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・・・と思ったんですが、ひまだったので弾いてみました。

やってみるとこれはこれで面白い。
聴く価値はないけれど弾く価値はゼロじゃないという例は、バロックではそんなに珍しくありません。
ちょっと欝な気分に浸りたいとき、とてもお手軽安直に応えてくれる一曲です。

参考運指つき楽譜

アリアというタイトルに何となく違和感をおぼえます。
弾き心地は小規模トッカータですね(←何を言っているんだバカ)
楽譜は妙にごてごてケバケバしてますけど、演奏はかなり楽だと思います。
このアリアを先におぼえちゃうと、後続の変奏がかなり意地悪に見えそうです(バッハのゴルトベルクを例に出すまでもなく、変奏曲なんてのは大体そんなもん)

これの指番号を付けている最中、トリルの入れ方についてちょっと反省させられました。
下向きの、いわゆるモルデントについてはどうでもいいとして。
たとえば「ソ」の音に "tr" がついていたら、弾き方は「ラソラソ〜」なんですね。
いや、何となく知ってはいたんです。
知ってはいたんですが、あまり真面目に考えたことはなかった。
曲の速度によっては、「ソラソ」で済ませることもけっこうあった。
「ラ」から始めて2往復もやってたら戻って来る時間がない、みたいな場合ですね。
この曲は "tr" が異常に多い。
これだけ多いと、全部行き当たりばったりというのは気が引けます。
ノロノロゆるゆるダラダラ演奏が許されそうな曲で、トリルを入れたり入れなかったり、一往復半で済ませたり、全部テキトーにやっても音楽にならないわけじゃないんですが、何というか、これは反省の良い機会だという気持ちになった。
というわけで、自分にしては珍しく、殆どのトリルをきちんと2往復以上入れる形で指番号つけてます。

ただ正直いうと、こういうケバケバした楽譜は嫌いです。
音価4倍にして、トリルもすべて音符化したうえ、4/全拍子で書き直したくなったんですが、それをやると多くの小節が1段におさまりそうにない。
べつにおさまらなくてもいい、というか、極端な話、小節線全部消しちゃってもいいんでしょうけどね。
気持ち悪くなりそうなのでやめました。