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ミハス着。バスから降りると 更に強い日差しが目に痛い。周りは一面真っ白に塗られた壁の建物が並ぶ。
バスの駐車場近くは、平地でちょっとした広場があり、木陰を歩けたが、そこを抜けると 狭くてかなりの急な階段が続く。
なぜ平地に居住しなかったのか。ただでさえ暑いのに、目いっぱい日差しを受けようと わざわざ斜面にへばりついている。しかも白一色に壁を塗って。わけがわからない。

通りはよく掃除されていてチリ一つない。
ガイドに導かれて坂をのぼる。天国につながる坂とか何とかが有名だそうだ。若干もうろうとして 本当に天国に行きそうだ。
坂の上は さらに小高い丘があり、細い小道が一本 丘を取り巻くように続いていた。頂上には祭壇があり、御利益があるそうだ。若い新婚さんの中には チャレンジしようとしたみたいだが、我々は当然下り道を選ぶ。

ミハスは 周囲1kmほどの小さな村だ。名物のロバタクシーが、ときおりゆっくりと狭い通りを行き交う。
崖に沿った小道に 展望台があり、遙かに地中海が見える。天気が良ければアフリカ大陸も見えるそうだ。
もっとも狭いところで14kmのジブラルタル海峡である。
エジプト、ギリシャ、ローマと長い間 地中海の中で文化が栄えていたが、15世紀 突然 この狭い海峡から 外の世界に出た。パンドラの箱の出口の様だ。
今も軍事的な要所であるジブラルタルの岬は、現在イギリスの植民地である。足を延ばして観光する事はできなかった。ヨーロッパは複雑だ。
 

丘の上には祭壇があるそうだ

天国に直結する坂がいっぱい

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ヨーロッパホリディ