5月1日(火) ナホトカ−ウスリスク 342.4km
昨夜、小雨が降り出したと言う話だったので、今日は悪天候かなと思っていたが、晴れこそはしていない物の、まずまずの天気であった。しかし寒い。
今日も昨日と同じく船員会館前がスタートであったが、昨日ほどの観客はおらずやや閑散としていた。
今日のスタートは2輪からであったので、トップスタートであった。
舗装路を離れ、村を過ぎた直後、川渡りになった。ぱっと見たところ、水が澄んでいて川底がはっきり見えていたので、そんなに深くないだろうと真ん中を突っ切ったところ、意外とこれが深く、慌てふためいてしまう。転倒したら水没して一環の終わりとヒヤヒヤしながらも何とか無事に渡りきる。
渡り終わった後、ここは深いということを後続に伝えねばと思い、その場で待っていると、#12,藤田さんが現れる。「ここは深いヨ〜!」と注意したつもりだったが、相手は「ここ行けるヨ〜!」と言っている物と勘違いしたらしく、私と同じルートで渡りはじめた。が、転倒し水没してしまった。水深が深かったため、バイク全体が水面下に没する大水没になってしまった。実はここ、やや川下の方を回り込めば結構浅い所があり、地元の車(カローラ)は心得た物で、そこを何の問題もなく走り抜けていった。何やってるの?というような目で見られてしまった。
さて藤田さんの水没は相当ひどく、復旧に手間取る。かなり水を吸い込んだようで、プラグを抜いて、数人掛かりでバイクを逆さにまでして水抜き作業を行う。その甲斐あって、キックを踏むと、「ボボボ・・・ッ」と言う音が出るところまで来るが、エンジンが息を吹き返すところまでは行かない。そうこうしていると、最後尾を走るオフィシャルと動けなくなったバイクを収容するためのロシアのトラック‘ガス’が追いついてくる。ここで妙案が生まれる。オフィシャルの車を使って、「押し掛け」ならぬ「引き掛け」をやってみようと言うことになり実行する。トライすること数回、見事バイクは息を吹き返した。一同拍手であった。
遅れを取り戻すべく走り出すが、見れ ば私を含め、強者のリピータばかりになっていた。自然ペースは上がらずのんびりムード。時間も昼飯時になっていたので、広場を見つけて昼食タイムとなる。するとそこへオフィシャルの車が通りかかり、一言。
『この辺り、2週間前のレッキ(コース確認)の時、トラ(ウスリタイガー)の足跡が見つかった所やから、気いつけや〜』
一同少々ヒヤ〜とする。
昼食後、また走り出す。林道ツーリングを楽しむ。
すると、沢登りのコースに出くわし、慎重に登っていく。その途中、大きな石が顔を出しており、これに乗り上げると危ないな〜と思いつつ、吸い寄せられかのようにそちらに行ってしまい、結局そこに乗り上げ転倒してしまう。なぜか観衆も多く、爆笑を誘ってしまう。我が事ながら、自分も爆笑してしまった。
ちょっとのんびりしすぎ、CP1のクローズタイムが迫ってきていることに気づく。ちょっとペースを上げるかと走る。その途中バイクの一団に追いついたので、それに従って走る。すると、前を走る#29,鈴木さんが川渡りで転倒、水没するところを目の当たりにする。ここで止まると、CP1のクローズタイムに間に合わなくなる事はわかっていたが、放っておくわけにも行かず、水向き作業に立ち会う。まあ‘不良リピーター’としては、タイムアウトしても何か面白いことがあるだろうと気楽でもあった。
さて、復旧作業も目処がついたのでまた走り出す。ダートを抜け、舗装路を数km行ったところにCP1はあった。この日のCP1のクローズタイムは14:00。私がCP1に到着したのは14:45。大幅な時間オーバーであった。が、オフィシャルの石井さんが「この先、走りますか?」と聞いて来た。勿論行きます、と言ったところ、CP1到着時間を「14:00」としてくれた。石井さん有り難う。
CP1の後は舗装路とフラットダートの繰り返しで、のんびりと快走する。そしてCP2に到着する。ここでの指示は、「この先ゴールのウスリスクまでは、警察の誘導に従って走ってください。」と言う物。警察の誘導があると言うことは、ゴールまではそんなに距離は無いのかなと思ったが、走り出すと、確かに警察の誘導はある物の、行けども行けどもゴールのウスリスクには行き着かない。段々不安になりつつも走り、何とか本日のゴールであるウスリスクに到着する。結局CP2から100kmほども走っていた。
ウスリスクでの宿はホテル泊であった。長年ロシアンラリーに参加しているが、ホテル泊ははじめてのことである。部屋番号は509号室。松村さんとの二人部屋であった。
夜、509号室はリピータの宴会場となった。酒を飲みつつワイワイやりながらロシアンラリー二日目は暮れる。
聞いた話では、本日も大事故があったらしい。#27,舟木さんが転倒し、背骨を圧迫骨折したらしい。初日,二日目と大事故の続く今年のロシアンラリーである。
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