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ささやかだけど、気になるモンダイ…(1)

 『ボトムズ』には、「誰もが気になる公然のナゾ」なんてのがいくつかありますが、これも、些細ではありますが、その中の一つ……ではないでしょうか? まぁ、本筋には関係ないし、「ナゾ」なんて呼べる程、深遠ではないかもしれませんが、同性として、またココナというキャラクターに愛着を抱く者としては、ちょっとばかり「深刻」かもしれない問題。

7話「襲撃」において、ブーンファミリーに拉致されたココナは、 果たしてレイプされていたのか?

 時折、思い出したように出てくるこの話題。内心引っかかるものを覚えつつも、その都度わたしの意見を表明するのが面 倒で、これまでつい流してきてしまったことに、実は少々後ろめたさを覚えておりました(^^;;)。なので、ここでひとつ、自説をハッキリと述べることで、わたくし的にはこの件にきっちりカタをつけたいと思います。

 わたしの結論を先に言ってしまえば、「NO」です。

 で、それをご説明するために、まずは「された」説の根拠となりそうな部分の列挙を:

  1. 細かく刻まれた服。クシャクシャにもつれた髪。 腫れた顔(殴られた?)。
  2. なだめようとするバニラとゴウトの手を振りほどき、 泣きわめく荒れっぷり。
  3. 翌朝のジジリウム強奪作戦開始時点でも、 まだ拗ねている(=ショックが尾を引いている)。

 ……こんなところでしょうか?

 で、これらの点に対するわたしの反論は:

 1.の、「身なりの乱れ」だが、本当にレイプされたのなら、あの程度ではすまないと思う。胸元、ベルト等を大きく切られるのではないか?
 また、じゃじゃ馬な(^^;)ココナが、顔を2、3発張られた程度で抵抗を諦めるだろうか? それこそ、腕を折られる、顔・身体をナイフで切られるくらいでないと、おとなしくなんてならないのでは?
 ココナの解放を、「やることはやったし、運び出しの情報も入手したし……で、ファミリーが満足したから」という解釈もある考えられますが、「子供を産める女」の売買をしていた彼らが、果 たして、ココナのような若くてイキのいい「商品」を、むざむざと解放するだろうか?
 情報だけはチャッカリいただいて、「この程度で勘弁してやる」と、「商品」として監禁しようとするのではないか? そのスキを見てココナは逃走した……というところではないのか?
 だとすれば、「商売モノには手を出さない」ということで、手加減をして、深刻な傷を付けない程度に脅すに留めたのではないか?

 2.、3.も、普通の女の子なら、「服を刻まれて、殴られて、脅された」だけでも、充分ショッキングな出来事だと思う。周りに当たり散らしたり、一晩たっても、まだ引きずっていたりくらいは当然かと……。
 で、更に言うと、その次の回(8話)の冒頭では、彼女、一転して「上機嫌」なんですよね。いくら「莫大な金額(に相当するジジリウム)をせしめた」からといって、「本当にそうだった」としたら、ちょっと立ち直りが早すぎるような気が……(^^;;)。

 もっとも、ワタシの説に対する更なる反論も考えられます。すなわち──

  • 外傷が少ないのは、「大ケガするよりは……と」あえて抵抗しなかったからである。
  • 立ち直りが早いのは、ココナもやはり「ウドの住人」。「その程度」でいつまでも落ち込んでいたら、生きていけない……と経験則で知っているからである。
    「立ち直るのに半年かかっていたら、おれはとっくに死んでいる」(『BANANA FISH』)みたいなものかしら? アッシュ〜〜(涙)

 でも、これを証明するためには、ココナが「スレた」女の子である──それこそ、一宿一飯と身体を引き替えにするような生活を送っている──という証拠が必要かと思うのですが……わたしには、その「逆」ばかりが目につきました。
 たとえば、ゴウトによく「仕事」をせびっていたけど、その内容は「売春」や「援助交際」系ではなさそうだし、キリコを尾行して、街娼が立ち並ぶ界隈に入り込んじゃった時も、「なんでこんなところ…」って、居心地悪そうにしていたし……。
 あとは…6話。バニラの塒で、人の家のベッドをチャッカリと占領する(^^;)キリコの寝姿を、妙に嬉しげに見守るココナちゃん。
 まぁ、ココナの方は、キリコのことが「気になる」わけですから、当然と言えば当然なんですけど……。でも、もし、もうちょっと「スレた」娘なら、「見てるだけ」ってことはないんじゃないかなぁ……とも思うわけです。だって、「とりあえずお近づき(^^;;)」になるには、「絶好のチャンス」じゃないですか〜?
 #キリコがOKするかどうかは、むろん別問題ですが(^^;;)。

 まぁ、そんなこんなで、わたしの結論としては、ココナは、「ウドの住人」にしては、「お堅い」方ではないのか……と。 #バニラにも、「な〜んもさせんと女房ヅラ」だったようですし(^^;)。

──以上の論考によって、冒頭のギワクについては「NO」を強く唱えるものであります。

 が、これは「作品の内側」から観た場合の話。「外側」、即ち「作劇上の必然性」という点から観ると、当然、また少し違った見方が出てくるわけでして……。そちらについても、項を改めて、お話ししたく思います。
 よろしければ、今少しおつきあいのほどを──

2000.1.29

次項へ続く>>


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