このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(46)
Chateau Clos de Salles 2005
Chateau Beau Soleil 2004
Chateau Burgrave 2000
Chateau Bourgneuf 2005


シャトー・クロ・ド・サール 2005 2008年12月23日

シャトー・クロ・ド・サールは私のお気に入りのシャトーのひとつです。
旧所有者ジャン・アヴリル(Jean Avril)から現在の所有者ジャン・ド・コニンク(Jean de Coninck)に
代わったのは1998年2月であり、若くて優秀な醸造責任者である
イヴァン・メルレ(Ivan Merlet)を起用し、品質が著しく向上しました。

シャトー・クロ・ド・サールはポムロールの北西のはずれに位置し、
砂を多く含む土壌であり偉大なワインは生まれにくいロケーションです。

イヴァン・メルレは区画ごとに地質を分析し栽培の管理をし、
醸造法も今までの製法とは異なった方法を採用し、シャトーの革新を行ったのです。

(ここもご多分に漏れずポムロールでありがちな掘っ立て小屋)

私にとってその最初の年であった1998年と2度目の年であった1999年の印象は
今でも強く残っています。

北西にあるポムロールで最も優れたワインであるのには間違いないでしょう。
(しかし2004年から一新したシャトー・ムリネも頭角を現しはじめました。)




暗いルビー色。
香りは控えめ。適度な酸。
普通にうまい。
派手さは無くそれぞれの要素(果実味、タンニン、酸)のスタンドプレーははなく
良いチームワークを感じさせる。
ミディアムからフル・ボディ。
いつものクロ・ド・サールと比べるとおしとやかになったのでしょうか?

ma note : 86


シャトー・ボー・ソレイユ 2004 2009年1月10日

シャトー・ボー・ソレイユの起源ははっきりと解りませんが、
Cocks et FeretのBordeaux et Ses Vinsの第11版(1949年発行)に
Domaine Beau Soleilとして登場し2es Crus(ドゥージエム・クリュ)に格付けされています。
といってもこの格付けは最も下位のランクになります。

この本では1ers Crus(プルミエ・クリュ)Deuxiemes 1ers Crus(ドゥージエム・プルミエ・クリュ)
そして2es Crus(ドゥージエム・クリュ)の三段階に分けられていますが、
さらに1ers Crus(プルミエ・クリュ)を以下のように三段階に分けられています。

1er des Grands Crus(プルミエ・デ・グラン・クリュ) Ch.Petrusのみ,
Grands 1er Crus (グラン・プルミエ・クリュ) = Vieux Ch.Certan, Ch.l'Evangileの2銘柄
1er Cru (プルミエ・クリュ)= Ch.la Conseillante, Ch.Lafleur, Ch.Trotanoyなど著名な銘柄が多数選ばれています。



所有者はこの当時よりBeguinファミリーであり、
1995年にジャン・ミッシェル・アルコートの手に渡るまで続きました。

畑はポムロールの南部の平地にあり、土壌が砂質という不利な条件であったにも関わらず
ミッシェル・ロランとのコンビによってワインの品質は向上したのです。



ややガーネットを帯びてきたような感じ。
みずみずしい果実味が全面的に出ていませんが
渋みのあるタンニンと適度な酸とのバランスが良く、
ワインとしてそろそろ完成し始めた味わいがあります。

ma note : 89-91


シャトー・ビュルグラーブ 2000 2009年1月18日

日本ではあまり馴染みの無いシャトー・ボナルグのセカンド・ワインです。
このシャトー・ボナルグも歴史は古く、Clos Bonalugueとして
Cocks et FeretのBordeaux et Ses Vinsの格付けでは下位のランクである2es Crus(ドゥージエム・クリュ)に
位置づけされています。

畑はポムロールの中心からみて南西の外れ、リブルーヌに近い位置にあります。



コルクを抜いた瞬間、ミネラル、スパイス、下草などの芳香が広がる。
色はガーネット・ルビー。

タンニンを感じる香りがあり、スモーク、スパイス、花、甘い香りにカンゾウ、きのこなど複雑な香り満載。
酸しっかり、タンニンしっかり。
甘くはなく通好みのスタイル。

時間が経つと香りの変化が顕著に現れ、
湿ったカビっぽい畳を連想させる。
が、嫌な香りではない。むしろ安らぎを感じる。
味は、だんだんと茎っぽくなってしまった。

ma note : 82

ヴィユー・シャトー・セルタン 2006 2008年2月8日 

MMCの例会にて。



とにかく素晴らしい!としか言う事なし。
飲んだ瞬間、
アレクサンドルが「1945年のようなワインを将来を造ってみたい。」と言っていた言葉を思い出した。(2004年2月訪問時)
ひょっとして・・・これは・・・
しかしながら1945年がリリースされた直後のワインはもちろん飲んだ事は無い。(まだ生まれていない)
この2006年が1945年のようになるのかは解らないが、
記憶の1本に残るヴィユー・シャトー・セルタンである。

ma note : 98


シャトー・ブールヌフ 2005 2009年2月22日

1821年からブールヌフはポムロールの旧家の一つであるヴァイロン一族が所有しています。
トロタノワの西の台地に位置する9ヘクタールにおよぶ一続きのブドウ畑で、
メルロ(90%)の栽培に最も適した土地の、粘土砂礫質です。
(BEST CHATEAUX IN BORDEAUX 2000 より引用)

このワインを初めて飲んだのが1982年物を1989年1月に。
そのときのコメントが「少々茎っぽい。」と書かれていました。
ですからあまり興味の沸かなかったポムロールでした。

しかし2005年はワインスペクテーターの評価もそこそこだったので非常に興味があったのです。



やや明るみを帯びた暗いルビー。どちらかといえばやや濃い色をしています。
香りは、少し樽の香。ブラック・チェリー、たばこの葉。そしてくるみやコーヒーの香り。
荒々しい口当たり。余韻にアルコールが残る。
そろそろ閉じ始めたような感じでもある。
ボリューム感に欠け、ちょっと物足り感じもある。

ワインスペクテーターのコメントはビューティフル・オブ・ブラックベリー。
フルボディでソフトでシルキーなタンニン・・・(92-94)とあるが、
ちょっと過大評価のような気もする。

ma note : 85-87


Issue 45へ Issue 47へ
BACK CLOSE INDEX HOME

Copyrights (C) 2001〜2009  All Rights Reserved