Nikon Lens Series-E 75-150mm F3.5 (New)

発売 1981年5月
小売価格 54,000
レンズ構成 9-12
全長/重量 117mm/520g
最短撮影距離 100cm
フィルタサイズ 52mm
絞り羽根枚数 7枚
その他

photodo rating = No data

   Lens Series-Eは1980年に発売されたEM用廉価版レンズである。他にも28mm F2.8、35mm F2.5、50mm F1.8、100mm F2.8、135mm F2.8、70-210mm F4等が発売されていた。所謂カニの鋏は無いし、銀色のレンズ着脱リングも無かった。いたる所にプラスチックが多用され、Nikon贔屓の「かわ」がみても、いかにも安物と言う感じであった。しかし後期モデルでは、若干マイナーチェンジが施され、銀の着脱リングが復活している。質感重視の「かわ」としては、当然銀色の着脱リングが復活した後期モデルを選んだ。

   何と言ってもシリーズEなので、このレンズの世間での評価は高くない。カニの鋏の無いレンズなんて、Nikkorにあらずといった扱いだ。実際このレンズはNikkorではなく、Lens Series-Eなのだ。しかしカニの鋏がないだけで、機能的にはAi-Sレンズと同等である。とは言え、人気が無いためにかなりの安価で入手できるし玉数も結構ある。ところがこのレンズ、描写性能はかなりのものらしく、知る人ぞ知る名レンズらしい。スペック的にもかなり魅力的だ。ここで、最近のNikonが技術の粋を結集して開発した最高級ズームレンズAF-S 80-200mm F2.8と比較してみよう。
 
 

Series E 75-150mm
AF-S 80-200mm
焦点レンジ
開放F値
△ (F3.5)
○ (F2.8)
重量
◎ (520g)
× (1580g)
価格
◎ (中古で一万円前後)
× (中古で10数万円)
解像力
周辺光量
×
蟹の爪
無し
無し
逆光性能

    何と言っても、F値の明るさ−重量−焦点レンジのバランスが絶妙である。AF-Sと比べると、各項目でほんの少しずつ劣っているものの、抜群の軽量性と低価格を実現している。勿論、AF-SはふんだんにEDレンズを用い、超音波モーターを採用しているのだから、大柄で高価なのは仕方がないが、それにしても本レンズは魅力的である。また、Series Eと言えども80年代初頭の製品である。蟹の爪は無いとはいえ銀色の着脱リングもついており(前期型には無い)、絞りリングはエンプラであるものの、他の部材は全て金属製のため、現代のAF Nikkorよりも遥かに質感は高い。

    ということで、ずいぶん前からこのレンズの存在が気になってはいたものの、かなり古いレンズなので入手する勇気が出なかったが、綺麗な程度のものが新宿のカメラのドイで9800円で出ていたのでgetしてみた。目からウロコとはまさにこう言うことを指すのであろう、うわさ通り描写は驚くほど良好であった。若干周辺光量低下があるが、開放から素晴らしくシャープである。短焦点側(75mm)でAiAF Nikkor 28-70mm F3.5-4.5Sと比較すると、明らかに本レンズの方がシャープである。しかし、逆光にはさほど強くないのでフードは必需品である。標準の物はもはや手に入らないし、ラバーフードでガサ張るとのことなので、Ai MicroNikkor 105mm F2.8S用の、スナプオンフード(HS-14)を利用している。さほどガサ張らない上、遮光効果も高い。105mm用ではあるが75mm側でもケラレは無いようだ。

  長焦点側がもう少し欲しくて、最近Ai Nikkor 80-200mm F4Sを購入した。こちらも描写は素晴らしく、焦点レンジも広いため、現在の主力レンズになっている。しかし、F2.8レンズほどではないが重量がちょっとかさむのが問題だ(810g)。このSeries-EはFM3Aを購入した時の、軽量装備のメインメンバーとして活躍させる予定である。
 
 

2002/1/20


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