ヤンバル&久米島旅行記4                    久米島上陸

3月9日

いよいよ旅も後半へ。 フェリーで久米島へと向かう。
久米までは4時間の船旅なのだが、昨日の寝不足を解消するかのように爆睡していたらあっという間に島に到着した。 ダイビングショップのスタッフが港まで迎えに来てくれいたので、早速ショップへと向かう。 そこで一足先に久米入りしていた友人2人(作ちゃん&ポンちゃん)と合流し、4日間ダイビング&キャンプを満喫する予定だ。 

我々がお世話になるショップ&キャンプ場は久米島のすぐ隣、橋で繋がった奥武島という小さな島にあった。 奥武島には有名な畳石という観光スポットがあり、我々の住みかはまさにその畳石キャンプ場だった。 早速、テントを設営してからガイドブックに載っていた畳石を見に、ジェスパと浜へ降りて行った。 『世界三大ガッカリ』というのは確か・・デンマークの人魚姫とシンガポールのマーライオンと、久米島の畳石だっけ?? だからガイドブックも広角で撮るなっつーーーのぉ!(怒)

      
       久米島に上陸                   世界三大ガッカリの1つ 畳石                             

今日は何にもしない日。 天気はどんどん上り調子に良くなっていて雲一つない空だった。 「そうだ、岬に行こう。」という作ちゃんの発案で、岬まで夕日を見に行った。 オレンジ色に染まった水平線へゆっくりと沈む太陽を皆で黙って見ていた・・・。と、いうようなカッコイイ話は我々にはなく、東京よりはるばるやって来たブライスを手に「あ、フラッシュを焚いたらオデコが光っちゃうじゃん!」とか「これじゃ、夕日ばかりで顔が真っ黒じゃんよぉ〜」とか、ひたすらブライス撮影をする奴。(ユウコ) さらに「ジェスパ!こっち向け!」「ボール!ボーーール!!」とジェスパの写真を撮りまくる奴。(あり) それを呆れ顔で見ている奴。(ポン&ケイちゃん) 1人孤独に風景写真を撮る奴。(作ちゃん)とそれぞれ充実した時間(?)を過ごしている間に太陽はあっけなく沈んだのであった。  

        
真っ暗なトイレと水道しかないが、ここが4日間                      岬にて
     我々の住みよい我が家となる            ケイちゃん、作ちゃん、ぽんちゃん、ユウコ、あり、ジェスパ
 

町の居酒屋で夕飯をとりテント場に戻ると、暗がりに波の音が聞こえ、空は天の川まではっきりと見える。「座間味で流れ星を見たよ」と言って空を見上げたらひとつ流れた。なんて素敵なキャンプなんだろう。 テントに入るとジェスパはすでにお疲れのようで、ウトウトとうたた寝をしていた。 明日からダイビングボートで海に出るから、疲れが残らないように全員早めの就寝となった。

 

3月10日

朝、起きるとユウコが「昨日は怖くて全然眠れなかったよぉ。」と言う。 「え?なんで??」と聞くと、「だってね、1日中テントの周りを草を踏みしめて歩く音がするんだよ」と言うではないか。 するとぽんちゃんまで「確かに、私も少しそんな気がした」と言う。 ありには全く聞こえなかった。(←2秒で寝てた) ひえぇぇ〜、怖いのかよぉ〜このキャンプ場?? でも久米島は沖縄戦から唯一逃れた島なはず・・。

まぁ気を取り直して、ダイビングに向かう。 この日は南風がかすかに吹いて海は凪。 なんて気持ちがいいんだろ。 ジェスパは昨夜の内に充電が済んだらしく、走るボートから今にも飛び込まんばかりに身を乗り出す張り切りようだった。 久米島の海は魚影も濃いけど地形もとってもダイナミックで良い。 春先はやっぱり夏に比べると魚の数は少ないと言うけど、それでも無数に散らばった小魚を見ると沖縄に来たなぁ〜っと実感できる。

我々が潜っている間、ジェスパは船に残ったショップのお姉さんと泳いで遊んでいたらしい。 お姉さんの話しによると、ジェスパはすぐ近くのポイントに泊まっていた他のボートに、ダイバーの為に掛けられたハシゴを登って勝手に上がり込んだらしく、船頭さんと他所のダイバーをビックリさせるというサービスもしていたと言う。 さぞ楽しんだのであろう。 良かった。 

この日は南風が吹いていたので、ダイビングを2本終わらせてから「はての浜」で遅いランチをとることになった。「はての浜」とは久米島で最も綺麗なビーチなのだが、船でしか上陸できないので、どう頑張っても自力では行けない他力本願ビーチである。 お弁当を船に積み期待満タンでワクワクする。 船が小さな、小さな島に近づくと海の色が“バスクリンマリン”の青を撒き散らかした様な色に変った。 ここはホントに日本だろうか?バハマじゃないのか?と思うような海だった。(※著者はバハマには行った事はありませんが、バハマに行った事のある作ちゃんがそう言っていました。) 小さな島は珊瑚の粉と欠片と貝殻で出来た、島そのものが海に突然現れたビーチだった。


「はての浜」に近づくと海がバハマ色になるのだ。

珊瑚礁で船はビーチに泊める事が出来ないので、我々は荷物を頭の上に乗せ、腰の辺りまで水に浸かって海を渡り、島へ上陸した。 すでに午後2時を回っていたが、沖縄の春の陽射しは想像以上に強く顔がジリジリと熱くなった。 しかしそうは言っても、海はやっぱり冷たく人間は必ず「あひ〜っ!」と一言叫びながら海に入った。元気に泳いでいるのは見渡す限りでもジェスパただ一匹であった。 くそーーーっ!我々も泳ぎたいぞぉーーーっ! 今度は夏に来て絶対に泳ぎたい!とも思ったが、日陰がどこにもないこのビーチでは、夏相当に辛いだろうからやめておこう。(あくまでも根性なし)                 

ビーチの端から端まで貝殻を拾いながら歩く。なんだか時間が経つのを忘れてしまう「キレイ」の一言に尽きる島だった。 2時間くらい経ったのだろうか? ダイビングボートが我々を回収しにやって来た。 あぁ〜あ、もう帰るのかぁ・・と嫌々ボートの方を見ると、ボートから降りたガイドのお兄さんはドップリと胸まで海に浸かっていた。潮がだいぶ満ちてきているらしい。 「・・・・。寒いから、絶対帰りたくない。」

                 
わーいわーいわーい ジェスパただいっぴき〜〜♪                ぽんちゃんと

しかしボートはそれ以上近づいてくれる気配も無く、それどころかまごまごしているともっと深くなると思われ、意を決して再びウエットスーツを着て冷たい海を渡ることにした。胸まで水に浸かり黙々とダイビングボートに向ったが、我々の唇が「ちびまるこちゃん」に出てくる“藤井君”のように薄紫になっているのを尻目に、ジェスパは船と我々の間を何度も往復しながらも気が付くとまたしても「はての浜」へ上陸しようとしており、「おまえのような切りの無い奴はもう帰ってくるな!」とありに罵られるのであった。 

オリオンビールを片手に「はての浜」の実力について居酒屋で夜遅くまで討論会を開いた後、場所をテントへ移し、引き続き「ポンちゃんバイバイパーティー」を(明日ポンちゃんが東京へ帰るので)、かなりささやかに行った。初めて会った時からこんなに気持が打ち解けられた友達もそういないだろう。ありがとうポンちゃん。 

 

つづく

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