5月2日(水) ウスリスク−スラビアンカ  476.6km
 今日は500km近くを走る大移動日。
 
 スタート地点にて、歓迎セレモニーを待つ。それにしても寒い。聞いたところでは気温は「3℃」とのこと。曇り空でもあり、今日はどんな1日になるのかと正直ビビる。
 
 「ロシア時間」のため、歓迎セレモニーはなかなか始まらない。なので先にブリーフィングが始まる。その終わり頃、壇上にダンスチームのリーダと思われるおばちゃんが上がって来、「責任者は誰だッ! いつまで待たせるんだッ!!」(当然ロシア語)と怒りはじめる。その後の歓迎セレモニーはこのおばちゃん主導で行われる。一同この光景に爆笑。
 
 町を抜け、道がダートになる頃天候が回復し、お天道様が顔を出す。それに連れて気温も上昇し、ツーリング日和になる。アップダウンのあるストレートなフラットダートがあり、絶好の写真ポイントだったので、バイクを止めて写真を撮る。
 
 ある村を抜けた頃、桃色の花を付けた樹木が目立つようになる。どうやら‘桜’の一種のようだ。小降りの木々ではあったが、満開状態であり見応えはあった。ロシアでも花見はできるようだ。
 
フラットダートを離れ、朝のブリーフィングの際に、レッキの際に道が無くなってしまっていたのでコース変更と言われた辺りからコースを見失う。前車のタイヤ痕を頼りにしばし走る。
 
 
しばらく行くと、#109,戸田@新婚号が立ち往生していた。右前輪のパンク修理中であった。絶好の光景であり、バシバシ写真を撮る。が、気が付けばそこは中国との国境地帯であった。危ない地帯だからなるべく止まらず、写真も撮るなと言われていた場所であった。国境と言っても背の低い鉄条網があるだけであった。
 
CP1を抜け、草原地帯を走行する。広大な雰囲気の中をのんびり走る。
 
 
のんびり走っていたのは風景のためもあるが、路面に轍がいくつも刻まれていたので危なかったと言うこともある。途中、PRESSの東さんや、#31,松村さんと休んでいると、#32,Africa Twinを駆る河西さんが猛然と走り過ぎていく。この轍だらけの道であれだけスピード出していると危ないのにな〜と思っていると、先のところで轍にタイヤを取られたのか、2度3度振られるのが見られる。大ロデオ状態に、すわ大転倒かッ!?と思うが、体勢を立て直してそのまま何事も無かったように走り去っていった。一同大拍手であった。
 
この休憩ポイントで、珍しい物(?)を見つける。私たちの前にこのポイントで休憩していたエントラントがやったと思われるのだが、半乾きの馬糞に消火不良のたばこが置いてあった。それがジワ〜と燃えていたのである。牛糞,馬糞は燃料にも使えると言うことを聞いたことはあったが、本当に燃えている光景ははじめて見た。大火事になることも考えられるので、馬糞に火を付けるのは止めようと思う。
 
その後はフラットダートから舗装路になり、CP2に到着する。CP2からはまた一人で走り出す。CP2からしばらく行くと、また草原地帯への道になる。その入り口の所でいきなりミスコースをする。見物していた老人が「ニエート!ニエート!(違う!違う!)」と叫んでいるのはわかったが、そのまま行ってしまう。するとアヒル小屋に出てしまう。ここでやっぱりミスコースであったかと再確認する。ふと振り返ると、オンコースを見つけた四輪が走っているのを見つける。あそこがオンコースかと戻り、コースの見当がつくまでは4輪の後ろについて走ろうと追走する。が、これが失敗の始まり。4輪に追走すると、乾いた路面から砂塵が大量に巻き上げられ、視界が遮られる。危ないな〜と思い始めた途端、大転倒してしまう。何が起こったのかよくわからなかったが、見れば深い轍がそこにはあり、そこに乗り上げて転倒してしまった事がわかる。損傷としては、左ミラーにひびが入り、左ハンドガードが曲がってしまった。しかしガードのおかげでレバー類の損傷は全くなく、その後の走行には支障なかった。砂塵の中を突き進むのはやはり危ないので、その後はまた一人で走り出す。
 
フラットダートを走り抜け、CP3に到着する。すると、#10,下司さんがいた。初日からバイク(DR250)のクラッチの調子が悪く、この日スタート直後15kmほどでとうとう動かなくなってしまったらしい。で、オフィシャルの車に拾われて、CP3で番をしているらしい。クラッチトラブルと言えば、昨年の私のようだ・・・。
 
日は西に傾きはじめ、日が没してしまうと急激に寒くなってくるので、早々にCP3を後にする。ゴールのスラビアンカまでの120kmほどを一気に走る。CP3からゴールのスラビアンカまでは、フラットダートと舗装路の一本道なので一気に走りきる。ゴールでオフィシャル参加されている大瀬さんと話をする。「今日のコースはどうでしたか?」と質問されたので、「距離(500km)としては、これぐらいが限界ですかね」と回答する。正直なところ、“楽しむ”と言うことを前提に私は常に参加しており、“フラットダートを延々楽しむ”と言う所では、500km程度が限界のような気がする。
 
 バイク整備&夕食後、心地よい疲労感の中、爆睡する。