



8月19日
 (4日目)

今日からはいよいよ日本海に沿って北上します。雲は多いけれど日差しはつよい。

初日に日焼け止めを塗り忘れて、もう真っ黒ですから、この日もなにも塗らないで、スッピンのままです。塗りたくっても汗で流れてしまうし・・―(帰ってからがこわい!)−
海からの風が結構強く、最初のうちはちょっと走りにくく感じました。 道の駅おびら鰊番屋で休憩です。例によって菓子パンを2つづつ食べました。となりにある「花田番屋」は昔の鰊御殿を移築したものです。鰊がやってくると海が盛り上がるほどだったそうです。 番屋の中を社会科見学をして歴史ののお勉強をしました。 お腹も頭もいっぱいになったので、さあ出発。

この国道232は天売国道とも云われ、また別名オロロンラインとも呼ばれています。 羽幌の沖にある天売島はオロロン鳥の島と呼ばれていたそうです。 ちょっとペンギンに似たその鳥の置物が土産物屋さんに並んでいます。国道の脇にも大きな像(?)が立っています。

海沿いの道は平坦なはずなんて思ってはいなかったけれど、いよいよ坂を登ったり下ったりが始まりました。 3つぐらいまでは「ああーまた?」で済んでたのが、今度こそ、今度こそとエッチラオッチラ登ると下りの先にまた登り坂が見える。 これの繰り返し、 恐怖のアップダウンです。いつまでもいつまでも続きます。 

ジョージとは羽幌のラーメン屋さんで待ち合わせしているので、登りのときは、ひと漕ぎづつ「着いたらラーメン、ツイタララーメン!」と呪文のようにくりかえし、それに飽きたらひたすら地面を見つめ数を数えます。
やっと羽幌のラーメン屋さんに到着しました。 いつもならこんなにゼーゼーしてたら食欲なんてないはずなのに、おかわりしそうな勢いで食べてしまいました。 となりのスーパーで今夜の食料を買いこんで、いやがるもう一人の私を叱咤激励しながら、またアップダウンです。もう精神的におかしくなりそうです。 あらゆるものを総動員して自分を励まし、慰め・・・それでもとうとう豊岬という所で800mほど歩いてしまいました。
メーターを見ると4.5km/hです。これなら辛くても漕いだほうが早い。
「でもヤダ!」

やっとの思いで初山別のみさき台に到着しました。 ジョージは歩道で寝てました。 30分も待ったそうです。

さあ、今日はいよいよ初キャンプです。 こんな日にアップダウンを76kmも走ってしまった。 足はヘロヘロです。
でもがんばってワクワクとテントを張って、ごはんの支度です。
ここは、初山別の天文台の海側にあるフカフカ芝生の無料キャンプ場です。 トイレも水場もきちんとしています。第3火曜日休みの売店もあるし、同じく第3火曜日休みの「岬センター」に温泉もあります。
  ・・・・・そして今日は第3火曜日です・・・・・???

ぶつぶつ文句を言いながら「ごはん! ごはん!」
メニューは「スタミナ鍋」です。 豚肉、にんにく、ねぎ、エノキダケ、豆腐をぐつぐつ煮て、ポン酢で食べました。 サラダも作ってバリバリ。
ウーン最高です。 ビールを買い忘れてしまったのが一生の不覚でした。

空が段々紅く染まってきました。 

並みの夕焼けではありません。

とうとう空全部、海全部が真っ赤になってしまいました。 
自分も染まってしまいそうです。

・・生まれて初めてです
      こんな夕焼け ・・・

初めてのテント泊、暑くて目を覚ましてしまい、入り口を半分以上開けて寝ました。 夏とはいえここは北海道、気温は結構低いのですが昼間にガンガン運動していると夜になっても身体はなかなか冷えてくれません。

今日は本当によく走りました。 イエ 登りました。 景色を堪能する余裕はありませんでした、・・が、休憩している時に眺めた一面の田圃、緑の濃い香り、蝉の声、さわやかな風・・・・・etc

明日もがんばりましょう!

                               本日の走行距離: 76km

続き

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