このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(19)
Clos du Clocher 1995
Clos des Litanies 2000
Ch.Vieux Tressac 1986
Vieux Chateau Ferron 1999


クロ・デュ・クロシェ 1995 2002年9月29日 

クロ・デュ・クロシェはあまり知られていないワインですが、
その優れた品質ゆえにそっぽを向くわけにはいきません。

知られていない分だけすごくお買い得なポムロールです。


1995年や1996年を今飲むにはまだ中途半端すぎると先入観が働き、
なかなか思い切りがつかなくかったのですが、飲むワインが無くなってきたので開ける事にしました。

濃いルビー・ガーネット。
乾燥したハーブ、タール、オレンジ・ピールなどの複雑な香があります。
香の奥に少しだけ「枯れ」が感じられます。
いい感じです。
粘性もあり、たくましさもあり、なんと言ってもクリーミーな豊かさには十分満足です。


プロフィール
面積:5.7ha メルロ80%、カベルネ・フラン20% 樹齢:25年
醸造コンサルタント:ミッシェル・ロラン

ヴィユー・シャトー・セルタン1987 2002年10月4日 

某ワイン・バーに新しいポムロールを飲みに行こう、という事で店に入りワインリストを見たのですが
残念ながら新着ワインはまだありませんでした。
「どうしましょうか?若いのと熟成したのと。どっちにしましょうか?」

結局この1987年のヴィユー・シャトー・セルタンにしました。
最近トロタノワの1987年を飲んでいたので、比較になるかなってな感じで。

この1987年もトロタノワ1987年と同様に澱が殆どありません。



まだ平気ですね。磯、ヨード、枯葉などの熟成香があり、
口中もスムーズでエレガントな味わい。
ただこれ以上,熟成が進むと好きな人と,嫌いな人に分かれてくると思います。

1987年のポムロールは軽い年ですがオフ・ヴィンテージという表現はしたくないですね。


クロ・デ・リタニ 2000 2002年10月5日 

待ちに待った2000年ポムロール。
クロ・デ・リタニが帰って来ました!!
1994年から毎年欠かさず飲んでいたクロ・デ・リタニ。
1999年は結局会わずじまいでしたが、グレート・ヴィンテージを引っさげて帰って来ました。


紫がかったダーク・ルビー。
最初の香はコーヒーやカカオ。甘い花(何の花か想い出せない。)の香。
ヨーグルトなどの乳酸系の香。最新醸造法の香なのか・・・。
そう、クロ・デ・リタニも1999年頃からミッシェル・ロランが介入しています。
時間が経つとミネラルやヨードも感じられます。
非常に強いタンニン。最初はドライ。
酸もそこそこ感じる。
過去のクロ・デ・リタニはどちらかというと、柔らかいやや女性的なニュアンスが強かったが
2000年は力強くやや男性的になった感じがします。

いいワインです。このワインを飲んで2000年のポムロールの偉大さが証明されたような気がします。
2000年ポムロール。これは楽しみです。チャンスがあればどんどんトライしましょう。

翌日、グラスに半分残されたクロ・デ・リタニを飲んでみました。
凄い!!まだまだ馨しい芳香を放っていました。


シャトー・ヴィユー・トレサック 1986 2002年10月14日 

ちょっと涼しくなってきました。
古いワインが恋しくなってきます。
このシャトー・ヴィユー・トレサックは全く無名のワインです。
残念ながら現在は存在しなようです。
どこかのシャトーに吸収されたのでしょうか。
場所はポムロールの西側、国道89号線の西側辺り、国道を挟んで反対側に旧競馬場がある辺りです。

面積は1haでした。品種の割合は不明です。
抜栓してびっくりしたのは、このクラスにしては随分長いコルクを使用しています。
53mm程の長さ。あまりピーんとは来ないと思いますが、一流シャトーのコルクの長さと同じです。

明るいオレンジ色がかったガーネット。
石炭、炭などのタール、獣臭、少し劣化したようなマテリゼ香。シナモン少し。
味は軽くてエレガント。十分生きています。
錆びた鉄のような味があります。



偉大なワインではありませんが、あまり意識をせずにマイペースでワイン造りをしているような、
それこそポムロールの地酒というようなイメージのするワインです。
小さな小さな畑が買収され、そして近代的な醸造によって生まれ変わるシャトーが増えている中、
あまり周りを気にせずワイン造りをしている、こんなシャトーも残っていてほしいものです。


ヴィユー・シャトー・フェロン 1999 2002年10月18日 

今日のワインも全く無名のポムロールです。
所有者のGARZAROはアントル・ドゥー・メールのシャトー・ル・プリュールに本拠地を置きます。
このポムロールのヴィユー・シャトー・フェロンはカチュソーの通りをず〜っと西へ行き、
小さなシャトー、クロ・プランスの近くにあります。
面積は4ha、メルロ90%、カベルネ・フラン5%、プティ・ヴェルド5%が植えられています。
土壌の表土は砂と砂利で覆われ、早期熟成タイプのワインが出来上がります。

燻した香が最初にが〜んと迫ってきます。パーカーさんがよく使うモカ・コーヒーのようなローストした香があります。
軽いタッチですが、非常にエレガントでバランス良く仕上がっています。
少しアルコールのツーンが感じられ、酸もちょっと強く感じます。
1999というヴィンテージと、このワインのレベルを考慮すると、まあこんなもんでしょう。
果実味より樽の風味が勝って、シンプルで軽いワインながらも非常にまとまりがあります。
シャトー・ラ・クロワ・デュ・カスを少し軽くしてチャーミングにした感じです。

翌日、残ったボトルを検証(??)してみました。
単調だったワインが複雑味が増していました。

若いワインは、やはり、短時間では評価できないですね。

シャトー・プティ・ヴィラージュ1977&シャトー・セルタン・マルゼル1970 2002年10月20日 

MMCメンバーの若きH氏と(と言っても30歳を過ぎてますが・・・)とその恋人候補(??)のバースディ・ヴィンテージを飲む会(?)
で、何故か保護者的な存在になってしまった私のヴィンテージ−(マイナス)一回りのワインを持ってきて飲む会となりました。


シャトー・セルタン・マルゼル1970(中央)
今は無きシャトー・セルタン・ジローのセカンド・ワイン。
所詮、セカンド・ワイン。偉大な1970年と言えども、
果実味は消え失せ、動物的な香と鉄分を感じます。
しかしながら、まだ飲めるのは飲めます。
樹木が水分を含んで腐敗したような香。

シャトー・プティ・ヴィラージュ1977
2002年4月にリコルク。
1977年という非常に困難な年。
当然、薄い色ながら、トースト香、パンを焼いたようなトースト香、ブリオッシュ、ヨードの香があります。
果実味もそろそろ消えて始めていますがみずみずしい新鮮味も感じられます。

ついでに、シャトー・ランシュ・バージュ1969(ポムロールではありません。ポイヤックです。)
今日のワイン会の主事のワイン。
少し濁ってます。
重油、タール、金属的な香。
最初はあまり楽しくなかったのですが、時間と共にカラメルなどの甘い香が出て
ちょっとポートワインのような感じになってきました。
そしてさらに、ヨード、ピーマン香も出てきました。
オフと言えでも、まだ十分に楽しませてくれました。



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