R-390Aアンテナリレーの接触不良対策(Apr 19. 2014)
はじめに
1982年購入のR-390A/URR。2012年8月、80m長逆V_Windomアンテナ(1.9〜50MHz/22m高)を張ってから、ローカルJOPK(NHK第1放送)が+3dBmと言う強烈なレベルで受かる様になり状況が一変。
今までの3.5/1.9MHzデュアルバンド逆Vアンテナ(22m高)は約65m長だが、方角の関係もあると思われスペアナで見るとそれより30dBも低い。
実はこの強烈なレベルがR-390AのAGC能力を問うことになり、現在平行して調査が進行している。
その最中、Windomを使用中受信レベルが激変するなど不可解な現象が発生した。
説明すると、所有するR-390Aは、WindomでJOPKを受信するとAGCが破綻する。その状態からFUNCTION-SWを「AGC」から「CAL」へ切替え、再び「AGC」に戻ったときAGCの破綻が回復する場合がある。回復した状態からアンテナを逆V(AGC正常動作)に切替え再びWindomに戻すとAGCが一気に破綻する。 CARRIERメータ表示は、Windomで70dB手前(AGC破綻)、回復時又は逆V時は凡そ55dB(AGC正常)であった(アンテナレベルの違いに非連動)。 写真は背面パネルから4本のビスを緩め引き出したアンテナリレー。保護用の放電管が時代を感じさせる。

アンテナリレー接点の洗浄
このヒステリシスな現象が何処で起きているのか・・・。
CAL動作ではアンテナリレーが動作する。そしてアンテナはブレイク接点経由で出力される。CAL時はアンテナ側が接地される。CAL動作でブレイク側の接触抵抗が変化。印加するRFレベルが抵抗値に変化をもたらしたと考えられる。
即ち低レベル時に存在した抵抗値が大レベルでは無くなるヒステリシス現象だ。
・・・推測は見事に当った。リレーの接触不良だった。接触不良はドライバーの柄でアンテナリレーを叩くことでも再現できた。
写真は取り外したアンテナリレー。左がUNBALANCEDコネクタ、右がBALANCEDコネクタ。
中央のスクリューハッチを空けると接点を覗くことが出来る。

アンテナリレー接点の様子
写真はスクリューハッチを外した様子。 左のポールはJ105、中央はJ106。分かり難いが右の短いポールがJ107。J105はUNBALANCEDコネクタと、J106/107はBALANCEDコネクタとコンタクトする。
コンタクトの抵抗値(SANWA/PM3で測定)はUNBALANCED系が0Ωであったが、BALANCED系は各コンタクト数Ω〜KΩ(クリチカル)を示した。
金属洗浄液をスプレーし、コンタクトに挟んだ紙を動かすなどして表面の汚れを落とし復活させた。その結果抵抗値は全て0Ωとなった。
下は別角度のアンテナリレー。ソレノイドに引き寄せられた鉄バーが、内部へ貫通する樹脂ロッドで上述のコンタクトバーを押す仕掛け。
R-390AやR-390専用の部品と思われるが、こんな特殊なモノ良く作ったものだと感心するし。内側はコンタクト他全て銀メッキでピカピカ。ただ、樹脂ロッド周辺にクリアランスがあるため、長年にわたる外気侵入による影響は避けられないだろう。それにしても放電管が何とも言えない。





R-390Aはやっぱり重い
上記作業を、R-390Aをラックから半引き出し状態でやっていたが、アンテナリレーは背面のため上蓋を開けても手が届かない。
どんどん引き出すと重心がラック面から前方向に外れ、R-390Aを支えるのが大変になってくる。
どう見ても危ないので、結局ラックから引き出され床に置いて作業を行った。
電気的にも機械的にも良く出来ているが、こいつはやっぱり重い。