予算・財政監督の法構造

 

 目次

 はじめに

第1編 我が国予算制度の研究

 第1章 予算の概念とその限界

一 予算の概念

(一) 予算概念の厳密な決定の必要性について

(二) 従来の学説とその問題点

(三) 予算の定義ーー私見

二 法規範性の内容

三 予算と法律の不一致

四 予算の審議

(一)予算の提出

(二)予算修正の限界

五 予算の機能と予算原則

 

 第2章  予算における支出授権と契約授権機能

一 予算の法規範性解明のための道具としての用語の提案

二 福祉国家と予算における契約授権の重要性

(一) 契約授権機能の必要性

(二) 契約授権の福祉国家における重要性

三 抽象的授権と具体的授権の相違

(一) 二重立法概念と予算の関係

(二) 具体的授権の予算による独占

四 わが国における契約授権の沿革

(一) 明治憲法制定の前後

(二) 現行憲法制定前後

五 欧米における支出授権と契約授権についての考え方

(一) 英国

(二) 米国

(三) フランス

(四) ドイツ

(五) まとめ

おわりに

 

 第3章  現行予算制度における契約授権の検討

はじめに

一 財政法における契約授権規定について

二 歳出予算における契約授権の特徴

(一) 歳出予算に基づく契約授権と二重契約の存在について

(二) 長期継続契約の例外

(三) 予算不成立の場合における行政活動の法的評価

三 歳出予算の繰越

(一) 繰越明許費

(二) 事故繰越

四 継続費

(一) 継続費の支出授権としての理解に対する疑問

(二) 継続費の合憲性について

(三) 継続費の後年度における審議について

五 国庫債務負担行為

(一) 国庫債務負担行為の契約授権としての特徴

(二) 国庫債務負担行為等に対応する歳出予算と契約授権の二重計上問題

六 歳入予算における契約授権の特徴

おわりに

 

 第4章 わが国財政構造はいかにあるべきかー財政構造改革法の批判的検討

はじめに

一 わが国財政状況と財政構造改革への取り組み

二 財政構造改革法の概要

三 わが国憲法の要求する財政構造

(一) 契約授権を通じた財政改革の必要性

(二) 特別会計及び政府関係機関

(三) 見直し措置の具体的手段

(四) 当初予算と補正予算

おわりに

 

第2編 わが国財政監督制度の研究

 第1章 会計検査の歴史と現行会計検査院の権限

はじめに

一 わが国財政監督の歴史

(一) 徳川時代

(二) 明治初期

(三) 会計検査院の誕生

(四) 明治憲法下の会計検査院

二 現行会計検査院の権限

(一) 技術性

(二) 特定性

(三) 後行性

(四) 非強行性

(五) 検査対象機関及び検査受忍機関の特定

 

 第2章 検査の観点概念の再構成

問題の所在

一 合規性概念の再構成

(一) 諸外国における合法性検査

(二) わが国における合規性検査概念の発達

(三) 予算原則の変化と決算への影響

(四) 合規性概念の再構成

  1 統制可能性

  2 公平性

(五) 三E

(六) 正確性の概念

  1 数額的正確性

  2 物的正確性

(七) 検査の観点の再構成

二 予算原理と三E検査

(一) 三E検査の定義と問題

(二) 予算における計画機能と三E概念

おわりに

 

 第3章 特記事項の意義と性格

問題の所在

一 従来型の検査報告と特記事項

二 現実の特記事項に見られる二つの類型

三 会計検査院の憲法上の地位と特記事項

四 特記事項の近時における数の減少について

五 特定検査対象に対する検査状況

 

 第4章 横断検査

一 横断検査の意義

二 横断検査の必要性

三 横断検査の実施方法

(一) 静的横断検査手法

(二) 動的横断検査手法

四 まとめ

 

 第5章 会計事務職員の弁償責任制度の問題点

問題の所在 

一 弁償責任の母法系

二 わが国弁償責任の沿革

三 弁償責任と不法行為責任の競合関係について

(一) 法条競合説について

(二) 非競合説について

(三) 請求権競合説について

四 請求権競合説の具体的な効果

(一) 時効制度

(二) 損害賠償の内容

(三) 過失の水準

おわりに

 

 第6章 現行地方自治法における地方監査制度の問題点

はじめに

一 基本的な問題点

二 外部監査の問題点

(一) 総論

(二) 三E監査の担い手として

(三) 合法規制監査の担い手として

三 地方監査委員制度の問題点

(一) 監査委員とクリーンハンド原則

(二) 監査委員事務局の必要性

(三) 監査委員事務局とクリーンハンド原則

(四) 地方議会との関係

 

第3編 ドイツの財政監督関連法

 第1章 ドイツにおける連邦レベルの財政監督制度

はじめに

一 ドイツ連邦会計検査院の概要

(一) 連邦会計検査院の権力分立制度上の地位

(二) 連邦会計検査院の沿革

(三) 組織及び職員数

二 合議制

(一) ドイツ合議制の現状

(二) 合議制の起源についての考察

三 院長の地位と権限

(一) 院長人事を巡る憲法機関間の紛争

(二) 院長の会計検査院法上の権限

(三) 連邦委員制度について

おわりに

 

 第2章 バイエルン州の財政と財政監督制度

はじめに

一 バイエルン州概観

二 バイエルン財政監督の歴史

(一) 中世の財政監督

(二) 会計検査院の誕生ー王国時代の会計検査院

(三) ワイマール共和国時代の会計検査院

(四) 第二次大戦後の会計検査院

三 連邦主義と州及び地方自治体の財政

四 バイエルン会計検査院の組織

(一) 概要

(二) 院長その他の検査官の任命

(三) 検査官

(四) 意思決定機関

(五) 職員

五 検査権限とその実際

六 検査報告及び勧告

おわりに

 

 第3章 旧東ドイツ地域における財政監督制度

ーブランデンブルク州会計検査院を例にして

はじめに

一 ブランデンブルク州の概要

(一) そのプロフィール

(二) その経済と財政の状況

二 旧東ドイツの財政監督制度

三 ブランデンブルク会計検査院の建設

(一) 基礎の建設

(二) バイエルン型支局検査法式の採用

(三) 州会計検査院の誕生

(四) 地方自治体財政監督権の授与

四 州会計検査院の組織

(一) 職員構成

(二) 院長、副院長その他の検査官の任命

(三) 検査官会議

(四) 事務分掌(院法八条)と検査計画(業務規則4条)

(五) 地位と権限

(六) 支局(院法15条)

五 州会計検査院の権限

(一) 州の財政監督

(二) 地方自治体の財政監督

おわりに

 

 第4章 ドイツ地方自治制度の概要

はじめに

一 ドイツの地方自治制度

(一) ドイツ基本法における地方自治制度の保障

(二) 各州における地方制度の概況

(三) 地方自治制度の歴史

二 今日におけるドイツ地方自治制度

(一) バイエル州の地方自治制度の歴史

(二) バイエルン現行地方自治制度

 

 第5章 ドイツ地方自治体における財政権と財政監督権

一 地方自治体の財政権

二 地方自治体の財政監督

(一) 地方自治体財政監督の分類

(二) 市町村における地域検査

(三) 郡及び県における地域検査

(四) 広域検査

 

 第6章 バイエルン州の地方自治体財政監督制度

はじめに

一 ミュンヘン市監査局

二 バイエルン州地方自治体検査組合

(一) バイエルン州地方自治体検査組合の歴史

(二) 検査組合の権限

(三) 検査組合の組織

(四) 検査活動の内容

(五) 検査の実施方法

(六) 検査報告のその後の取り扱い

(七) 決算検査

(八) 勧告活動

三 広域検査機関としての郡会計検査事務所

(一) その基本的意義

(二) 郡会計検査事務所の権限と地位

(三) 調査官

 

 あとがき

 文献一覧

 事項索引