東京に出てきたのが8月の9日ごろでしたから、もう半年ほども経ったことになります。
 皆さんお元気でしょうか? ご無沙汰しています。僕は元気です。
 夏の暑さにもかなりやられましたが、東京は思ったよりも冬寒く、名古屋に居た頃よりも部屋では厚着をしています。日々の暮らしは順調です。
 近所にスーパーが数軒あって、生き残り競争が激しいのか野菜や魚がそれぞれに安く、ほぼ毎食自炊をしています。初めの頃は失敗もしましたが、同じ料理を三度づつ作るようにして慣れ、いまでは料理のレパートリーもそこそこ増えました。この時期はやはり鍋ですね。

 今は、僕の最初の本の出版に尽力をして下さった、先輩作家さんのお宅の一室に、間借りをして暮らしています。そういう意味ではまだ全然一人暮らしではないのですけれど、自分で家賃を払っている四畳半の一室に居ると、小さなヨロコビが湧いてきます。そんな気持ちは引っ越してきて初めのうちだけかと思っていましたけど、いまだに一人でニヤニヤしていることがあったりします。
 「最初の本」などと言いましたが、まだ二冊目の本は出ていません。初めていただいた「原稿料」はとうに使い切ってしまい、別の収入で今は糊口を凌いでいますから、まだ作家は自称できない立場です。かっこつければ書生さん、今の言葉ならやはりプータローでしょうか。
 それでも、毎日楽しく過ごせています。

 最初の日、床に雑巾をかけてから、何も無い部屋でゴロリと寝転がりました。
 手足を伸ばしても四方に何も触れるものはありませんでした。広いと思いました。
 荷物がやってきて、今では部屋にコタツまで買い、また本棚の一角はダンボールから出した書物を適当に押し込んだきりになっているので、まさしく男の部屋というか、今はかなり雑多な部屋になってしまっています。それはそれで快適に感じてたりして。

 東京は良いです。
 いつ頃からだったか、僕はこの街に住みたいとずっと思っていました。
 このHPで一番最初に掲載したテキスト、このコーナーの最初の「バベルの塔」が、この街には数え切れないほど建造されています。
 街を見て、僕はものを思います。
 思考が溢れて、指がキーボードを叩きます。


 また途切れ、途切れにはなると思いますが、このHPの更新を再開します。
 良かったら時々遊びに来てみてください。


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