オバチャリダー北の大地を行く (ミレニアム編)その3 |
7月26日 (4日目) 夜に雨が降ると、翌朝は晴れると予想したとおり、 雲は多いけれどからりといいお天気になった。 朝食を済ませ、 泥だらけになった自転車を雑巾で洗って、油を注してピカピカにした。その後キャンプ場の小山を登ってみました。
カメラを持ったおじさんと少し花の写真のことなどおしゃべりしました。 「今日は午後から、大雨、洪水、雷注意報が出てるよ」 と言うではありませんか。 ナニ? こんなにいいお天気なのに。 やっぱり何処かペンションかホテルに逃げ込もうと決め、早速テントをたたんで避難の準備です。 8:30出発。 とりあえず上富良野駅前の観光案内所に行ってみました。 このまま白金温泉まで走ってしまおうか、美瑛のペンションにしようかと悩みながら喫茶店に入ってコーヒーを飲みながら地図とにらめっこ。 取り合えずもうキャンプはしない予定ですから、いらない荷物は郵便局から送ってしまい、どちらか宿の取れたほうに行こうと決め、とりあえずR237を走り始めます。 途中、ケータイでアチコチ問い合わせてみました、が、なんと電池が切れてしまいました。 まだ慣れてないので、充電機を持ってきてなかったのです。 少し行くと深山峠です。 小さい峠ですけど、登りは登りです。 ヨシっ、一昨日の「バレリーナ回転走行」を試してみよう。 1回も休まず最後まで登れたのです。 こんな小さな峠、みんなには当たり前のことだけど、私にとっては天にも登る感動です。 もう1回下って登ってみようかと思うほどでした。(まさかっ!) レストハウスでご褒美のソフトクリーム。 そこの公衆電話でまたしても問い合わせてみましたが、どこもいっぱいです。 もう旭川まで行くっきゃないかな。 でも一応美瑛は見ておきましょう。 標識に従って右折しました。 やっと静かな田舎道です。 時々観光バスが通りますが、後は小鳥の声が聞こえるだけのステキな所です。 丘の町というだけあって登ったり下ったりの連続ですが、 ウーン、この坂は丁度いいかなと、下って行ってもう一度登ったりしてみました。 景色は素晴らしいし、登りの練習にはもってこいの場所です。 ここまで来て何やってるんだか・・! やーめたっと、向かいのレストハウスらしき所で遅いお昼ごはんにしました。 食べていると、とうとう 降ってきました。 急いで食事を済ませ、バッグにカバーをかけたり、雨具を着たり支度して走り出しました。 もう旭川に行くっきゃない! R237に出てガンガン走ります。 雨で景色を楽しめませんから、走りに集中できます。 登りもなんのその、かえって下りの方が怖く感じてスピードを落とす。 自転車を始めてからこんなに集中して楽しく走ったのは初めてです。 自転車との一体感、シャーというチェーンの音が自分の身体の中から響いてくる、あーなんて楽しいんだろう! 雨足はどんどん強くなって来ますけど、ぜーんぜん平気です。 ガンガン走ります。 軽い登りで27Km/hなんて、私ってスゴイ! もっと、もっととスピードを上げる。 でも下りではゆっくりと17Km/hぐらいしか出せない。 そんな事がおかしくて、笑ってしまう。 歌を、と思うけど、悲しいかなカラオケ嫌いには知ってる歌もない。 ベートベンの「皇帝」の出だしを叫んでみるけれど長くは続かない。 やっと思い出した昔の唄、大塚博堂だったか・・ ♪ 少しだけ こころーが、擦りきれてきたーから〜 ひとりでー、夜明けにー、このまち飛びだあーす〜 ぼくだけのー じかんーをー 無駄遣いしなーがらー 時計をー忘れたー 旅でもしよおかーー 道連れなんか いらなーい、 唄がひとつあれば いいーさー あしたはー、あしたはー、いずこの そらのーしたー ♪ と大声で歌いながら、ペダルをクルクル回します。 トラックから水かけられようが、観光バスから同情の目をむけられようが、何でも許しちゃう心境です。 どこかの無料休憩所で一休み。 15分ほどで、ヨッシャ行くぞー トツゲキー! 旭川市内に入りました。 公衆電話を見つけ、 ビジネスホテルに電話してみます。 「ワシントンホテル」に空きがありました。 道順を聞いてまた大雨のなかを走ります。 もうすぐのはずだけどなあ、という所の裏通りにDoCoMoショップを見つけて、充電器を買いました。 ちょっと横道に逸れたので、道がわからなくなってしまいました。 近くの人に聞いてやっとたどり着きました。 車寄せの隅っこで雨具を脱ぎ、カバーを外しタオルで拭いて、バッグを持ってルンルンと フロントにたどり着きました。 と、ところが・・ 「こちらは、藤田観光ワシントンホテル旭川です、 お客様のは 旭川ワシントンホテルでございます」 と丁寧に言われ地図を渡されて追い出されてしまいました。 泣く泣くまた雨の中。 角を曲がってすぐありました。 まーったく、まぎらわしい!! 5:00 とにかく、なんとか部屋に落ち着きシャワーを浴びて、夕食は1階のレストランで「ステーキ!!」「生ビール!!」 フーっと顔がゆるんでニマニマしてしまいます。 でも明日は何処へ行こうか。 こうなったら、ちょっとは登れる所がいい等と調子にのって、地図を見てみます。 塩狩峠と塩狩温泉? ナニ? 280m? チョロイチョロイ、却下! 層雲峡温泉? 600m、距離は68km、 これなら緩く登っていくはず、ヨシっ、決めた! 4年前に泊まった「層雲閣グランドホテル」に問い合わせてみると、空きがあるということです。 あの時、ホテルの部屋の窓から国道を走って行くチャリダーを眺め、私が自転車にはまるキッカケになった思い出のホテルです。 おおー何か因縁を感じるー!
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