このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(37)
Fugue de Nenin 2001
Chateau Moulinet 1985
Blason de l'Evangile 2001
Chateau Grand Moulinet 2002


フューグ・ド・ネナン 2001 2005年5月13日

シャトー・ネナンのセカンド・ワインです。
メドックのレオヴィル・ラスカズ、ポタンサックを所有するドロン・ファミリーが1997年に
シャトー・ネナンを取得しました。
旧所有者デスプジョルとは従兄弟の関係にあり、その関係でシャトー・ネナンは
1840年から現在まで同じ家系によって所有されている事になります。
34ヘクタールの地所は28ヘクタールの畑と14世紀に建てられた壮麗な館があります。
75%メルロと25%カベルネ・フランはポムロールの高台の南を向いた砂利と粘土質の斜面に植えられています。
これはぶどうが理想的に完熟する可能性のある絶好のテロワールだと言えます。

新しい所有者によってセカンド・ワイン、フューグ・ド・ネナンが1997年より初リリースされました。
そして、グラン・ヴァン、シャトー・ネナンの品質も著しく向上したのは、言うまでもありません。

2001年よりエチケットが変わりました。

裏ラベル

パープル・ルビー色。
ブラック・ベリー、ブルー・ベリー、そして赤いベリーとビネガー香。
時間が経つとタール、そしてオーク。
ミディアム・ボディ。
セカンド・ワインなのに十分楽しませてくれる。
ストロベリー・ジャムに梅、紫蘇が感じられる。

ma note : 86


シャトー・ムリネ 1985 2005年5月15日

シャト・ムリネは最も著名で古くから知れ渡るポムロールのひとつです。
13世紀のエルサレム・サン・ジャン騎士団の巡礼地であり、シャトーの公園には
マルタ十字の石碑があり、それは騎士団の宿泊場であったことを示しています。

畑はポムロールの最も北側、シャトー・ド・サルの東側にあり、
面積18haの畑は砂利と古い砂で構成される土壌にメルロ60%、
カベルネ・ソーヴィニヨン30%、カベルネ・フラン10%が植えられています。


ポムロールにしては結構面積が広く、当然生産量もその分多いのですが、
何故かほとんど日本国内では見つからなかったポムロールでした。

比較的濃い色。
森の中にいるような感じがあり、きのこや杉などのエレガントでいい感じの熟成香あり。
ミディアム・ボディ。
30分後に鉄分を感じるがバランスは保っている。
50分後にミネラルや海藻、苔を感じる。
このクラスのワインは熟成させると魅力的である。

ma note : 86


ブラゾン・ド・レヴァンジル 2001 2005年5月21日

ポムロールの筆頭シャトーの一つであるレヴァンジルは
ペトリュスとシュヴァル・ブランの中間に位置するという
絶好の位置にあります。
歴史は古く、1700年代半ばにはシャトー・ファジロー(Fazilleau)と呼ばれていました。
1800年前後に今の名前シャトー・レヴァンジルに改名し1990年まで
デュカス・ファミリーの所有となっていました。

現在はポーイヤックの第1級シャトー・ラフィット・ロートシルトを所有する
ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトが所有しています。


このセカンド・ワイン、ブラゾン・ド・レヴァンジルは
以前のオーナーのブラゾン(紋章)を用いられている事から名付けられているとの事ですが、
現在はその紋章は用いられておりません。

    1997年のラベル
現在はバロン・ド・ロートシルトのマークのみとなっています。


セカンド・ワイン、ブラゾン・ド・レヴァンジルは、グラン・ヴァンが
新樽70%の18ヶ月熟成に対して、2年ものの古樽で15ヶ月の熟成です。

抜栓してすぐに飲んで心地よい果実味が前面に出て、
しかも柔らかめのタンニン。
これは、いけてますね。
ミディアム・ボディですが、非常にバランスが良く、かっこいいワインです。
すいすい喉を通ります。 見事です。

ma note : 88


シャトー・グラン・ムリネ 2002 2005年5月28日

なんとなく野暮ったいイメージのあるムリネ(Moulinet)という名前を冠したシャトーは、
シャトー・ムリネ、シャトー・ムリネ・ラセール、シャトー・レ・ルーズ・ムリネ、
そしてこのシャトー・グラン・ムリネがあります。
馴染みの薄い名前で、なんとなく品質もそれなりと言った感じのするシャトーです。
たぶん日本にはほとんど輸入されていないポムロールだと思います。
2月にフランス旅行した時、パリのギャラリー・ラファイエットで17.1ユーロで買ったワインです。



畑の位置はポムロールの北から南西へ横切っている国道89号線の西側にあるル・グラン・ムリネというリュ・ディにあります。
非常になだらかな平地にあります。(数年前自転車で通った事があるのですが、本当に平地でした。)
専門書によるとミンデル氷期の段丘の砂質土壌が侵食によって薄くなった低部―とあります。

ここで栽培されるぶどう品種はメルロ90%です。

紫がかった深紅。濃度は中位。
赤いフルーツを中心にカカオやヴァニラなどのセクシーな香り。
期待以上のポテンシャル!!
滑らかなタンニン。気品あり。美味いじゃないですか!
ミディアム・ボディながら非常にバランスの取れたポムロールです。
一緒にデギュした最近口が肥えたわがまま娘も納得。

ma note : 85-86

追記
このグラン・ムリネでは愛妻ローザと共に自分達のワインを作っています。
シャトー・ロザム(Chateau Rosam)です。1999年と2000年に作られたようです。(また、追跡調査の仕事が出来てしまいました。)


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