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星空の歩き方
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<超私的双眼鏡生活>
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双眼鏡を覗くにあたっての超私的な薀蓄
(ウンチク)
などを、 思いつくままお酒の勢いなども借りつつ並べたててみました。
○ 双眼鏡の架台
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○ ファインダー考
・双眼鏡ファインダー
・光軸修正部を金属化
・悪乗り!10×70双眼を搭載!
・高倍率兼高々度用ファインダー
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○ 自動追尾化
・80mmアポ双眼望遠鏡
・架台の工夫と応用
・150mm双眼望遠鏡
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双眼鏡の架台
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5p前後の双眼鏡は手軽さが命。そのため「手持ち」で眺めるのが主流で、たまにカメラ三脚に載せて見ることもありますがまあその程度。
でも、相手が星となるとなかなかやっかい。というのも相手が暗いバックに散らばった光の点。どうしても手持ちでのふらふらがすべて残像となって曲がりくねった光跡を残してしまいます。
そんなこともあって、いろいろな双眼鏡用の架台が考案されてきましたが、「手軽さ」や「気楽さ」がいつもメインのテーマです。
今回私がご紹介するのは、もう20年も前に自作したもののリバイバル。そのアイデアはさらにさかのぼった雑誌記事(天文ガイド)によったものです。
原理は、人間の「首」の不動点が耳の後ろ下にあることに着目し、架台の上下軸をその位置に置き、そのときの目の位置にちょうど双眼鏡の接眼部が来るように双眼鏡を固定することで、上下どの角度でも目の位置に接眼部が来るようになる。というものです。(写真右)
覗き方は、いちばん自由なのは直立した状態で、架台を載せた三脚と肩を組むようにします。
固定した双眼鏡を覗こうとすると、どうしても体をかがめたりするので「楽でない」という印象がありますが、この架台の場合向けた目の位置に双眼鏡の接眼部が来るのでかがむ必要がなく、背筋を伸ばした状態なので体は意外に楽なのです。
この架台の欠点は、チョット大げさでバランスウェイトなども必要なこと。でも、この辺は他の架台でも一長一短があるので、この架台が「特に」と言うことではないでしょう。
工作のみそは、手すりなどに使うパイプと固定金具をうまく使い、木工は単純な直線カットでOKだという点です。バランスウェイトは釣り用のおもりをいらなくなった鍋で溶かし、空き缶に流し込んで作りましたが、これはスポーツ用具の手足に巻き付ける「ソフトダンベル」を使ったり、ペットボトルや石などをくくりつけても問題はありません。(多少微妙なバランス調整ができないと困りますが)
この架台の「楽さ」は、使った者でないと想像できないくらい「嘘みたい」なはず。是非お試し願いたいものです。
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ファインダー考
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ファインダーは望遠鏡にくっついているもうひとつの小さな「望遠鏡」のことですが、大きさや倍率など、 いろいろこだわりたくなるのは私ばかりでしょうか?
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双眼「鏡」ファインダー
まずは下の写真をご覧ください。これは150o双眼望遠鏡の現在の姿です。
すぐおわかりいただけるとおり、ファインダーに双眼鏡を使用しています。しかもいわゆる量販店の安物 ではなく、重さが1300グラムもある窒素ガスを封入した防水型です。
私の対象天体の探し方は、対象の近くにある明るい星をファインダーに入れ、そこからファインダーで見 える星を順次たどって行くというやり方です。もちろんたどって行く星は星図に載っている星で、地図で 近道を探すのと同じ要領です。
そのため、使うファインダーは出来るだけ暗い星まで見えて、なおかつ視野の広いものということになり、 こんな条件にかなう究極のファインダーとして「双眼鏡」を使いたいとかねがね考えておりました。
しかし、私のように赤道儀に載せた望遠鏡での観望が主体では、双眼鏡の使用はまず不可能とあきらめて おりました。
そこに登場したのがシンプルな経緯台に載ったマツモト式双眼望遠鏡でした。
双眼(望遠)鏡の架台としてもっとも適しているのは、やはりなんと言っても経緯台式でしょう。そして 「双眼鏡」をファインダーとして使えるのもやはり経緯台、それも屈折式が最適。
そんなわけで究極の星見道具としてのマツモト式双眼望遠鏡にもっともふさわしいファインダーは、やっ ぱり双眼鏡だと確信しています。
実際の使用風景としては、双眼鏡ファインダーで星空を楽しみながら目的の天体への道をたどり、途中何 かおもしろそうなものが見えたら即座に主望遠鏡でその正体を確かめる。といった具合です。こんな星見 をしていれば、星図にない新しい名所が次々と発見ができることは請け合いでしょう。
ps:双眼鏡のようなレチクルのないファインダーでは導入精度が落ちるのではと心配されると思いますが、 実際目分量で視野中央に導いた星でも、100倍程度の主望遠鏡の視野の中には十分入っているようです。
取り付け方は、ファインダー鏡筒の替わりに同じ太さの丸棒を入れ込み、その丸棒にL金具を取り付け上 を向いた面に市販の双眼鏡取り付け金具を介して双眼鏡を取り付けただけのきわめて簡単な方法です。方 向調整はファインダー調整ネジで行います。双眼鏡取り付け金具の種類に応じてL金具の向きを前後に変 えることで双眼鏡の前後の位置をある程度変更できます。また陣笠部分にネジを切ってあるタイプの双眼 鏡では、L金具の替わりにI金具を使用すればOKです。さらに丸棒と金具との取り付けをネジ一本で行 うようにすれば、この回転で双眼鏡の位置や角度を調整できます。
ただし、双眼鏡は単眼のファインダーより当然ながらはるかに重いので、あまり重いものをつけると方向 調整ができなくなることがあります。またバランスも崩れるためバランス調整にも一工夫必要になります。
そこで
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マツモトさんに無理を言って、「丸棒」部分の金属化をお願いしました。
そして
できあがってきたのが上の写真。
「丸棒」部分の金属化に加え、バネ式になっている方向調整部分の一点を普通のネジ式にすることで相当重い ものまで取りつけて、方向調整ができそうです。
おかげで、これまで見る高度によって多少のふらつきがあったものが、今ではほとんど変化がなく、きわめ て快適な星空の散歩が楽しめるようになっています。
ところが
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これでやめておけば良いものを、すぐに調子に乗る悪い癖が出まして、格安で手に入れた
フジノン10×70FMTSX を乗せたくなって
しまいました。
で、乗せてしまったのがこの写真。約2キロと7×50より600グラム重くなったため、バランスウエイトを前にずらして なんとかバランスは取れました。
実際観望に使ってみると、5pの2倍の集光力はすばらしく、見とれるほどの星の多さ、視認性の高さは まったくの未体験ゾーン!。変な話ですが主望遠鏡と張り合ってしまうくらい素敵な眺めです。
でも、しばらくするといろいろ不都合に気がつき始めます。
まず、双眼鏡が重すぎて天頂に近くなるとバランスが崩れてきます。さらに、取り付けているL型金具が 2キロの重量に絶えられず、向ける高度によって照準がずれてしまいます。また、架台への負担もけっこう オーバー気味で振動の減衰がかなり悪くなっているようです。
そんなわけで、二晩ほど星空を堪能した後、結局元の7×50にもどしてしまいました。 でも、一度味わった甘い味は忘れられるはずはなく、只今計画中の自動導入架台への搭載を果たした暁には 取りつけ金具を補強するなど問題を解決して、必ず実用化する決意を固めているところです。
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高倍率兼高々度用ファインダー
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ファインダーを双眼鏡にして、その楽しさをあちこちで喧伝していましたが、最大の弱点は「天頂」。その覗きにくさは単眼ファインダーの比ではありません。
また、照準用の十字線がないので、高倍率で目標を見失うと、あらためて望遠鏡の倍率を下げて導入しなければならなくなるなど色々不便を強いられます。(それでも双眼ファインダーの快適さは手放せない!)
天頂プリズムをつけたファインダーが良いように思えるのですが、天頂プリズムをつけると「裏像=天地は正立だが左右が逆」になってしまいます。また、プリズムを使えるようにするには、口径比の小さいファインダー用レンズでは鏡筒を切りつめるなどの加工が必要になります。
そこで、かねてより狙っていた「ミニボーグ50+笠井90°正立プリズム」を手に入れて取り付けました。
ミニボーグ50には「合焦情報」という解説がホームページに掲載されていて、それによればこの組み合わせでピントが合わせられ、さらに一般の5pファインダーのファインダー脚に入れることができるというわけです。
論より証拠で、実際に取り付けてみたのが写真です。
双眼望遠鏡を覗くと、ちょうどおでこの位置にこのファインダーの接眼部が来て、まるで「三目小僧」用双眼鏡(三眼鏡か)のようです。
でも、これで高度の高い位置にある天体を高精度に導入でき、しかも「正立」なので双眼望遠鏡の見え方との違和感もなくなかなか快適です。
知らない人が見たら、素人がよくやるアクセサリーだらけの「お祭りみたい」な望遠鏡だと笑われそうですが(確実に)、使い勝手としてはきわめて実用的なものだと自負しています。
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自動導入化
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=80oアポ双眼望遠鏡の場合=
ニュートン式反射望遠鏡と双眼望遠鏡は経緯台式架台との組み合わせがベストだと思います。そして、これに 追尾機能がつけば、楽な姿勢で高倍率観測ができ、鬼に金棒となることでしょう。
私がビクセンのスカイセンサー2000を入手したのは、自動導入の面白さにも興味はありましたが、なにより この経緯台による『追尾機能』に魅力を感じたためでした。
そんなわけで、適当な架台を探しているうちにカートン光学のスーパー・ノバというシステム式の赤道儀が オークションで手に入り、しかも、譲ってくれた方がギヤ比の組み合わせなど、解らない事をいろいろ教え てくれ、一昔前の赤道儀を見事自動導入に変身させることができました。
そしてこのスーパー・ノバを自動導入(いや追尾機能付き)経緯台化し8cm双眼望遠鏡を搭載したのが写真です。
このスーパー・ノバ経緯台、モーターギヤをフリーにすると、極めて安定したフリーストップの架台になリ、しかも当然微動も使えますので、「微動付双眼鏡架台」として、フリーストップ式と自動追尾式の中間的な存在となります。
下の写真は、8cm双眼望遠鏡の底面の凹凸をカバーし、プレートに装着しやすくするための板(ベニヤ製)。
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写真は、ある小学校の観望会に持って行った時の様子です。
この日参加した他の望遠鏡は、32cmドブソニアン、25cmシュミットカセグレン、16cm反射望遠鏡、127ミリアポ屈折という顔ぶれ。そんな中でこの8cmは、最初皆さんの興味をまったく引かず、来た人も「ついでだから覗いてあげる」といった感じ。でも、そんなまるで期待しないで覗いた人たちが次々に歓声をあげてくれました。感想は「他の望遠鏡とは見え方が全然違う」のだそうです。
また、心配していた「追尾精度」も、観望会の間ほとんど調整の必要がなく、安定して星を追いかけていました。
☆ 架台の工夫と応用
双眼鏡用自動追尾架台として考えた架台ですが、見方を変えると、さまざまな望遠鏡が搭載可能な自動導入・自動追尾架台として広く応用できることに気がつきます。そこでチョットこのあたりについて書いてみたいと思います。
まず、いろいろな太さの機種に対応できるよう、取り付け部分の自由度を増し、なおかつバランスが取れる工夫をしました(自動追尾経緯台ではバランスは特に大切なのです)。それはご覧いただけばなんということはない「プレート」です。プレートに空けたいちばん小さなアナはM5のネジ穴で、ここに五藤のマークX赤道儀のパーツの1つ「L型プレート」を取り付けます。いくつも空いているのは、異なる口径の鏡筒に対応するためです。現在1cm間隔で4組の穴がありますが、これで15cmくらいまでの太さの鏡筒に対応できます。
この「只者ではないプレート」なんと10oのジュラルミン板でできており、製作者は双眼望遠鏡と同じ「メガネのマツモト」の松本氏です。
(写真右上)
この「否只者プレート」と「L型プレート」を組み合わせてできる平面に、取り付けられ、バランスが取れるものなら、望遠鏡、双眼鏡、屈折式、反射式を問わず、載せた瞬間から「自動導入、自動追尾望遠鏡」に変身する訳です。(写真左上および写真下)
本当に搭載したいのは、実は現在の8cm双眼望遠鏡を超える10〜13cmクラスの双眼望遠鏡。ですが、これは大蔵大臣との交渉が必要で、現在の財政状況からして当分無理。
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=15cm双眼望遠鏡の場合=
前項で宣言した15cm双眼望遠鏡の自動導入化、少々難産でしたがナントか形になりました(まだ塗装はしていません)。
架台は高橋製作所のNJP
。これを、極軸が天頂を向くように厚い木の入れ物に入れました。
極軸から上を切り取ってセットすればこんな不恰好にはならずにすむのですが、軽自動車ほども 値段のするものを切り取る勇気なぞ、この私にあろうハズがありません!
また、総重量数十キロに及ぶであろう上部の重みに耐えられず崩壊する事だけは、なんとしても起こらないよう 「壊れないこと」だけを念頭に工作をしていったところにも不恰好の原因があるでしょう。
鏡筒の取り付け
は、厚さ24ミリのベニヤを場所によっては2枚重ねにした「T字形」の台に載せる形を取りました。
先ず、鏡筒の平行に影響を及ぼさないよう、片方を2点、もう一方を一点の計3点で鏡筒を支え、前後のズレを止めるため「耳軸」を 板にあけた「穴」に落とし込むようにしました。また、外れ止めは写真の←部分の板とネジ一個ですむようにしてあります。 コレは、気楽に空を流したい時など、簡単にフォーク架台に載せかえられるようにしたかったためです。
ただ、すでにお気づきのとおり、この部分に鏡筒バンドを用いるか、木で箱型の取り付けを作成すれば、話は簡単なのですが、 前者は入手が難しく、代わりに高橋の鏡筒バンドを購入すれば軽く5万円超の出費となります。また、後者はスマートさを 損ない黒光りする美しい鏡筒を隠してしまうことになることなどから、迷った挙句に、最もややこしい方式を採用する事に なったわけです。
まだ完成状態ではないため、使用にあたっては解決すべきたくさんの欠点が残っています。(設計ミスも・・・・)
まず、ハンドル兼バランスウェイトを取り外した分、鏡筒の重心が対物レンズ側にズレ、結果として接眼部が低くなりすぎ 自慢の双眼鏡ファインダーは、45度以下の低空を除いては覗く事ができず単なる「バランスウェイト」になって しまっています。(苦肉の策でテルラドファインダーを取り付けました)
また、NJP用の誠報社提供のスカイセンサーモーターは大変動きが遅く、導入中に接眼レンズの交換や別の望遠鏡を 覗くなどして時間を潰さなければなりません。こちらは新しい製品が開発されるのを待つしかなく、また、供給された としてもおいそれと購入できる値段ではないでしょう。ただ、来るべき火星大接近など、惑星を長時間高倍率で観察する ことに目的を割り切れば、その価値は十分といえなくもありません。
今後、低すぎる架台部分の高さをかさ上げするため、長い三脚を作成するか、延長ピラーのようなものを三脚と架台の間に 入れ込むか検討中です。いずれにしても近いうちに長時間高倍率を大勢で共有できることを夢見て改良を重ねてゆきたいと思っています。
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