2003年10月の日記

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10月31日(金) レコード芸術11月号を読んでいたら、エイベックスがクラシック部門を設立したというので、さっそくホームページを見にいきました。飛ぶ鳥を落とす勢いだったワーナーミュージックも、テルデックのクラシック部門を解体。大手レコード会社が次々とクラシックの予算を削減していく中、新たに着手したというのも不思議な話。

 第1弾リリースは、「ああ、この人ね・・・」という感想。日本人アーティストとしては著名人だけど、今やその実力は疑わしい。(爆弾発言!)むか〜し、カレーのCMに出演していたピアニストです。むしろ、その後の古典四重奏団や波多野睦美さんのリリースに期待したいところ。

 ベーシック・クラシックスと銘打って、¥1,000のCDも10種類発売されました。どうでもいいけど、すべて悪名高いCCCD(コピーコントロールCD)なのか。さて演奏は誰?表記がないので調べてみると・・・NAXOS音源でした!(笑)クラシックCD通の方は、NAXOSオリジナルのCDを買いましょうね。

 WindowsMediaPlayerで、試聴できるようになっているのですが、1分少々で切れてしまうので、こんなの試聴とはいえません。(怒)それなら
NAXOS JAPANのホームページで試聴した方がいいじゃないか、ということでジャンプしてみます。

 このホームページからは曲目、CDを検索することができ、クラシックすべてのCDが試聴可能なのです。ただし音源のサーバはアメリカにあり、試聴するためにはEメールのアドレスとパスワードを設定しなければなりません。英語で分かりづらいかもしれませんが、邦訳も付いています。

 ニュースレターは英語なので、いいえ(受け取らない)にチェックすればOKです。ちょっと面倒くさいかもしれませんが、ブラウザ(IE)の設定も必要です。説明どおりに行なえば良いことで、大して難しいものではありません。

 これまで設定を疎んじてしまったので、試聴するのは今回が初めてでした。しかし、これは驚きでした。せいぜいサワリを1〜2分聴かせるくらいのものだろうと思っていたら、何と!全曲聴けてしまうのです。思わずわが目(耳)を疑いましたよ!しかもタダで!信じられますか?

 試しにAKGのヘッドホンを繋いで聴いてみると、モデムでも試聴できるよう、20KBPSに圧縮されてはいますが、きれいなステレオ音声。細かいことをいわなければ、これでじゅうぶん楽しめます。雑誌の広告ページではあまり大きく宣伝されていないけれど、実はこんな大盤振舞いをしていたのですね。

 というわけで、CDの種類は数百枚。これから毎日、すべてのトラックを聴き尽くすまでがんばります。(笑)FM放送と違って、聴きたいときに聴きたい曲が取り出せる・・・全曲試聴できて、本当に気に入ったCDだけを購入すればいいのです。しかも1枚¥1,000、全国の輸入CD取り扱い店、もしくはネット通販で購入できます。


10月30日(木) エビスビールの“黒”を飲みました。やはり本物は美味いですねえ。(^^)一昨日飲んだ発泡酒、キリン生黒とはえらい違いです。黒ビールには独特の酸味と甘味がありますが、酵母菌の滑らかな泡によって、優しい舌触りとなるのです。なぜ発泡酒ではそうできないのでしょう。

 業務用ソーダ水というのをご存知でしょうか?喫茶店などに卸される、何も味の付いてない炭酸水です。これを明治屋のシロップで割ると、ピンクやグリーンのソーダ水になるのです。話がそれましたが、無味の業務用ソーダ水を口にすると、ピリッとした酸味を感じます。

 無味のはずなのに、酸味を感じてしまう・・・人工的に作られた炭酸水では、舌が刺激を錯覚してしまうのです。“炭酸入りコーヒー”というゲテモノ缶がありました。ひとくち飲んでコーラ?その後でコーヒーの苦味がくる・・・。最初の酸味は砂糖と炭酸の味覚がごっちゃになっているからです。

 キリン生黒の不味さの秘密、ご理解いただけましたでしょうか?本当に罰ゲームでしか使えない不味さです。(^^;


10月29日(水) エビスビールが飲みたくなりました。発泡酒ばかり飲み比べていたし、一昨日、『新世紀エヴァンゲリオン』を観たからですね。葛城ミサトの家の冷蔵庫には黄金色の缶が充満していましたから・・・。ぷは〜、んまい!やはりビールは食品ですねえ、これが酵母菌の泡なのですよ。(^^)

 スーパーで醤油を買おうと思ったけれど、イチビキもサンビシも置いてありません。当たり前かここは東京なのだから・・・。仕方なくキッコーマンのうすくちを買って、自己欺瞞にあまねくこととしましょう。『東京の名古屋人』・・・東京で入手できない名古屋ローカルの食材とは・・・。

 イチビキ(醤油・味噌)、サンビシ(醤油・味噌)、カネハツ(佃煮)、スガキヤ(ラーメン)、フジパン、シキシマパン、コーミソース、カゴメソース、マルアイ(花かつお・ふりかけ)、浜乙女(ふりかけ)、マスヤ(おにぎりせんべい)などなど・・・。

 まず醤油ですが、関東のものとは味も色もまったく違います。探してはいるけれど、未だ入手できないままなのです。営業所に電話して聞いてみようか?ソースに関しても、東京ではブルドックのものばかり。幼い頃から慣れ親しんだ味の記憶というのは恐ろしいですね。一部のスーパーでカゴメソースは入手できますが、コーミソースは皆無です。

 愛知県なら、どこでも気軽に食べられる激安ラーメンのスガキヤ。コーヒー1杯の値段よりも安いのです。これも東京にはありません。お店で食べるのと同じ味のインスタント麺があるので、帰省した折には買って帰ることもあるのですが・・・。

 マスヤのおにぎりせんべい・・・醤油味のせんべいなんだけど、ときどき無性に食べたくなります。これも一部のスーパー、コンビニだけで流通してます。軽いので1袋ペロリと食べられちゃいます。

 先週、帰省したときも、真っ先に駆け付けたのが、あんかけパスタのお店。こんなの東京に1軒もありませんよ〜!夏に帰省したときも、味噌かつの“
矢場とん”に行きました。ホームページを見てびっくり!ヤマザキ・ナビスコから『矢場とんのポテトチップス』が発売されるそうです。(11月5日より全国のサークルK&サンクスにて限定発売。)

   
 ※矢場とんのマスコット、プーちゃん。


10月28日(火) 10月4日、10月24日と行われました発泡酒飲み比べ。追加6点です。

K.アサヒスパークス生
原材料:麦芽、ホップ、大麦フレーク、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※ネーミングからして、ビールの味とは無縁の発泡酒。炭酸が強く清涼感を強調しています。辛口ですが麦芽の旨みは薄いといえます。

L.サントリー・スーパーマグナムドライ辛口(生)
原材料:麦芽、ホップ、大麦、糖化スターチ
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※辛口とうたっていますが、それほど辛くはありません。炭酸が強く清涼感を強調しています。これもまた麦芽の旨みは薄いといえます。

M.キリン極生
原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※キリンブランドでありながらそれほど辛くはない。口当たりがよく泡立ちも自然です。キリンが苦手な人でも美味しく飲めます。

N.キリン白麒麟冬限定マイルド(生)
原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※キリン極生をさらにマイルドにした感じ。甘味があり、クリーミーな泡立ちで喉越しが良いです。キリンが苦手な人でも美味しく飲めます。

O.キリン生黒
原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※黒ビール風味の発泡酒があるのか?と思ったのですが、何だろうこれは?酸っぺー、まじー!コーラのように合成された酸味があります。罰ゲームに最適。

P.サッポロ樽生仕立
原材料:麦芽、ホップ、米、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※『北海道生搾り』に似て、濃厚かつ甘い味。風味も良くトロリとして泡立ちも自然です。生ビールの味をよく再現しています。飲み応えあり。

 発泡酒飲み比べは今回で終わりにします。なぜなら、美味しいものだけを飲みたいからです。キリン生黒、アサヒスパークス、サントリーマグナムと、自分に合わないものを3つ続けて飲んだ日にゃ、バクハツしそうになりました。(^^;

K.アサヒスパークス生★★☆
L.サントリー・スーパーマグナムドライ辛口★★☆
M.キリン極生★★★★
N.キリン白麒麟冬限定マイルド★★★★
O.キリン生黒★★
P.サッポロ樽生仕立★★★★☆


10月27日(月) 先週、名古屋で仕入れたLDセット『新世紀エヴァンゲリオン』を観終えました。解説しておきますと、このテレビアニメは1995年(平成7年)10月から翌年3月までの6ヶ月、全26話が放送されました。その頃、私は観ておりませんです。大して視聴率も稼げなかったと聞きます。

 放送が終了してから再燃したという感じで、特に最終話に向けての不可解な謎解き。サブリミナルを多用しているので、一度観ただけではよく分からない。ビデオを一時停止させながら観ていかなければなりません。人間っつーのは疑問に思ったことを解決しないと気が済まない性質ですからね。

 1997年、深夜に再放送されていた第23〜26話を観る機会がありました。カタログの整理をしながら、テレビをつけっ放しにしていたのです。途中からテレビに引き込まれてしまったのですが・・・。何だろうこれは、ベートーヴェンの第9じゃないか?未編集のままずっと流れています・・・しかも恐ろしく凄惨なシーンに歓びの歌?

 そしてラストは主人公の心の補完がテーマ。体育館のステージに置かれたパイプ椅子。登場人物たちによる少年への尋問。映し出されるのはイメージ写真のコラージュばかり。自分と他者とを隔て、閉塞的な自らの世界へ閉じ込こもろうとする少年が、最後には自らの心を外界へ開くための光を見出す。そんなシーンでした。

 後で分かったことなのですが、製作者側はすでにどんづまりの状態にあったということ。放送日ぎりぎりまでクランクアップできずにいたのでしょう。テロップと静止画ばかりでなく、絵コンテやアフレコ台本まで登場します。肝心のストーリーは未完で終わってしまったために、劇場映画としてその続編を製作中とのことでした。

 レンタルビデオは第10巻(第20話)までしか出ておらず、第21話、第22話を観ないまま映画館へ。しかし、公開に間に合わず、結局、テレビシリーズのダイジェスト版(ストーリーの流れと関係なくコラージュされた)と、完結編の前半部分を発表して「つづく」。その半年後にようやく完成された次第です。

 その間、テレビ東京では3日間?かけて深夜に全26話を一挙放映。朝の5時までかかって録画しました。これで“おさらい”も終了・・・。さて問題の劇場映画完結編ですが、テレビシリーズの第25話、第26話を否定し、新たに用意されたエンディング。しかし、これは無かった方がいいのかな?

 2年という歳月を経て、衰えることを知らぬ『エヴァ』ブームに腹を立てた庵野監督。「オレの伝えたかったこと?お前らに分かるハズがない!」「お前らの考えているエンディングなんか無いんだよ!」(私の想像です。)主人公のシンジは監督の化身となり、自らの醜い部分を曝け出します。う〜ん救いようのないヤツ。

 美少女キャラとして人気のあった綾波レイ(クローン)は、巨人と化し、増殖・分化を繰り返します。スクリーンいっぱいに広がる醜い綾波の顔、かお、カオ・・・。それが裂けたり、血を噴き出したり・・・これはもう、監督の悪意に満ちています。「どうだこれでもか!」とでもいうように・・・。

 スクリーンは突然、実写映像に切り替わり、どこにでもありそうな街角を見せた後、まるで鏡を見るように、劇場を訪れた私たちの姿が映し出されます。

 そして世界の終焉はシンジの選択に委ねられます。(1)心と身体が溶け合った、自分と他者の境界のない世界。(2)これまで通り自分と他者を区別するものがあり、再び悩みながら生命を模索していかなければならない世界。「(1)、これはやはり違うな・・・(2)の世界は辛いことばかりだけれど、それでも自分はここにいて、いいんだと思う・・・」。

 そう願ったはずなのに、目の前に広がったのは、生命のスープとでもいうべき原始の海。彼方に見えるのは戦慄の残骸と廃墟。生き残ったのはシンジとアスカの2人だけ。絶望するシンジにアスカが言います、「気持ち悪い・・・」。これは庵野監督から、映画を観ている皆さんへのメッセージ。

 さて今回、LDを観終えて気がついたのですが、第10巻以後リリースが一時的にストップし、映画公開と同時期に発売された第11巻(第21話、第22話)と第12巻(第23話、第24話)。映画のために新しく作られたシーンが挿入され、テレビシリーズとはかなり違ったものになっていました。

 ときにはかなり「げっ!」と思えるシーンもあり、些細な描き直しも含まれています。第24話の銭湯のシーンでは、積み重なった洗い桶にNERVのロゴがプリントされていますが、伏せた状態なのでひっくり返すと実は逆さま。それがこっそりと描き直されていたりして・・・。(笑)

 今回購入した中古のLDセットは、前オーナーがゲットした応募特典“第21〜24話のオリジナル・ヴァージョンLD(非売品)”が付いていました。ありがたやありがたや・・・というか新品同様、応募券を切り取った以外に使用した形跡がないのです。いわゆる“観る用&取っとく用”の後者だったのかも知れません。

※現行のDVDには、第21〜24話のヴァージョンが2種類収録されています。また音声は5.1chサラウンド、オリジナルでカットされた台詞も追加されているようです。


10月26日(日) 中古で購入したDVDで映画『クロスファイア』を観ました。新品で買うと¥6,000、中古だから¥2,900。だから定価が高過ぎますってば。以前1度、地上波でも放送されたのですが、若干ながらカットがあったし、映像のクオリティも低かったなあ。

   


 ジョージア(缶コーヒー)のCMでは、ラップを踊らされている矢田亜希子さんですが、この映画が初主演作。金子修介監督のもとで実にいい演技をしています。宮部みゆき原作の初映画化でもありました。SFマニアの間ではきわめて評価の高い作品なのですが・・・。

 矢田亜希子さんといえば、フジテレビの連続ドラマにも出てたみたいですが、これだけの名作を世に出したからには、しかるべき扱いを受けてもいいと思うんだけどな?メディアが才能を活かし切れてないのは何とも残念。テレビって本当に工夫がないよねえ。(^^;

 比較にならないかも知れないけれど、古いメディアでありながら、ラジオ(中波)放送は面白いと思うのです。映像のない世界ですから、1秒足りとも空白を作るわけにはいかず、何かを喋っていなくてはなりません。久しぶりに聴いてみると、その情報量の多さに圧倒されますよ。

 何だか脱線してしまいましたが、映画のあらすじ、感想については
2000年6月の映画をご覧ください。(^^;


10月25日(土) 先日、実家に帰省したとき、古いビデオを引っ張り出してきました。『わんぱく王子の大蛇退治』1963年東映動画(アニメーション)芹川有吾演出。テレビ放送から録画したものなので、オリジナルはシネマスコープなのに、スタンダード・サイズにトリミングされ、しかも大幅なカットあり。レーザーディスクなんて高価なものは、おいそれと買えなかった時代ですから、ハイグレード・テープを用意してテレビの前に陣取り、息を殺してCMを編集したものです。

 映画は「古事記」でお馴染み日本誕生の物語、ヤマタノオロチ退治を扱ったもの。スサノオは愛くるしい子供でありながら力持ち。亡くなった母(イザナミ)に導かれ、美しく豊かな母の国を求めて旅に出ます。途中、ヨルノオスクニでは兄のツクヨミに、タカマガハラでは姉のアマテラスを訪ね、怪魚アクルや火の神と壮絶な戦いを挑み、クライマックスではヤマタノオロチとの戦いを迎えます。

 初めてこの映画を観る人は、ハニワをモデルに、極限までデザイン化されたキャラクターに驚くことでしょう。伝統色を重んじた色彩、蒔絵や水墨画を思わせる背景など、斬新なアイディアに満ちています。ちょこまかしたキャラクターですが、動きはストレートでスピード感溢れるものとなりました。作曲は伊福部昭。実写映画と比べ、より自由に作曲できる強みがあったのでしょう。この作品には特に多くの楽曲が用いられています。

<みどころ>
●テーマ曲 重厚壮大、伊福部昭の作品の中でも特に人気の高いもの。
●母のない子の子守歌 伊福部メロディーの中でも特に美しいもの。
●怪魚アクルとの戦い ストレートですが、スピード感溢れる壮快なもの。
●火の神との戦い 蒔絵から飛び出したようなキャラクターですが、切っても切っても2つ、4つと分身していく火の神。アニメーションの醍醐味ともいえるすばらしい戦闘シーン。
●ウズメのダンス 天の岩戸に閉じこもってしまったアマテラスを呼び戻すため、愛らしいウズメは必死に踊ります。音楽と色彩のシンクロが絢爛豪華。
●ヤマタノオロチとの戦い “スターウォーズのXファイターの戦闘シーンより迫力がある”と言った人がいました。大塚康生氏によるスピード感溢れるアニメーション。オロチの首がひとつ切り落とされる度に、伊福部昭のテーマも変わります。何て贅沢な!

    ※写真はDVDのパッケージ


10月24日(金) 10月4日に取り上げた発泡酒飲み比べ。前回の選考に漏れた4品目のレポートです。

G.サッポロ北海道生搾り 北海道産麦芽使用
原材料:麦芽、ホップ、米、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※濃ゆい味!しかも甘味があります。トロリとして泡立ちも自然です。ビールに似せて作られたサッポロの味ですね。飲んだぞ〜!という充実感があります。

H.サッポロ北海道生搾りファイバー 食物繊維入り
原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーンスターチ、糖類、水溶性食物繊維
麦芽使用率25%未満 アルコール分5%
※Gと同じ傾向ですが、比較するとやや淡味。清涼感をアップさせ、発泡酒寄りの味になっています。「飲みすぎ、体調・体質によりおなかがゆるくなる場合があります」とのこと。

I.サッポロのみごたえ(生)
原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーンスターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5%
※サッポロ独特の甘味をうまく生かし、発泡酒の清涼感も併せ持つウェルバランス。発泡酒の新しい基準となるでしょう。

J.サントリー純生 竹炭濾過
原材料:麦芽、ホップ、大麦、糖化スターチ
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※サントリーらしくないピリッとした辛さ、炭酸もきつく感じるし、飲んだ後、口の中に苦味が残ります。

 いちおうここで総合評価をまとめてみます。私個人の好みの評価であって、絶対的なものではありません。アサヒ、キリン、サッポロともブランドの味を守り、それぞれの1番走者と発泡酒らしい清涼感を求めた2番、3番手を用意しています。もっともユニークなのはサントリーで、C.楽膳、D.ダイエット、J.純生と、それぞれまったく傾向の違う3品目を揃えていることですね。

A.アサヒ本生(赤ラベル)★★★☆
B.アサヒ本生アクアブルー★★★★
C.サントリー楽膳★★★★☆
D.サントリー・ダイエット★★
E.キリン端麗★★★☆
F.キリン端麗グリーンラベル★★★★
G.サッポロ北海道生搾り★★★★☆
H.サッポロ北海道生搾りファイバー★★★☆
I.サッポロのみごたえ★★★★
J.サントリー純生★★★☆


10月23日(木) 10月4日から毎週土曜日、大阪毎日放送(MBSラジオ1179kHz)では吉岡美穂さんがパーソナリティーを務める
『オレたちヒーロー』が始まっているのですが、東京では聴くことができません。盛大なノイズの中からかすかに聞こえる程度。それならば・・・!と思ったのが、昔懐かしいBCLラジオの登場です。

 SONYスカイセンサー(ICF-5900)もともと海外のラジオ放送を聴くために作られているのだから、東京で大阪の放送を聴くことくらい何でもないでしょう。1976年製の骨董品ですが、磨いたらピカピカになりました。どこも壊れていないというのがうれしいねえ。これを持って東京に戻ります。(^^)

   


10月22日(水) 名古屋の実家に戻っております。携帯接続端末を忘れてしまったのでパソコンのメール・チェックができないのでした。クルマにガソリンを補充して、久々のお出かけです。今池の中古レコード店、"ピーカン・ファッジ"を訪れます。ここはレーザーディスクの中古がお値打ちなのです。

 『エヴァンゲリオン』のLDボックス全3巻と特別編をセットにした15枚組が¥4,500。買いまーす!これまでバラで買い求めてきたけれど、10巻以後が見つからないので、どうしようかと思っていたところ。ダブった分は売り払ってしまえばよいのです。二束三文としても、DVDの中古(7枚組セット)よりはるかに安いんですよね。

 よく誤解されるけれど、私はアニメヲタクではありません。アニメなら何でも!というのではなく、繰り返しの鑑賞に堪えられる、芸術性の高い作品だけを認めています。『ヤマト』も『ガンダム』もストーリーは面白いのですが、絵はヘタだし、斬新な演出も何もありません。オトナの目で見ているつもりなんだけどな・・・。

 夜はレンタル・ビデオでドキュメンタリー映画『テルミン』を観ました。テルミンとは何か?1920年、ロシアのレフ・セルゲイヴィッチ・テルミン博士が発明した世界初の電子楽器です。アンティーク家具を思わせる木の箱から突き出した水平・垂直の2本のアンテナ。ここから発せられる電磁波に手をかざすことによって、ラジオ・ノイズのような独特の音色を奏でます。

 1927年、テルミンの最愛なる理解者にして名演奏家、クララ・ロックモアに出会うと博士はアメリカに活動の居を移し、テルミン普及と自らの研究に専念するのですが、1938年突如、ソ連KGBに連行され、消息を断ってしまうのでした。危険人物と目されて殺害されたのでは・・・と噂が伝わります。

 1920年代にして、実験的にカラーテレビまで完成させたという天才発明家。詳しくは、
公式ホームページでご覧ください。テルミンのデモ演奏を聴くことができます。とゆーか、この楽器が欲しくなりました。トランジスタで作られたオモチャのようなものは市販されているようですが、ハッキリいって音色がよくない。プロ用のテルミンが欲しいのです・・・。

   



10月21日(火) 明日から実家の両親が1泊2日の旅行に出かけます。父親はだんだんと脚がおぼつかなくなってきているので、最後の旅行?になるかも知れないといいます。(脅しです!)問題は誰が留守番をするかということ。ボケたお婆ちゃん1人を残して行くと何をするかわからないし、親戚に預けるわけにもいかない・・・ということで、私が実家に戻って留守番をすることになりました。

 JR東中野駅から東京駅まで、40分もあれば余裕のよっちゃんと考えて新幹線を予約。山手線は事故のため運行停止しているけど、中央線なら関係ないでしょうと思ったのが失敗!ノロノロ運転で動かない・・・。(^^;結局、列車を1本遅らせることとなってしまいました。恐るべしJR!どこへ移動するにも最低30分は余裕を見ておかないと、いざという時アテにならない、ってことですか?

 それはともあれ、美味しい駅弁でも食べながら行きましょう!『日本紀行 味めぐり』¥1,200。日本各地の名産品がひとくちずつ入っているんですよ!帆立の照り焼き、鱈の西京焼き、煮物(魚がんも、茄子、人参)、鰻巻玉子焼き、枝豆の山葵和え、鯛蒲鉾、ハモの唐揚げ梅肉添え、丹波黒豆蜜煮、芋入り薩摩揚げ、ゴーヤと豚肉の味噌炒め、鶏の香草焼き、ナマス、ゆかり御飯、茶飯の14品目。写真を撮っておけばよかった!食べてしまってから気がついたのだけれど・・・。(^^;


10月20日(月) 今日もまた¥300で購入した中古レコードを聴いています。マーラーの交響曲第9番、演奏はカルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団の2枚組です。これは発売当時、たいへん評判を取ったレコードですが、その後カラヤン指揮ベルリンフィルのライヴ盤や、バーンスタイン指揮ベルリンフィルのライブ盤が発売されると、その影に埋もれてしまった感があります。

 音楽を徹底的に美しく磨き抜いたカラヤン。作曲家を懐まで引き寄せ、自己燃焼させてしまうバーンスタイン。どちらも両極端のため、私としては何度も聴きたいとは思えないのです。ジュリーニの演奏はその中庸を行きます。作曲家に敬意を払い、適度の距離を置きながら、聴衆とのコミュニケーションをも図っているような気がします。

 奇を衒わず美しく、力強く、たいへん充実した演奏。2枚組なので全4楽章を片面ずつ、たっぷり取ってカッティングしてあります。第4楽章にさしかかり、美しい弦楽合奏に耳を奪われていましたが、どこからともなく“しょわしょわしょわ”と不思議な音が聞こえてきました。何だろうこの音は・・・?

 弦楽器の音程があまりにもピッタリと重なっていて、しかもヴィヴラートまできれいに揃っています。そう、これは“倍音”なのです。楽器の振動が大気中に共鳴して、楽譜に書かれていない音を生み出すのです。これはナマ音でしか得られない現象で、アフレコや多重録音では絶対に発生しません。

 また、アナログ・レコードでこそ得られる音なのかもしれません。レコードに刻まれた信号を、針で擦って音を拾うわけですが、そこで発生したエネルギーは、レコード自体を振動させ、再び針に伝わっていきます。このとき何ともいえない響き(倍音)が発生しているのです。

 かつてアナログ・レコードのために録音された音源は、“レコードにカッティングされたらこんな音になる”というところまで見越して音決めがなされていました。そのテープをそのままCDにトランスファーすると、艶のない乾いた音になってしまいます。几帳面にテスト・プレスを繰り返し、綿密に音を決めていけば、CDだってすばらしい音が出せるはずですが、世に出ているCDの多くは、そこまでの配慮がなされていません。


10月19日(日) 先月のバーゲンで仕入れた中古レコードを聴いています。ほとんど1枚¥100だったので、30枚ほど購入したんですよね。何でいまさらLPレコード?とおっしゃる方もいるでしょうが、とても美しい音ですよ。CDを良い音で聴こうと思ったら、最低5、6万円のCDプレーヤーが必要でしょう?アナログ・プレーヤーだってそれくらい出せば、けっこう高級機種が買えるのですから・・・。

 今聴いているレコードは、マーラーの歌曲集『子供の不思議な角笛』。シュヴァルツコップとフィッシャー=ディースカウが歌っていて、ジョージ・セル指揮のロンドン交響楽団が伴奏をつとめた名盤。ところでこのレコードのジャケットには、前オーナーの書き込みがあるのです。

 『信彦 子供達が府中から帰った日。1983.8.19(金)』

 よく見ると他にも数枚、同じ筆跡でメモの書かれたレコードがありました。サインペンで丁寧に書かれた文字からは、前オーナーの人柄が伝わってきます。下は、テレマン名曲選(パリ・バロック・アンサンブル)のレコードに書き込まれたメモです。

 『信彦 1981.9.30(水)テレマン生誕300年目(1681〜1981)』

 レコードの購入日と家族との思い出が重なっています。このレコードがどのような経緯を辿って、中古レコード店へ流れ着いたのか知る由もありませんが、お爺さんの大切なコレクションを、遺族が処分してしまったのかもしれません。人は必ず死ぬものです。遺されたレコード・コレクションはどうなるのでしょう?

 @図書館、博物館などの公共施設に寄贈する。
 A故人と親しかった友人、知人に贈与する。
 B中古レコード店、またはオークションで売却する。
 C粗大ゴミとして処分する。

 @は亡き故人に敬意を払い、最もふさわしい措置と考えられそうですが、自治体はコレクションの価値も、有効に活用する術も持ち合わせておりません。同一盤の重複という問題もあります。またコレクションを整理し、運用していくためには、莫大な手間と費用がかかるため、結局のところオクラになってしまうのです。

 A貰ってくれる方があれば幸いです。B中古レコード店では二束三文。よほどの貴重盤でないかぎり、オークションでは“一山いくら”の値段になります。しかし、コレクターからコレクターの手に渡るのであれば、いつかそれを必要とする人の許へと納まるでしょう。C貴重な財産を粗大ゴミにしてはいけません。

 LPレコードは50年の歳月を経てなお、美しい音を奏でてくれます。シンプル・イズ・ベスト!光学式ディスクの蒸着膜剥離の問題こそ不安なのに・・・。なぜ人はLPレコードを捨てて、CDに買い換えようとするのでしょう?


10月18日(土) 少し前にNHKBSから録画したビデオで、映画『ジュリアス・シーザー』を観ました。チャールトン・ヘストン、ジェイソン・ロバーズ、ロバート・ヴォーン、ジョン・ギールグッド、リチャード・チェンバレン出演。ピーター・スネル製作、スチュアート・バージ監督作品。(1969年アメリカ)

 シェークスピア劇の映画化で、重厚な手応えがありますね。少しも古さを感じさせません。台詞のひとつひとつに生命が宿っています。ブルータスがシーザーの暗殺を正当化すべく演説する“言葉の魔力”は、たとえ一瞬でも民衆をうなずかせてしまいますが、もしシェークスピアが現代に生きていたら、すご腕の政治家になれることでしょう。

 ブルータスを演じたのは、先の日記で書いた『夜への長い旅路』に出演していたジェイソン・ロバーズ。長い台詞回しを見事にこなし、たいへんな迫力がありました。この映画はカラーですが、オリジナルはシネマスコープ。ところが今回の放送はスタンダード・サイズにトリミングされていました。

 フィルムの褪色もあって残念です。美しくリプリントし直して、サウンド・トラックを5.1chに加工したなら、画面いっぱいに大スペクタクルを展開したであろうに。ブルータス軍とアントニー軍の戦いでは、大人数のエキストラを動員しています。現代ならCG合成でお茶を濁してしまうところですが、やはり本物の迫力は違います。

 実はこの『ジュリアス・シーザー』、1953年にも映画化されており、名匠ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の作品。マーロン・ブランド、ジェームズ・メイソン、エドモンド・オブライエン、ルイス・カルハーン、ジョン・ギールグッドらが出演しています。音楽がミクロス・ローザ。こちらもいつか観てみたいと思うのであります。


10月17日(金) 肩凝りはまだ続いています。サロンパス使いきってしまいました。首、肩、背中だけでなく、両手の指先まで重いです。昨日の仕事の修正は、案外大したことなく終了。来週、名古屋の実家に帰省する予定があるので、新宿まで歩いて出かけます。

 新幹線ビジネスきっぷ、これを金券屋さんで買うと窓口で単独に買うより、1枚あたり¥800ほど安くなるのです。往復だから¥1,600の差額。これで道中、美味しい駅弁が食べられるというわけ。さて、駅弁を選ぶコツというのをご存知でしょうか?

 単純なことなんだけど、“お金をケチらない”こと。少しばかり奮発しましょう!私の好きなパターンは、日本各地の名産品がひとくちずつ入っていて、デザートの甘味まで入っているような詰め合わせ。最低¥1,000くらいはするかなあ?

 パソコンのホームページにチャット・ルームを設置したのですが、携帯では使用できません。なぜ携帯で使えないのか?という素朴な疑問。使えないことはないのだけれど、通話料とパケ代がオソロシイことになってしまう。それではチャットの意味をなさないでしょう?(^^;


10月16日(木) 肩凝りがひどく、頭痛まで併発。職業病だなこりゃ・・・トイレット・ペーパーも切れかかっていたので、薬局に行きバファリンを買って飲みます。昼過ぎに1時間ほど休憩したら少し楽になったので、馬力を上げてERATO(フィオーリ・ムジカーリ)のカタログを完成させました。道程は長かった・・・。

 ERATOは最初、日本コロムビアから発売され、後にRVC(ビクター)から再発されたんですよね。だからRVCのデータと重複する部分をコロムビアのカタログにペースト。ところが重大な間違いがあることに気がつきました。ステレオ録音の表記とモノラル録音の表記の部分で、勘違いをしていたのです。(^^;

 あ、頭が痛くなってきました。全100タイトルの再確認・・・そんなに時間はかからないだろうけど、もう目がショボショボです。とても続けられそうもないので、とりあえず今夜は寝ます。明日、スッキリした頭で取り組みたいと思います。今日の日記は短くてごめんなさい。映画『リーグ・オブ・レジェンド』が観たいです。むにゃむにゃ。


10月15日(水) 昔に購入したアニメのLDを引っ張り出して観ていました。『太陽の王子ホルスの大冒険』高畑 勲 監督作品。(1968年東映)原画スタッフには森 康二、奥山玲子、小田部羊一、宮崎 駿、大田朱美、菊池貞雄といった重鎮がズラリ。音楽は間宮芳生。

 当たり前なんだけど、絵がとてつもなく上手い。表情に血が通っています。スタジオ・ジブリなんかまだまだヒヨッコだな、と思えてしまうのです。「宮さんの絵は冷たい」と語ったのは森 康二さん(故人)。宮さんとはもちろん、宮崎 駿さんのこと。

 CGテクノロジー全盛の現代にあっても、アニメが進化しているとはいえません。宮崎監督の精密な絵コンテを動画に落としていくスタジオ・ジブリでは、斬新なアイディアに不足しているのかも。『千と千尋』を例にとってもしかり。

 アニメは1人で作れるものではなく、出来たとしても、それはつまらないものになってしまう。『ホルス』には喜びや悲しみといった村人たちの生活があり、結婚式の音楽、美しい歌など、人々を楽しませるパフォーマンスに溢れています。

 そして善と悪との狭間でさまようヒロインのヒルダ。悪魔に永遠の生命を与えられ、人々の結束力を崩していくのですが、「遊ぼうよ!」と誘う無邪気な子供たちに触れ、心を揺り動かされます。

 『千と千尋』が優れていない、とは言わないけれども、『ホルス』に見られる美点はまったくありません。人間のいないお化けの世界だから、と言ってしまえばそれまでなのですが、ちょっとさみしくありませんか?

 おそらくそれは、宮崎監督がいちばんよく分かっていること。分かっていながらどうにもならない・・・『もののけ姫』を製作した後で、いったん引退を仄めかしたのもそういったジレンマからだったのでしょう。

 お日さまが笑った屋根の上
 子猫が落ちた犬の背に
 ウォーウォーウォーどうしよう

(『太陽の王子ホルスの大冒険』〜わらべうた)

   


10月14日(火) 早稲田松竹へ映画を観に行きました。『ギャングスター・ナンバー1』と『キス★キス★バン★バン』の2本立て(¥1,300)です。

 『ギャングスター・ナンバー1』は、かなりスタイリッシュでハードな内容。好き嫌いが分かれるところでしょう。目的のためには手段を選ばない残忍な主人公。やがてボスの座へと成り上がっていくのですが、舞台をイギリスから日本へと置き換えたら、これはまさに任侠物。ポール・ベタニー目当てで観にきた女性もあったようですが・・・。
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 期待しないで観た2本目の『キス★キス★バン★バン』が良かった。ステラン・スカルスガルド、クリス・ペン、ジャクリーン・マッケンジー、ポール・ベタニー出演、スチュワート・サッグ監督作品。(2000年イギリス)公開当時は上映期間も短く、観逃してしまったんですよね。でもどうして、これはなかなかの名作です。
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 「心に愛とピストルを」これがこの映画のコピー。かつて組織でナンバーワンだったフィリックスですが、近頃はすっかり衰えを感じています。体力云々ではなく、殺し屋としての勘が鈍ってしまったのです。フィリックスは若い弟子のジミーにすべてを託し、引退を宣言します。しかし組織は「死ぬまで殺し屋」が掟だと、彼を暗殺すべく追手をかけたのでした。

 殺し屋が転職?といえど現実は厳しい。アンティークの輸入業者から依頼された警備の仕事・・・それは部屋の中だけで育てられ、外界を知らぬまま大きくなった33歳の子供の世話でした。かたときも水鉄砲とキリンのヌイグルミを離せないババ。そんなババを外に連れだし、男の甲斐性を諭すフィリックス。言うことを聞かなきゃお尻を引っぱたくしかありません。

 ハードボイルドな男にも年老いた父親があり、老人ホームへの賃貸料も工面しなくてはなりません。そして愛する女性がありながら、結婚に踏み切れないでいるフィリックス。すっかりなついてしまったババの面倒をみるうちに、やがて誰かのために一生懸命になっている自分に気づいていく・・・。しかし容赦なく追手は彼を付け狙います。

 組織には逆らえないが、恩師であるフィリックスを助けようとするジミー。複雑に絡み合う人間模様・・・その結末やいかに?最後まで目が離せません。

   

 いろんな題材を欲張って詰め込んで、でもそれなりにうまく運んでしまう・・・そして“本当のカッコよさ”を見せてくれるあたり、“一粒で二度美味しい”サービス精神に溢れています。60年代を基調とした美しい色彩と楽しい音楽、ハチャメチャ&バランスといった感じ・・・こんな名作が大して評価もされていないのは何とも不思議ですね。皆さんもぜひご覧くださいませ。(^^;


10月13日(月) 今日は体育の日なのに、あいにくの土砂降り。昨日購入したLDで映画を愉しみました。高田馬場にあるボロボロの中古CDショップ、床に置かれた段ボール箱には“映画LD1枚¥450”と書かれています。手を真っ黒にして見てみると『パーフェクト・ワールド』がありました。観たいなと思いながらも、機会がなく通り過ぎていたのです。そうそうこれも吉岡美穂さんがラジオでお薦めしていた映画でした。

 『パーフェクト・ワールド』ケビン・コスナー、T.J.ロウサー、クリント・イーストウッド、ローラ・ダーン出演、クリント・イーストウッド監督作品。(1993年アメリカ)私はLDで購入しましたが、DVDでも発売され、現在は“ハリウッド・プライス”(期間限定)として¥1,500で販売されています。

 ブッチ・へインズは刑務所の仲間テリーとともに脱獄。クルマを奪って逃げる途中、イカレたテリーは母子の家庭に押し入ります。予定外の行動にブッチはテリーをたしなめますが、やむなくフィリップという男の子を人質として連れていくことに・・・。ところがテリーの悪行は止まず、フィリップにいたずらしようとしたところ見たブッチは、テリーを容赦なく殺してしまいます。

 母親に育てられ、宗教上の理由でハロウィンにも参加させてもらえないフィリップ。そんなフィリップにブッチは幼い頃の自分を重ね、フィリップもまたブッチに理想の父親像を見たのでした。2人の間には不思議な友情が芽生え、行く当てもない優雅な逃避行が始まります。

 脱獄囚ブッチを追うのは、クリント・イーストウッド演じるところの警察署長。市長から拝借したキャンプ・トレーラーで追っかけて行くところが、何ともノンビリしていておかしいですね。実は署長、少年時代のブッチを逮捕したことがあり、彼を捕えて何とか救ってやろうと考えているのですが・・・。

 タイトルの『パーフェクト・ワールド』は、脱獄囚ブッチが、フィリップが、そして警察署長やFBI捜査官が、想い描いている理想の世界。そんな世界など現実にはあり得ない・・・ラストはやはり泣けてしまうのでした。のほほんとしていながら、日常にある大きなテーマを感じさせてくれる優れた映画でした。


10月12日(日) 待ちに待った吉岡美穂さん握手会の日なのです。東中野のお花屋さんで予約したブーケを受け取り、新宿福屋書店へレッツゴー!おそらく私は、電車の中でニヤニヤ笑いしていたことでしょう。(^^;予約購入特典として、美穂さんとポラでツーショットを撮っていただけるのです。うれしはずかし・・・。(^^;

 会場は書店の内ではなく、地下街通路の一部をパーテーションで区切って設置されました。昨日の舞台挨拶で見かけた人たちも、すでに集まってきています。そのうちの何人かがファンサイトの常連さんと思われるのですが、新参者のファンである私には分かりません。向こうもそう思っているかも。

 スタッフが客を動員して、整理券の番号順に並びました。あれ?前に立っているのは、映画館で私の隣に座っていた男の子だ。でも恥ずいオジサンである私は、声を掛けられません。う〜ん人間ウォッチング。100%男性ですね。(笑)私より年配の人(そう見えるだけ?)も多数。日曜日だし、すでに何件かのイベントをハシゴしてきた人もいるみたい。

 ユニークなのは、中華服にクマの被り物を用意してきた男の子。イベントの常連さんらしく、これでポラを撮ってもらおうというのかな?複写して売買したりしないでね・・・。あ、順番が回ってきました・・・金鳥蚊取線香。ドッキドキです。(^^;美穂さんは髪をアップにして、白のワンピースという出で立ちです。

 「はじめまして」ブーケを手渡すと、「ありがとうございます、ユリ大好きなんですよー」と小さな声。目の前にいるのは、今まで見てきた女性の中でいちばん美しい人。ツーショット・ポラは私が椅子に腰掛けて、美穂さんが背後に立つというパターンでした。最後に「ありがとう」と握手しながら目で会話。(この間0.5秒・・・)

 「また来てくださいね」と微笑をもらって退場。う〜ん何も話せなかった、当たり前か。(^^;私にとって本年最大(生涯最大?)のイベントは終了いたしました。また会いに行きたいなあ。12月13日公開の
『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の公開初日には舞台挨拶があるのでしょうか?必ず観に行きますよ。(^^)

吉岡美穂『2004年カレンダー』発売イベント(福家書店新宿サブナード店)


10月11日(土) 映画『巌流島 GANRYUJIMA』の公開初日です。早起きしてしまったので、有楽町のスバル座には定時の1時間前に着いてしまいました。喫茶店でコーヒーでもすすりながら時間を潰そうと思い、入場券を買いに行ったら、「もう皆さん並ばれてますよ」とのこと。1回目の上映後には舞台挨拶があるというので、すでに150人が並んでいたうえに、徹夜組まで出ていたそうです。
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 「軽蔑するぜ、宮本武蔵!」「武蔵は小次郎と戦っていなかった?」がコピーのこの映画。本木雅弘、西村雅彦、田村淳(ロンドンブーツ)、吉岡美穂、金子 登、筧 利夫 出演。千葉誠治 脚本・監督。NHK大河ドラマの向こうを張った「逆説・宮本武蔵」の作品です。私は吉岡美穂さん目当てで観に行ったのですが、昨年は別冊歴史読本「孤高に生きた剣聖・宮本武蔵」とイカロス出版「宮本武蔵を歩く」の2冊の雑誌の編集を手伝ったため、武蔵に関する歴史的考証はバッチリ?(^^;

 宮本武蔵は自らの武術の集大成といえる『五輪書』の中で、佐々木小次郎との決闘について何も書き記していません。日本各地に遺された武蔵の足跡についても、本物かどうか疑わしいものばかり。佐々木小次郎については、その存在すら不明であり、現代の歴史的考証は、存在した・・・という仮定のもとに組み立てられたものです。しかし不思議なのは、武蔵がこの決闘の後、荒くれ者から哲学者へと変貌を遂げていったこと・・・。

 週刊誌は面白がって「吉岡美穂、陵辱される」と書き立てましたが、観てみれば全然そんなでもなく、真面目な映画であると感じるでしょう。監督が武蔵ファンであることは確かで、単なるパロディーに終始せず、結末を説得力あるものとしています。歴史愛好家だけでなく、この映画に興味を持った人が、武蔵について何か読んでみよう、と感じたのならより深く楽しめることでしょう。

 映画が終わって、いよいよお楽しみの舞台挨拶です。報道陣のカメラがやたらと大袈裟ですが、テレビ・新聞とも取材だけでほとんど取り上げなかったみたい。(^^;間近ではありませんが、ナマで見る吉岡美穂さんは息を呑むような美しさでした。インタビューで、「本木さんの演技に圧倒されました」と言うところを、「圧倒しました・・・」。「えっ、圧倒したんですか?」と突っ込まれて、本木さんはズッコケていました。さすが!(^^;


10月10日(金) 少し前に購入した中古レコードが2枚。『世界の古記録に見るボヘミアの狩の音楽』(日本コロムビアOS-7045)と『ボヘミアの狩猟音楽集』(日本コロムビアNCC-8030-S)。演奏はどちらもプラハ・コレギウム・ムジクム合奏団でSUPRAPHONの原盤によるものです。

 フィアラ、コジェルフ、アントン、ヴラニツキー、シュターミツ、ロゼッティ、ドゥシェク、B.D.ウェーバー、クロンマーなど、ボヘミアの作曲家による狩にちなんだ室内楽曲を演奏しています。曲によって編成はまちまちですが、木管楽器のアンサンブルとホルン・アンサンブルによる編成が多いですね。

 ホルンはもともと狩猟用のラッパから発展した楽器です。このレコードでも、すばらしいホルンの音が堪能できるのですが、プラハ・コレギウム・ムジクム合奏団という団体名だけで、ホルン奏者の名前はクレジットされていません。真の名手は名を遺さず・・・。

 チェコのホルン奏者といえばティルシャル兄弟が有名ですが、栄養失調のちりめんヴィブラートは好きになれません。このレコードのホルン奏者はノン・ヴィブラートで、しかも逞しくコクのある音色。1972年?〜76年くらいに録音されたとすれば、いったい誰が吹いていたんだろう。

 中古レコード漁りをしていると、思いがけずホルンの名手に当たることがあります。メジャー・レーベルにソロや協奏曲の録音を遺したホルン奏者は有名ですが、いちオーケストラの団員として、また音楽院の教授として生涯を終えた人は、ほとんど世間に知られていません。

 そんなホルン奏者が、生涯にわずか数枚録音したレコード。室内楽であっても、名前さえクレジットされていれば、手がかりになるのですが、残念ながら今回はそれがありませんでした。また、プラハ・コレギウム・ムジクム合奏団のレコードが見つかれば購入しようと思います。ホルン奏者の名前は出てくるかなあ?


10月9日(木) 中野ブロードウェイへ買い物に行きました。ウィンドブレーカーをゲットしたのですが、新宿よりも庶民的で買い物しやすいですね。ついでに商店街の“王将”で昼食を摂ることにしました。どこの王将も大抵はそうだけど、ここもやはり汚いお店。女の子だったら1人で入れませんね。(^^;

 このお店は初めてでした。試しに餃子と天津飯を注文したのですが、ちょっとマズったなあ・・・って感じです。具がほとんど入っていない玉子焼きに、ケチャップ味の大甘アンソース。これが本当に天津飯なんだろうか?常識を疑うなあ。(^^;アンソースの甘さは、“砂糖を大さじ3杯”ってとこでしょうか?

 こんな甘いものをご飯と一緒に食べられません。むりやり我慢して食べたけど、胸が悪くなりました。王将名駅店(名古屋)の天津飯も甘かったけど、この店はそれを超越しています。餃子の焼き具合もイマイチだったなあ。本当は皮がパリッとなるくらい焦がした方が美味しいのです。十数秒のタイミングが難しいですけどね。(^^;

 王将はチェーン店でありながら、店によって味がぜんぜん違うのです。餃子以外は価格も統一されていません。ラーメンなどは醤油味だったり、とんこつ味だったり、わけの分からない味だったりします。チャーシューの代わりに湯がいた豚肉や、クスリ臭いもやしが乗っていたこともありました。(^^;

 水道橋の王将は建物も新しく綺麗で、美味しかったのになあ。それに天津飯といえば、上飯田店(名古屋)が美味しかった。玉子焼きには、シイタケとネギとハムが入っていたと記憶します。厨房を覗きながら手順を覚えて、家で実際に作ってみたこともあります。炒飯などもけっこう勉強させてもらいました。

 中野商店街といえば、美味しそうな飲食店がずらりと並んでいるのに、マズイものでお腹を満たしてしまったやるせなさ。何でこんな店に入っちゃったんだろう・・・。“手作りハンバーグのお店”と書かれた黒板が店先に置いてあります。でも今日はもう食べられないよう。(^^;


10月8日(水) ビデオで古い映画を観ました。『夜への長い旅路』 キャサリン・ヘップバーン、ラルフ・リチャードソン、ジェイソン・ロバーズ、ディーン・ストックウェル、ジーン・バー出演、シドニー・ルメット監督作品。(1962年アメリカ)

 ユージン・オニール原作の舞台劇を映画化したもので、62年製作ですがモノクロ。アンドレ・プレヴィンが音楽を担当しているものの、冒頭に少しピアノが流れた後、劇中の音楽はほとんどナシ。最後に母親がピアノをつま弾くシーンはありますが・・・。

 次男の出産時に服用した鎮痛剤が元で、麻薬中毒になってしまった母親。家族に溺愛された次男は結核を病み、療養所行きが決まった。元役者で今は金策に明け暮れる地主、自己中心的な父親。聡明だが破滅的で皮肉屋、弟思いの長男。この家族4人の会話・・・ときに2人で、そして全員で、絡んだり罵り合いの3時間が綴られます。

 シーンはすべて屋敷の庭と室内で撮影されたもの。カット割りがなく、それぞれの台詞はおそろしく長い・・・演じる方も観ている方も疲労困憊してしまうでしょう。アメリカ映画というと、陽気で華やかなイメージを受けますが、60年代には数々の実験的名作を生んでいます。ただ、現在ではそれらを観る機会に恵まれていないだけなのです。

 穏やかな家族団欒の1日を思わせる朝、キャサリン・ヘップバーンがシミ・ソバカスだらけの顔をカメラに晒してくれます。怪訝な表情の長男。最初は言葉を選びながら家族を気遣うものの、それはだんだんと皮肉、そして罵り合いへと発展していきます。愛し合っていながらも、顔を合わせると傷つけてしまう・・・それも家族なのです。


10月7日(火) 秋ものの洋服を買おうと新宿のユニクロまで出かけたものの、イマイチ自分の欲しいものが見つかりません。ユニクロってパターン化された同じものばかり、在庫をど〜んと抱えちゃっていますね。こんなのどうでしょう?っていう提案型のショップも、すでに飽きられてしまった感があります。

 少し遠出して、本社時代に通った大井町にまで足を延ばしてみましょう。阪急百貨店にはHARD OFF(中古家電ショップ)が入ったとも聞いているし・・・。驚いたことに阪急百貨店は、HARD OFF、BOOK OFFほか、中古衣類のテナントまで入店してしまい、建物全体が質屋会館みたく変貌していました。

 ウワサには聞いていましたが、HARD OFFってひどいですね。(^^;家電(AV&パソコン)全体のうち、完動品は1/4くらいしかありません。しかも定価の半額くらいの値段が付いている。型落ちすれば新品でも4割、5割引きは当たり前のご時世なのに、骨董品でいくら儲けようというのでしょうか?

 20年前に10万円したオーディオ・アンプが中古で5万円?完動品といっても“音は出ます”くらいのもので、消耗部品の交換など考えていないでしょう。型落ちした新品(7〜8万円)のアンプを5万円で買った方がお利口さん。もっとも見ていたお客は私1人でしたけど・・・。

 ジャンク品(故障品)の在庫が、3/4を占めていたのには笑いました。パソコンの本体など、山のようにうず高く積まれています。5,000円から12,000円くらいの値段が付いていますが、リカバリーCDもナシでどうすんねん・・・重苦しい空気が漂っています。元はタダなんでしょうけどねえ。(^^;

 レーザーディスク・プレーヤーの完動品が5,000円くらいで出てないかな?と狙っていたのに、ジャンク品しかありません。しかもかなり古くて汚いもの。壊れてるのに金なんか取るなよ〜、って感じです。そういえば、ウチの近所にあったリサイクル・ショップが最近、廃業したんですよね。

 東芝ワープロ『ルポ』新品同様(実は汚い)2万円なんて張り紙があったなあ。FUJIの写真(印画紙)を引き伸ばす機械まで置いてあったと記憶します。待てよ?阪急のHARD OFFにも置いてあったような?ガラクタはこのようにして全国を行脚するのです。くわばらくわばら・・・。

 今回の大井町ツアーでの収穫は、以前、ノンフィクションの部屋に綴った、
300円カレーの店がまだ続いていたことです。経営者も代わり、380円に値上がりしてはいましたが、昔の味はそのままでした。(^^)


10月6日(月) 朝からずっと雨・・・。秋ものの洋服を買いに行こうと思っていたのに、傘をさして両手に紙袋はイヤだな、というわけで中止。洗濯もできないや・・・。ひたすらERATOレーベルのカタログを起こしていました。ERATOといえば、バッハ以前の作品ばかり。これがけっこうたいへんなのです。

 古典派以後の作品はカタログ表記が簡単なのです。“ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」”といった具合に、パッと割り切れてしまいます。バロック以前の作曲家となると、バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ニ短調BWV.1060aといったように、楽曲とその編成、調性と作品番号まで併記しなくてはなりません。

 モーツァルトの時代まで作曲家は宮廷音楽家であり、パトロンである貴族のワガママを聞きながら作曲していたのです。“ターフェルムジーク”(食卓の音楽)なんてのもあります。もちろんCDなど時代ですから、食事中のBGMは生演奏。何とも贅沢な話です。パーティーや催しが行われる度に新曲をこしらえていました。

 “機会”のために作曲された音楽ですから、フルートの名手がいればフルートの活躍する曲を。貴族の中には自分で楽器を演奏する人もいました。ただ、あくまで趣味の問題ですから、上手かったかどうかは分かりません。たとえ下手くそでも、「ブラボーすばらしい・・・」と、手を叩かなければならなかったでしょう。

 そんな高級BGM作曲家の中でも、特にすぐれた音楽家の作品だけが、現在も演奏され、愛聴され続けているわけです。バッハがもし現代に生きていたら、教会の音楽家にはならなかったでしょう。彼は対位法の理論を自分で組み立て、後の誰も追い付けないほど、高い次元で完成させてしまったのです。

 「オレは仏教徒なのに、バッハのマタイ受難曲を聴くと涙が出る、何でやねん!」と語った人がいました。今も昔も、作曲家でメシなど食えるはずがありません。バッハは安定した就職口として、教会を選んだにすぎないのです。つまり恵まれた環境の中で自分の腕を振るったというわけで・・・。

 ソ連の監視体制に逆らいながら、名曲を遺したショスタコーヴィチ。文化省の重役としてショスタコーヴィチをこきおろしたフレンニコフなどは、後に国営放送のアーカイヴを持ち出して逃げた大悪党ですが、体制に順応しながら作曲を続けたハチャトゥリアンなどは優れた音楽家ですし、思想と音楽は必ずしも一致しないのです。


10月5日(日) ビデオで古い映画を観ました。タイトルだけは魅力的なのですが。(^^; 『インカ王国の秘宝』 チャールトン・ヘストン、ニコール・モーレイ主演、ジェリー・ホッパー監督作品。(1954年アメリカ)

 なるほど、『インディ・ジョーンズ』のルーツはここにありといった感じで、帽子こそ被っていないけれど、ハリソン・フォードのスタイルは、チャールトン・ヘストン演じる主人公とほとんど同じ。トレジャーハンターという題材も同じですが、こちらは何とも不出来な映画であることか・・・。(以下ネタバレあり、要注意!)

 ペルーのクスコで観光ガイドをしているハリーは、インカの黄金の日輪を紹介しながら、実はもっと大きな100万ドルの黄金の日輪が見つかっていないと説明します。400年前に文明が滅んだのは、その日輪がなくなったためで、見つかればインカ民族の再興がなると信じられていました。その秘宝をわがものにしようと、密かに計画を暖めていたハリーですが、日輪を狙うもう1人の男、モーガンに付け狙われることになります。

 そんなハリーを訪ねてきた若い女、イレーナはルーマニアからの亡命者。アメリカへの移住を希望するも、旅券など入手できるはずもなく、便利屋のハリーを紹介されたというわけです。ハリーはいったん協力を断わりましたが、当局に連絡してイレーナを迎えに来させ、セスナを奪って逃亡を図ったのです。そして当面メキシコに向かうと言いながら、途中の草原に着陸しました。空港は監視されているから陸路を行くとうそぶき、インカの遺跡のあるマチュピチュに向かったのです。

 森で野営しながらイレーナは、まだ見ぬアメリカについてハリーに訊ねます。アメリカのことは何でも知っていると語るハリー。いつしか2人は恋に落ちますが、大きな野心を抱いているハリーにイレーナは不安を覚えます。マチュピチュに到着するとそこには、すでにインカ民族と協力して発掘調査を進めているモーヘッド博士の隊がありました。2人を暖かく迎え、イレーナが森で負った傷を手当する博士。荒々しいハリーとは正反対、温和で優しい博士にイレーナは惹かれてしまいます。

 博士がマンクの墓を発掘、その報せを聞いてインカ民族が集まってきます。黄金の日輪を狙うモーガンも現れました。モーガンはハリーの動きを読み、はるばるクスコからやってきたのです。「お前は俺の若い頃にそっくりだ!」モーガンは銃でハリーを脅し、彼が隠し持っていた遺跡のかけらを取り上げました。ところが調査の結果、見つかった日輪は石製。インカの民は落胆し、ハリーはそれを通訳してモーガンに伝えます。

 博士はイレーナに結婚を申し込みます。イレーナはこの3年間、踊り子をしていたこと。東欧から亡命して渡米を図ったが、協力者を雇うこともできなかったと告白。それでも博士の気持ちは変わりませんでした。2人の男の間で揺れるイレーナは、ハリーに、もし黄金の日輪が見つかっていたら盗むつもりだったのかと訊ねます。「禁煙もしようとしたが、だめだった。性格は直らないさ・・・」

 ハリーは1人で墓に入り、石の日輪にはめ込まれた水晶板に、懐中電灯の光を当ててみました。光が照らす窪みに凹面鏡をはめ込むと、また新たな場所を照らします。石のブロックを外すと、そこには黄金の日輪が隠されていたのです。しかし喜びもつかの間、ハリーはモーガンに後を付けられていました。モーガンは銃を突き付けて黄金の日輪を奪取。騒ぎを聞いて駆けつけたインカの指導者を撃ち、必死の逃亡を図ります。

 インカの民衆が総出で追跡に当たりましたが、ハリーはモーガンの道を予想して先回りします。モーガンは高度のために山道で息を切らせてしまい、齢を取った今、自分はこれまでだと観念。しかし、日輪を取り上げようとするハリーに抵抗したはずみで崖から転落してしまいました。

 ハリーは黄金の日輪を持ち帰り、インカ民族の指導者に返しました。イレーナもそれを見て安堵します。ハリーは、モーガンがセスナにガソリンを補給してくれたと博士に説明し、2人はマチュピチュの遺跡を後にしたのです。

※文章で表すとストーリーはそれなりですが、謎解きなし、活劇もなし、熱しやすく冷めやすい不思議な女、という何とも説明不足なこの映画。大した困難もなく、次のシーンへとすっ飛ばしていくあたり、う〜んB級・・・という感じは否めません。それでも現地で大掛かりなロケーションを展開、スクリーンいっぱいに広がる大自然の美しさ。現実の人間の体験する冒険なんて、こんなものなのかなあ、と思わせてしまうところが不思議。これを奇想天外に膨らませたものが、『インディ・ジョーンズ』なのですね。B級映画なんだけど、ぼへ〜と最後まで観てしまいました。(^^;


10月4日(土) 発泡酒はイケているか?という素朴な疑問に、ここ5日ほど取り組んでみました。専門家ではないので、近所のコンビニに置いてある6品目だけを対象とします。実売価格はすべて¥200(500CC)です。

A.アサヒ本生(赤ラベル)
原材料:麦芽、ホップ、大麦エキス、スターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※味は濃厚。トロリとした飲み口、粘りがあって、お腹が膨れます。飲んだぞ〜!という充実感を味わいたい人にはおすすめ。私は少々くどさを感じてしまいますが。

B.アサヒ本生アクアブルー 海藻エキス使用 糖質50%オフ
原材料:麦芽、ホップ、大麦エキス、スターチ、糖類、海藻エキス
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.0%
※Aの赤ラベルと似ています。味は濃厚ですが糖質をカットした分、海藻エキスで粘りを補った感じがします。赤ラベルより少し飲みやすくなっています。

C.サントリー楽膳 麦芽根使用 おなかにたまらない発泡酒
原材料:麦芽、ホップ、大麦、糖化スターチ、麦芽根
麦芽使用率25%未満 アルコール分4.5%
※私はこれがいちばん気に入りました。さっぱりして非常に飲みやすい。モルツに似せて甘口に作られているような気がします。料理と一緒に飲んでも、味を損ねることがありません。

D.サントリー・ダイエット(生) カロリー50%カット
原材料:麦芽、ホップ、大麦、糖化スターチ、酸味料、クエン酸K、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、苦味料
麦芽使用率25%未満 アルコール分3.5%
※同じサントリーでもCの楽膳とはぜんぜん違います。ビールの味から切り離された発泡酒。合成甘味料のせいでしょうか、サイダーを飲んでいるような気分です。アルコール入り清涼飲料水。

E.キリン端麗(生)
原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーン・スターチ、糖類
麦芽使用率25%未満 アルコール分5.5%
※やはりキリン(ラガー)の味がベースになっているな、という印象です。辛口で苦味も強い。昔からの日本人が好んだ味といえば納得できるでしょう。ちなみにキリン党は、他のビールを飲むと、すべて水っぽく感じてしまうのだそうです。

F.キリン端麗(生)グリーンラベル 糖質70%オフ
原材料:麦芽、ホップ、大麦、糖類、酵母エキス
麦芽使用率25%未満 アルコール分4.5%
※Eの端麗(生)に近いけれど、苦味が押さえられていて飲みやすいです。少し甘口に仕上げた感じがします。私としては、Cのサントリー楽膳に次ぐ飲みやすさだと感じました。

 とある大型スーパー(系列店)の7月度の売り上げを見てみると、@アサヒ本生アクアブルー、Aサントリー楽膳、Bキリン端麗(生)グリーンラベル、Cキリン端麗(生)となっています。実際にはこれ以外のブランドも含まれていましたので、あくまで参考程度ということで。

 傾向としては、スーパードライでブームとなったアサヒの支持者が多いかな?というのと、ビールの苦手な人にも飲みやすい発泡酒。料理によく合うまろやかな味が好まれるようになってきたこと。昔からのキリン党も、少し好みが変わってきたのかな、という印象を受けます。

 私はまとめ買いをしないので、コンビニへ弁当を買いに行くついでに、1本ずつ買ってくるのですが、気がついたらサントリー楽膳をいちばん多く買っていました。今回レポートのために、ふだん飲まない銘柄も試してみたのですが、やはり好みに合わないものを飲むのは辛かったです。(^^;


10月3日(金) 映画サービスデー観た3本の映画のうち、最後の作品を紹介します。(^^)

 『英雄 -HERO-』 ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー、ドニー・イェン、チェン・ダオミン主演、チャン・イーモウ監督作品。(2002年中国)
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 後に始皇帝となる秦国の王(チェン・ダオミン)のもとに、1人の剣士が召し出されました。無名(ウーミン)と名乗るその男(ジェット・リー)は、秦王をつけ狙う最強の暗殺者3名を倒した功績により、謁見を許されたのです。秦王に対し、どのようにして暗殺者を倒したのかを語る無名。しかし秦王は言います、「お前は嘘をついている。あの3人が簡単に倒されるはずがない!」と。その言葉を聞いた無名は、顔色一つ変えず、これまでと全く異なる物語を静かに語り始めるのでした。

 予告編で観たのは、何万本もの矢が無名めがけて雨のように降ってくるシーン。もちろんCGですが、私はすでに違和感を感じていました。実際、こんな風に矢を一斉に射掛けたら、矢は空中でぶつかり合って、おそらく目標に到達する前に、8割は地面に落ちてしまうのではなかろうかと。射撃の名手が少数で射掛けた方が、はるかに殺傷率は高いのでは?

 そしてストーリーの大半がワイヤー・アクションとCGを合成したバトル・シーンで埋められています。その美術・色彩たるや絢爛豪華なもので、ため息が出るほど美しいのですが、同じようなシーンが連続すると食傷気味となってしまいます。最初は秦王を暗殺するつもりだった刺客が、やがて天下という大義に目覚めていくのですが、それを広大なロマンと結び付けるには無理があるのではないかと。

 知らない人が観たら「へー!」、知っている人が観たら「はー?」。中国の故事に基づくストーリーということなら、横山光輝の『三国志』を読んだ方が数倍面白い、と教えてあげたいです。チャン・イーモウ監督といえば、紫禁城を舞台にしたプッチーニの歌劇『トゥーランドット』がありました。この映画もやはり紫禁城を舞台としていますが、全景を大画面で映し出すと、鉄塔やらアンテナやらがちょこっと見えてしまうのはご愛嬌。

 一般には、かなり高い評価を受けた作品ですが、イマイチ楽しめなかったのは私がヘソ曲がりのせいでしょうか?全世界的な傾向としてみられる東洋趣味、しかもファッショナブルに脚色されたもの。この秋、ハリウッド版サムライ映画も数本登場するようですが、いったい何をやってんだか・・・という感じです。アメリカ人の多くは、日本が地図のどこにあるのか分かっていません。アジアのどこか?くらいの認識なのですよ。(^^;


10月2日(木) 映画サービスデーに観た3本の映画のうち、2本目を紹介します。(^^)

 『パイレーツ・オブ・カリビアン』(PIRATES OF THE CARIBBEAN)オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジョニー・デップ主演、ゴア・ヴァービンスキー監督作品。(2003年アメリカ)
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 海賊に焼き払われた船から1人生き残った少年ウィル・ターナー。彼を発見し、介抱した少女エリザベスは、彼がドクロのペンダントを持っていたことから、海賊の容疑がかかることを恐れ、密かにそれを隠し持つことに・・・。8年後、エリザベスは美しく成長し、ウィルは鍛冶屋として働きながら、身分違いのエリザベスを密かに思い続けていました。そして2人の住む港町に、1人の奇矯な男が降り立ちます。

 その男・・・ジャック・スパロウは、元・海賊船ブラックパール号の船長。10年前、仲間に裏切られて無人島に置き去りにされたのです。奇蹟的に島を脱出した彼は、バルボッサへの復讐と船を取り戻すことを誓ったのですが、海に落ちたエリザベスの命を救ったことから海賊であることがばれ、投獄されてしまいます。奇しくもその晩、町を襲った海賊バルボッサ一味は、ドクロのペンダントを持っていたエリザベスを略奪、海賊船とともに姿をくらましてしまいます。

 エリザベス救出をスワン総督に懇願するウィルですが、「身のほどをわきまえろ!」と一喝されてしまいます。「海賊のことなら海賊がいちばんよく知っているはず・・・」ウィルは独房に繋がれたジャックを逃がし、2人で軍船を奪取して逃亡。エリザベスの救出とバルボッサへの復讐をかけての冒険が始まったのです。そしてペンダントの持ち主であったウィルの秘密も明かされることに・・・。

 “呪われた海賊たち”・・・夏休み向けの映画だったのに、何だかちょっと古臭いコンセプトで食わず嫌いしておりました。ところが観てみると、荒唐無稽な発想ではあるけれど、きちんと筋書きが組み立てられており、活劇あり、笑いあり、恋愛ありとサービス満点の映画でした。

 『ロード・オブ・ザ・リング』で金髪ロングの妖精、レゴラスを演じたオーランド・ブルームが、主役ウィル・ターナーを演じています。かっこいいけれど、まだまだ青二才。それと対称的なのが、海千山千を乗り越えてきた海賊船長ジャック・スパロウ。性格俳優ジョニー・デップは、空想世界と現実世界を繋ぐ渡し役として、マリオネットのようなキャラクターを演じています。

 そして令嬢エリザベスを演じるキーラ・ナイトレイですが、実はものすごいおてんば娘。物語が進むにしたがって、どんどん化けの皮?が剥がれていくのが爆笑です。終盤ではバルボッサに捕まったウィルを救出しようと、1人でボートを漕ぎ出す有様。愛はかくのごとく女を逞しくするのか?

 後で気がついたことなのですがこの映画、ディズニー・ピクチャーズの製作だったのですね。親子で楽しめるエンターテインメントとして、練りに練られた脚本だったわけです。ところがディズニー史上初の“PG-13”(13歳以下の子供は保護者と一緒に見ることが望ましい)指定を受けてしまいました。

 そういえばチケット売場には親切にも、“中1以下¥1000”と書かれていました。なぜ“PG-13”なのか?この理由の分かる人はねも艦長と同類ですね。いえいえ、深い意味はありませんが・・・。(^^;もうひとつ、エンドタイトルの後で“オマケ”が用意されているので、最後まで席を立たないほうがいいですよ。


10月1日(水) 毎月1日は映画サービスデー!通常¥1,800のところを¥1,000で観れちゃうのです。徹夜明けなのに眠い目をこすって新宿へ。映画3本をハシゴしてきました。クレージー?いえいえ、映画好きなら何でもないことですよ。(^^;

 『トゥームレイダー2』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『英雄(HERO)』の3本を観てきましたが、これを全部書こうとするとものすごい文字量になってしまうので、1日1作品のペースで解説していこうと思います。目が真っ赤になりました。(^^;

 『トゥームレイダー2』(LARA CROFT TOMBRAIDER:THE CRADLE OF LIFE)アンジェリーナ・ジョリー主演、ヤン・デ・ボン監督作品。(2003年アメリカ)
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 ギリシアのサントリーニ島を襲った大地震により、2300年ぶりに、アレクサンダー大王が世界中の財宝を納めたという月の神殿が海底に姿を現わしました。トレジャーハンター、ララ・クロフトは、大王の像の胸に埋め込まれたメダリオンと、鉄の檻に収められた珠(たま)を手に入れるも、科学者ジョナサン・ライスの手下に仲間を殺され、メダリオンと珠を奪われてしまいます。

 生物兵器製造の第一人者であるライス博士は、珠が示す地図を元にパンドラの箱・・・「生命のゆりかご」を手に入れようと狙っているのです。エジプトのファラオ軍とアレクサンダー大王の軍を滅ぼし、やがて人類を滅亡に導くといわれるパンドラの箱。ララはMI‐6を介して女王陛下より、「箱を見つけて封印せよ」という指令を受け、かつての恋人テリーとともに、メダリオンと珠の後を追いかけます。人類の未来を救うために・・・。

 スピード感溢れる映像が途切れることなく流れていて、観る者に爽快感を与えてくれますね。ララ・クロフトという役は、もはやアンジェリーナ・ジョリー以外には考えられないキャラクターとなりました。楽しい映画ではあったけれど、私が少し不満なのは、人間が描けてないなあ、と思ってしまうことです。

 前作はサイモン・ウェスト監督でした。第1作目ということもあって、主人公ララの優雅な生活と、トレジャーハンターになったいきさつ。失踪中の父親から託された秘宝の鍵などが登場。女性版インディ・ジョーンズという感じもしますが、彼女の心の痛みも描かれており、どことなくメルヘンを漂わせるものがありました。

 今回の作品は、ぐっと視点が現実に近づいており、よりパワフルではありますが、何だか欲望のおもむくままに生きているようにも受け取れます。かつての恋人といわれる男も、うさん臭い雰囲気がぷんぷん。ヤバイ男に惹かれるなんて、しょせんその程度の女?そしてお約束どおり、裏切りのエンディング。

 パンドラの箱に入っていたものは何?少しだけ蓋をずらしてみると、強い輝きが隙間から漏れてきます。おそるおそる蓋をして元の通り、濃硫酸の泉に沈めてしまう・・・。深い意味があってもよさそうなのに、何事もなく通り過ぎてしまいます。脚本の詰めが甘いですね。アクション主体で統一されてしまった第2作。シリーズ第3作目の躍進に期待しましょう。


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