このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(13)
Clos l'Eglise 1996
Chateau Pont Cloquet 1998
Chateau Vray Croix de Gay 1995
Vieux Chateau Ferron 1999
Chateau La Fleur de Gay 1998


クロ・レグリーズ 1996 2002年2月15日 

このワインは1997年以降、評価の急上昇と共に価格も急上昇しました。
それまでは¥5,000までで購入できるポムロール・ワインでした。
ガルサン・カティアール家がこのシャトーを買い取り、そしてミッシェル・ロランを招き、
ワインの品質が著しく向上。そしてパーカーの高得点によって価格にも影響しました。
1997年より価格は「万」を超えるようになりました。
幸いこの1996年はまだ便乗値上げされてなく¥5,000以下で買うことができます。

この日は急にワインが飲みたくなり、ついつい空けてしまいました。
ひょっとして「濃い」かなあって、期待してしまいました。

グラスに注いで、「あれっ?ちょっと薄いかな?」と感じるくらいです。
エッジに少しオレンジ色がかかっています。
香りはハーブと熟成香が感じられます。ボディはミディアム。
果実味より酸味が少し勝っている感じです。
ちょっとブルゴーニュっぽい気がします。
現在のクロ・レグリーズと比べると確かに弱いですがバランス良くまとまっています。

やはりこの旧所有者が造ったクロ・レグリーズと新しいクロ・レグリーズは
全くスタイルが異なります。

数年前、サンテミリオンのシャトー・ラ・モンドット1996年が華々しくデビューし、
そしてその影響で、前ヴィンテージの1995年が(業者による)便乗値上げしたことがありました。
普段¥3,000以下のワインが¥12,000になってしまった事です。
これは、そんなワインになって欲しくないですね。



この新しい所有者、ガルサン・カティアールはサンテミリオンにシャトー・バルド・オー、
ペサック・レオニャンにシャトー・オー・ベルジェも所有し、いずれも非常に高品質のワインを造り出しています。


シャトー・ポン・クロッケ 1998 2002年3月5日 

この小さな、小さなシャトー・ポン・クロッケも以前から探していたワインの一つでした。
2000年夏号のワイナートで紹介されたのにはびっくりしました。
よくこんな小さな無名のシャトーを取材したな〜、とただひたすら脱帽の限りです。

1996年に新しく所有者が変わりましたが、それまでは
メルロ70%、カベルネ・フラン30%の品種の割合でした。
近年はメルロ90%、カベルネ・フラン10%の割合に変わっています。

さて、飲んでみましょう。
予想通りの濃い、暗い、ルビー色です。
なかなかいいワインですね。
香りはプラムを煮詰め過ぎたような、、(ちょっとこういうタイプは苦手な感じがします。)
かなり果実味がストレートに強く迫ってきます。
アフターも十分に長く口中に余韻が長く漂います。

ちょっと時間を置くとフローラル香、そしてさらに時間が経つと、
ロースト香も出てきました。
味も、ようやく、少し甘味も出てきて、やっと飲めるようになってきました。


果実味などのエキス分は十分にあり、非常にいいワインです。
これにエレガントさが備わっていれば、文句の付けようの無い偉大なポムロール・ワインになるでしょう。


シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ 1995 2002年3月3日 

この面積4ha弱の畑はラフルールに隣接しています。
ほとんど知られていないシャトーの一つでもあります。
その知られていない理由としてはそれなりの品質だからでしょう。

この1995年は比較的ヴレ・クロワ・ド・ゲイにしては濃い紫色がかったルビー色です。
印刷されたばかりの本(カラー印刷)の紙のような木の香りが最初に出てきます。
しばらく経つと熟成による香りが出てきます。
藁、乾物、やちょっと嫌系の馬小屋や牛舎のようなニュアンスがあります。
味はミディアムでドライで、ベリー系などの果実味はあまり感じられず、どちらかと言えば
漢方薬系統の味にやや酸味が加わったような味わいです。

品種はメルロ80%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%
平均樹齢35年。

価格は¥4,000前後。
もっと頑張ってほしいシャトーですね。

ヴィユー・シャトー・フェロン1999 2002年3月6日 

おそらく、まだ日本には輸入されていないワインだと思います。
メルロ90%、カベルネ・フラン10%。
面積は2ha程度。
GAZAROファミリーの所有。
ミディアム・ボディでなかなかチャーミングです。
酸が控えめでスムーズなタンニンと愛嬌のある果実味。
ミッシェル・ロランは関与していませんがシャトー・ラ・クロワ・デュ・カスを小さくしたような感じです。


シャトー・ラ・フルール・ド・ゲイ 1998 2002年3月6日 

久しぶりにラ・フルール・ド・ゲイを飲みました。
ファースト・ヴィンテージは1982年です。
ちょうどル・パンのような小さなシャトーが脚光を浴びるようになった頃、
このワインも一部のマニアの間で一目置かれたのですが、
素晴らしいその品質にも関わらず思ったほど人気がないのが不思議です。
アメリカでは人気があるようなことを、フランスのワイン業者から聞いたことがあります。
それは単に「GAY」という名前が付いているからだそうです。

この畑はラ・クロワ・ド・ゲイの最上の畑の樹齢の高いメルロだけで造られています。
もちろん新樽100%で熟成されます。

非常に濃い色で紫がかった暗いルビー色です。
鉛筆のような樽の風味がまだ荒らしく、ブラックベリーなどの黒い果実味が強烈です。
ミネラルも感じられ、そのテロワールが表現されています。
タンニンも強く、ドライ・フィニッシュです。
将来性は十分にあります。

1998年はブティユ=6258本、ドゥミ=72本、マグナム=126本、ドゥブル・マグナム=28本、アンペリアル=15本の生産です。
価格はだいいたい、いつも¥10,000前後です。


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