このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(44)
Les Croix 2004
Chateau Lafleur du Roy 2002
Chateau l'Evangile 1999
Chateau La Croix du Casse 2003


レ・クロワ 2004 2008年8月9日

シャトー・ラ・クロワ(Chateau La Croix)と間違えそうな、
こちらはシャトーが付かない複数形のなったレ・クロワ(Les Croix)です。
ジャヌエックス社とは関係のないワインです。
テュルパン・フレール・エ・リウー(Turpin Freres & Riout)というボルドーのネゴシアンが
瓶詰めしたポムロールワインです。

このワインの詳細は無く、メルロ80%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%の
品種割合と、飲みやすくするためにマセラシオンの期間を短めにしていると、だけ書かれていました。



赤いルビー色。濃度は中位。
いつものポムロールよりはやや薄めの色。
ハーブ、スパイス、土(少し腐葉土)の香りが感じられます。
そろそろ熟成香も出始めています。
特にこれといった特徴はありません。
価格は3,300円ですが、この価格帯ならば
まだ下位ランクのアペラシオンのワインである
シャトー・モン・ペラの方が「華」があっていいんじゃないかなあって感じさせられます。

ma note : 79


シャトー・ラフルール・デュ・ロワ 2002 2008年8月24日

この毎年ラベルの花柄が変わるラフルール・デュ・ロワは1958年からイヴォン・デュボスト氏が
所有するシャトーです。
畑はカチュソーの集落の南辺り、シャトー・ネナンの近くにあります。

ネット・ショップでは「ペトリュスに苗木を販売していた。」と謳って販売されており、
その真偽を確かめたところ、これは事実でありました。
だからと言ってワインの性質がペトリュスに似ていると勘違いしてはいけません。

この花柄のラベルは何年から採用されているのかはっきりと解りませんが、
自分のラベル・コレクションと、あと検索から拾ってきた画像で確認できている
年号とデザインは以下です。
1988年はラベルが2種類あるようですが、ひょっとしてどちらかは1985もしくは1986かもしれません。

1988 1988 1989 1990 1992 1993
1994 1995 1996 1997 1998 2001
2002 2003 2004 2005


2002年の花はシクラメンです。



ほんの少し熟成の色が出ていますが、紫色も残っています。
複雑な香り。樽の香り、(新樽の香りではなく何年か使用された樽)
シナモンやスパイス。少々茎っぽさも。
ミディアムより少し軽めのタッチだが一口飲んでバランスの良さが解る。
わざとらしさが無く自然な印象。
ベリーの果実味はあまり感じなくて地味なワインであるが
非常にバランスが良く、飽きないワイン。

ma note : 83


シャトー・レヴァンジル 1999 2008年8月31日

何故かここ数年間飲む機会がなかったポムロールの一流シャトーのひとつです。
セカンドのブラゾン・ド・レヴァンジルは近年、何回かテイスティングしましたが
グラン・ヴァンは本当に久し振りです。

公式のHPによるとシャトー・レヴァンジル1999年のコメントは以下のように記されています。
メルロ種は、雨が降り出す直前に完熟で収穫されました。
カベルネ種は、9月末に少し雨に降られましたが、幸いなことに被害はありませんでした。
その結果生まれたのが、特徴をしっかりと表したレベルの高いヴィンテージです。
色調は紫色がかった濃い赤で、熟したブラックベリーとスパイス、そしてテロワールを覆っている甘草の豊かなアロマをもっています。
味わいは濃厚で絹のようなまろやかさをもち、緻密な構成です。このワインの熟成はすでに十分進んでいます。



色はガーネット色。飲み頃を示すサインです。
最初に上品なロースト香がどーんっと押し寄せて来ます。
香りだけで偉大なワインだと感じさせる要素がたくさん含まれています。
ミネラル、ベリー、カンゾウ、タール、杉・・・
一口飲んで「旨い!」と頷けます。
上品さや優雅さも感じられるのはバロン・ド・ロートシルトのスタイルなんでしょうか。
十分飲み頃に入っています。

ma note : 90


シャトー・ラ・クロワ・デュ・カス 2003 2008年10月4日

ポムロールの南部に位置するシャトー。
1985年よりジャン・ミシェル・アルコート氏(2001年他界)の所有、そしてミッシェル・ロランとのコンビで
一躍有名になったシャトーです。
それまでは平凡なシャトーで、過去に1975年ものを飲んだ事がありますが
特に印象が無かったことが思い出されます。

現在畑は9ha、80%メルロ、20%カベルネ・フランが栽培されています。
醗酵はステンレスタンクを使用し、50%の新樽を用い24ヶ月熟成されます。
瓶詰め前の清澄も濾過も行いません。

近年飲んだヴィンテージは1998年と2000年ですが、
1998年は柔らかいタンニンと甘い果実味がありましたが、
2000年は黒いイメージのワインへとスタイルが大きく変わっていました。


黒い。とにかく黒い。光を通さないほど黒くて濃い色。
タール、インク、ブラック・ベリー、スパイスの香りが支配しています。
荒々しいタンニンは甘くありません。
フルボディ。
猛暑のせいだったのでしょうか、非常に乱暴なポムロールワインです。

ma note : 89-89


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