手持ちダミーロードのSWRをチェックする(May 5, 2009)
故JA2CWU落合OMの遺品としてお預かりしたHeathの「cantenna」。2007年夏JA9BOH前川氏からQSYしたFMJの「MFJ-250」。暫く手元にあったが、如何程のダミーロードなのか知りたくなりSWRを測定してみた。写真左は仲良く並んだMFJ-250とcantenna。両者共約4リットルのトランスオイルが入っている。缶側面には以下のスペックが書かれている。
cantenna(MODEL HN-31):Impedance=50Ω、VSWR=Less than 1.5 up to 450MHz、Power Dissipation Capabilith=1kw maximum(ICAS)
VERSALOAD(MODEL MFJ-250):Impedance=50Ω、VSWR=Under1.2(0-30MHz)、Under1.5(30-300MHz)、Under2.0(300-400MHz)、1kw continuous、10 munutes see derating curve(Transformer Oil)
記述はアマチュアらしさがプンプンする。下表に測定結果を示す。安心して使えるのは50MHzで500W程度(ICAS)までかと推測している。その理由は温度上昇でダミーエレメントの抵抗値上昇の跡が見られるからである。
抵抗値は既に上昇傾向が見られ歴戦を感じさせる(暖めれば戻る可能性もある)。参考測定のBIRD 8404は600W(CCS)、1kw(ICAS)も可能で、抵抗値も安定しており流石である。
写真下は測定風景・・・左からMFJ-250、BIRD 8408、cantennaとBR-510D(SWRアナライザ)。
所 見
下表に測定データをまとめた。
Cantennaは抵抗値に上昇(値上り)が見られSWRに影響を与えている。経験では耐電力を超えた運用をすると、抵抗値が上昇を始める。初期段階は温度特性で冷やせば元に戻るが、度が過ぎると抵抗値が戻らなくなる。63.3Ωはその名残だろう。ただ430MHzまでの特性は自然に上昇しており好感が持てる。但し323MHz付近にSWR=3.2の軽いピークがある。
MRJ-250は一見すると良さそうに見えるが、257MHz付近に共振(写真の測定環境で)点を持ちSWR=∞になるポイントがある。
私事だが以前cantennaを購入し初期の500W検査に使用した事がある。その後1kw変更のテスト中に抵抗値の上昇に遭遇し原因が分からず苦慮して思い出がある。ダミーロードは一生ものと友人のJA2TNY高須氏から助言があり、BIRD 8890-300(2.5kw・5kw/送風)を購入しkwダミーとの闘いに幕が下りた。
関連情報
@チップ型ターミネータのテスト
Aチップ型ターミネータを使った800Wダミーロードの製作
B同軸ケーブルをダミーロードのアッテネータにする
C自作ダミーロードのチップ型エレメント焼損と修理作
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E不燃抵抗器は何処まで使えるか・・・SWRの実測