4月30日(月) ナホトカ−ナホトカ  94.6km
 いよいよロシア上陸である。
AM9:00(ロシア極東時間 JST2h)頃、ナホトカ港に着岸。入国審査の後、上陸を果たす。
 
ロシア側の船内チェックを待つ間、港にてナホトカ市による歓迎セレモニーが開催される。その後はまったりとした時間を過ごすことになるが、この間に日本円をルーブルに換金するのが通年の事である。しかし今年は両替所が工事中と言うことで、ナホトカ港では換金ができず、代表者がとりまとめのうえ、換金しに行くことになる。今年のコースから考えて、ルーブルを使う機会はなさそうだなと思われたが、2,000円を換金することにする。「800ルーブル」になったので、今年は「1ルーブル=2.5円」であった。
 
ナホトカ港には、日本の中古車が陸揚げされているが、その中に、どう見ても暴走族仕様のバイクがあった。新潟県警払い下げの品か?という憶測も飛び交う。
 
 昼食後にナホトカ港を出発し、スタート地点である船員会館に向かう。相変わらず観衆の数が凄い。
 
 船員会館前でのセレモニーの後、いよいよ「ロシアンラリー’2001」のスタートである。いつもなら2輪からのスタートの筈なのだが、今年は4輪からのスタートとなった。それもトップスタートは昨日船上結婚式を挙げた#109,戸田夫妻号である。主催者側の計らいで、その車の後ろには、空き缶がいくつもぶら下げられていた。21世紀最初のスタートを飾りたい所であったが、まあこういう事情なので仕方はないところ。
 
 それでも3時過ぎにスタート。2輪ではトップスタートである。
 15kmほど舗装路を進んだ後、ダートに入る。体慣らしもあり、のんびり走る。しばらく行くと、道がぬたくりはじめた。スタックしている4輪もいた。見ると、#1,BMWを駆る小杉氏もスタックしていた。その救出を手伝い、さて再スタートするかと思っているところに、バイクの群が現れた。集団に巻き込まれると自分のペースが乱されるので、やり過ごしてから再スタートする。順位はかなり下がってしまったが、そんなことを気にしても仕方なく、自分なりにロシアンラリーを楽しめれば良いので、全く気にもならない。
 のんびり走っていると、コース脇で二輪の日本人エントラント,ロシア人エントラントがワイワイやっている所に出くわす。何やっているのかなと近づいて見ると、そこで事故が発生していた。昨年からの連続参加である、#34,前田さんが大転倒して倒れていた。医学の素人目に見ても左手が大変な状態になっていることが伺い知れた。後で聞いたところでは両腕骨折だったようである。医学的には全くの無知であり、何もできない所であるが、メディカルスタッフが到着するまでその場に止まる。「ロシアンラリー」の怖さをかいま見た。
 
 メディカルスタッフの到着を見て、先に進む事にする。この先は「川渡り」の多いセクションとなる。川渡りで立ち往生しているバイクエントラントを助けた後、川渡りにトライするが、あえなく転倒してしまう。しかし長年の経験から、倒れる直前にキルスイッチを切り、転倒後即引き起こすことにより、水没/水抜きの状況は免れることができた。
 
ここで豆知識。川渡りで川底の石等に躓き、転倒を余儀なくされたときには、なるべくキルスイッチの反対側に転かすようにしましょう。水没した際に、エンジンがかかりっ放しになっていると、エンジンが水を吸い込み、再始動までに非常な時間を費やすことになります。川渡りで「しまったッ!」と言う状況になった際、まずエンジンを切ることが鉄則であり、その際キルスイッチの反対側に転べば、スイッチに指が届きやすくなります。逆にキルスイッチのある方向に倒れていくと、指が離れていく方向になるので、結構難しくなります。まあ、なかなか思うようにいく話でもありませんが・・・。
 
しかし本日、水没するバイクエントラントが多く、計4台の水没からの復旧作業に立ち会う。全て復旧/再始動可能となり、今さらながら「バイクって動くもんやな・・・」と言う妙な関心をする。
 
CP1を過ぎるとヌタ場,轍だらけの所を過ぎて、フラットダートになる。しかしコマ図によるナビゲーションが難しくなる。この頃には、コマ図作成者である西巻さんと一緒になっていたので、怪しげな十字路で「ここどっち行ったらいいんですかね?」と言う質問をしてみる。西巻さんも「よく分からないけど、多分こっちだヨ・・・どっちにしてもあの山を沿うように走れば走っていれば問題無いよ・・・」と言うアバウトな返事。しかし‘不良リピータ’としてはこれはわかっていたところ。意地悪い質問してすいませんでした。
 
その後はオンコースを走り、途中コース上で牛の群とにらめっこしたり、ミスコース部隊と遭遇したりしながらCP2に到着する。この頃、既に日は没しつつあり、この季節、日が没すると一気に寒くなる事を知っているので、ゴールを目指す。ゴールからはリエゾンでナホトカ港に戻るが、この頃には日は没してしまい、寒くて仕方がない。でもバイク整備を怠るわけにはいかないので、船室にあったウォッカを数杯引っかけてバイク整備に向かう。ウォッカの勢いで体が温まり、整備も快調に進んだ。少々いい加減なところはあるが、これも‘ロシア流’と勝手に思いこむ。