このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(15)
Chateau Grand Cassat 1999
Chateau Moulinet Lasserre 1994
Chateau Vieux Maillet 1999
Chateau Clos de Salles 1999
Chateau Trotanoy 1999


シャトー・グラン・カサ 1999 2002年4月25日 

こんなワインを耳にしたことのある方は恐らくポムロールに精通されている方だと思います。
このサイトでポムロール大百科に載せているにも関わらず、「あっ、聞いたことのあるワインだな」と、私でさえその程度です。
インターネットでウインドー・ショッピングをしている最中に見つけました。
そしてそこには「レグリーズ・クリネの醸造長が造るワイン」とのコメント。
価格は¥3,980です。こんな貴重なワインに巡り会えるなんて!!
しかも飲んだことのないワイン。これは金額に関わらず買わなければなりません。
飲まずにはいられません。

コルクの長さはシャトー・オザンナと同じ、ちょっと短めのコルクです。
色は暗いルビー。
香りも、赤よりも黒の要素が表面に出ています。
赤系の果実の華やかなアロマよりもスパイス、土っぽさや木の根の香り。
溢れるような果実味は感じられないものの男性的な強いアタックが感じられます。

ワイナートのポムロール特集でレグリーズ・クリネのオーナー、ドニ・デュラントー氏が
「最近はSSワイン、つまりスイート&ストロングが流行で、いやだね。」とコメントしていたのを思い出しました。
確かにこのグラン・カサはそのSSワインには当てはまりません。
そういう意味ではレグリーズ・クリネに少し似ているかもしれません。

1999年というヴィンテージのせいか、樹齢の若さのせいか、
エキス分が低くアルコール分が少し強く感じられます。
今飲んで若さが溢れて魅力的ですが、熟成するとどう変かするのかが非常に楽しみなワインです。



さて、プロフィールです。
面積はたったの0.2haで生産量は僅か1,400本です。
品種:メルロ100% 樹齢:15年

価格¥3,980は絶対に「買い」です。


シャトー・ムリネ・ラセール 1994 2002年5月6日 

GWも終わり気分転換にでもポムロールを飲もうと思ったところ、
飲みたい若いポムロールが無いではありませんか。
このムリネ・ラセール1994はずっと目の前に立ててあったのですが、
飲む気がしなくて置き去りにされていました。
何故ならば最近、味の思考が若い、濃いポムロールに変ってしまっているからです。
しかも、このクラスの1994年なんて、もうそろそろ熟成期に入っているし、かといって
十分に熟成していないだろうし中途半端な感じがするからです。
でも、さすがに今日は暑く、そろそろ飲まないとワインが噴いてしまう、と重い腰(?)を上げました。

予想していた以上にいい出来です。
ミディアム・ボディでチャーミングです。
バランスも良く、渋味と複雑味もあります。
赤系の果実味が熟した感じで喉をすいすい通ります。
時間が経っても衰えることはありませんが、ちょっと茎っぽい味が目立ってきたのがマイナス・ポイントです。

飲み頃ワインとしては価格も手頃です。¥4,000ぐらい。

面積:6ha
品種:メルロ70%、カベルネ・フラン20%、マルベック10%
    最近はマルベックを使用しているかは不明


シャトー・ヴィユー・マイエ 1999 2002年5月10日 

2001年に飲んだポムロールワインのMVPの第2位に選ばれたヴィユー・マイエ1998も
それは、それは、見事なワインでした。
そして本日、ここに1999の登場です。
ちょうどこのワインを飲む前にワイン・アドヴォケイトの最新版が届き、
とりあえず点数を一通り目を通し、感じたことがバレルで飲んだときよりも瓶詰めされてから
飲んだときのほうが全般的に点数が下がっていることに気が付きました。

まだまだ1999年のポムロールはたくさん飲んでいませんが、
感じたことはやはり1998年のレベルには到底追いついていないようです。

さて、このヴィユー・マイエ1999はいかに。
色は暗いルビー色ですが、強烈な紫のニュアンスはありません。
色からの判断では、ちょっと軽いかもしれない、と想像できます。
香りは、、、、これはいいですね。ミネラル、スパイスそしてしばらく経つとカラメル、ヨード、、、。
さらに時間が経つとオーク・フレーヴァーが出てきます。
味は、やはり素晴らしかった1998年と比べると凝縮感に欠けますが、
ミディアム・ボディながら非常にバランスが良く、複雑味があって見事です。

これは、造り手がこの1999年というヴィンテージを良く理解し、
逆らわずに上手に造った感があります。


1998年のような押し寄せてくるパワーこそありませんが、
ミディアム・ボディのポムロール・ワインとして非常に魅力的なワインです。


シャトー・クロ・ド・サール 1999 2002年5月12日 

昨年のMVPに選ばれた、、、というより独断で選んだ!という表現が正しいですよね。(笑)
とにかくこのワインの出現は衝撃的でした。
半年前に飲んだ時の印象は凄いポテンシャルを感じさせられました。

さて、半年経ったクロ・ド・サールは如何に。
抜栓当初は香りも閉じこもり気味ですが、数分後にぐんぐん香りが立ち上がってきます。
飲んでいてアフターも長く続きます。

さらに時間が経つと変貌し始めました。
アマローネのような味がしてきました。
ポムロールらしくない感じです。
古いワインと新しいワインが混じったような、、、、
(そう言えば1998年もボトルによってそんな感じがありました。)
決して不味くはなく、これはこれで非常に美味いワインです。

これは最近輸入されたばかりのロットですから、まだワインが少々荒れ気味のようです。
また再度テイスティングしてみます。

尚、このクロ・ド・サール1999はアメリカでも評判のようで、某ワインショップで92-94の高得点が付けられていました。
さておき、問題は2000年ヴィンテージが日本に入ってくるのか、価格はどうなるのか、
今から非常に気になるとこです。
幸いこのシャトーはパーカーさんには来てもらいたくない、という方針ですので、
馬鹿げた価格にはならないと思います。
こんなシャトーを見守って応援したいものです。

シャトー・トロタノワ 1999 2002年5月13日 

さっそく飲んでみました。
若いトロタノワははっきり言って飲むに辛い面があります。
1999年はトロタノワにとって偉大な年にはならなかったようです。
柔らかく、スムーズでストレートな味わい。
今飲んでも愛くるしさがあります。
エレガントなトロタノワです。


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