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◆◇◆ 大晦日の夜に(三章) ◆◇◆
〜 一年遅れのカウントダウン 〜

  <大通公園:TV塔前>
主: (もうこんな時間か・・・やっぱり、琴梨ちゃん来てくれないか。
 今まで従兄のお兄ちゃんと思っていた人に、突然、告白されて
 ・・・年越しのKissのお願いまでされたわけだから当然かな。
 もし、僕のせいであの家庭が重い空気が流れるなら、すぐに東京へ帰ろう。
 逃げてる気もするけど、あの家庭のバランスが壊れるのは見ていられないよ。
 ゴメンね、琴梨ちゃん、陽子さん、僕は明日、東京に帰るよ。
 北海道の大学、合格しても何処か別なところから通うことにする・・・)
声:
お、お兄ちゃん・・・

主:え?(まさか?)・・・琴梨ちゃん?
琴:うん、来ちゃった(^^;
主:なんで?
琴: なんでって、もう、酷〜い!
お兄ちゃんが来てくれって、言ったんじゃない?(笑)
主: それはそうだけど、てっきり来てくれないと思っていたから・・・
もしかして、琴梨ちゃん優しいから僕に気を使って来てくれたの?
それじゃ、僕は・・・
琴: ううん、そうじゃないよ。
あの後、私。
いっぱい、いっぱい考えたんだよ。
それで、もう何がなんだか分からなくなって、泣きそうになったの。
でもね鮎ちゃんが来てくれて、話聞いてくれたの。
あのね、鮎ちゃんもお兄ちゃんのことが好きだったんだって。

でもお兄ちゃんが、いつも私のことを見ていてくれていることに気が付いて、鮎ちゃん...
それ聞いた時ね、私、気がついちゃった。
私の中にもお兄ちゃんとしてじゃなく、あなたの事を好きな私がいる事。
そして、それが少しずつ大きくなってきていること。
私は、お兄ちゃんが、大好きなんだって
主:琴梨ちゃん・・・
琴:お兄ちゃん? 泣いてるの?
主:あぁ、嬉しいんだ。
琴: 変なお兄ちゃん。
あぁ、もうこんな時間、そろそろ・・だね?
でもなんか緊張するよ?(苦笑)

『10・9・8・7』

主:そうだね。 じゃ

『6・5・4・』

琴:うん、幸せになろうね?
お兄ちゃん。

『2・1・
 A Happy New Century !!』
琴: ・・・んっ。
・・・・・・・・・・・・・・・(苦笑)
あ、明けましておめでとう・・だね? お兄ぃちゃん。
なんか照れちゃうね?
えっと、離れていても、今年もよろしくお願いします(^^)
主: 明けましておめでとう、琴梨ちゃん。
これからも、ずっとよろしくね?
琴:え?
ずっと?
主: 来年から、僕、こっちの大学通うんだ。
それで、陽子さんに、また部屋を貸してくれるようお願いするつもりだったんだ。
琴:ホント?
主: うん、まだ合格決まった訳じゃないから断定はできないけど、
落ちてもこっちの予備校に通うつもりだよ。
琴: お兄ちゃんなら、きっと大丈夫だよ。
でも嬉しいな。
これからは、夏休みや冬休みだけじゃなくて一緒にいられるんだね?
私、お兄ちゃんのためにお料理、頑張るね!
主:ああ、楽しみにしてるよ!
それとコレ。
琴: 何? プレゼント?
いいの? 嬉しいなぁ。
ね、開けていい?
主: ああ。
向こうでコレ見かけたとき、どうしても琴梨ちゃんにって思ってさ。
つい買っちゃったんだ。
でも、渡すことが出来て嬉しいよ。
琴: うわぁ、可愛い〜
ホントにいいの?
ありがとう、お兄ちゃん。
私、大切にするね?
主:うん、ありがとう。
じゃ、そろそろ帰ろうか?
琴: うん。
あ、雪だぁ。
ねっ・・・手つないでいい?

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