このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(49)
Domaine Fayat Thunevin 2006
Clos du Beau Pere 2006
Chateau Trotanoy 2006
Chateau Ratouin 2005


ドメーヌ・ファヤ・テュヌヴァン 2006 2009年7月4日

新しいポムロールです。
シャトー・ラ・ドミニクを所有するクレマン・ファヤとシャトー・ド・ヴァランドローのオーナー
ジャン・リュック・テュヌヴァンの共同所有です。この2006年が最初の年です。

もともとヴィユー・シャトー・ブルグヌフVieux Chateau Bourgueneufという畑で、
シャトー・トロタノワやシャトー・ブルヌフBourgneufの近くに位置します。

このワインは過去に飲んだことのあるヴィンテージは1978年だけしかありませんが、
あまり長期熟成向けでなく、リリース直後、すぐに楽しめるワインです。

これが、ジャン・リュック・テュヌヴァンの手に渡った訳ですから
非常に興味が沸いた新しいポムロールです。

残念ながら日本国内では販売されておらず、国外で探さなければならなかったのですが、
テュヌヴァンのオンライン・ショップで購入する事ができます。
http://www.thunevinonline.com/

プロフィール
面積:4ha
土壌:砂と青い粘土
品種:メルロ100%
平均樹齢:35年
醸造:新樽100%にて18ヶ月間熟成



紫がかった暗いルビー。
最新技術の香り。バニラやヨーグルト。
非常に解りやすく親しみやすい味。
今飲んでも違和感のない最新技術の味です。
豊富な果実味と甘くて滑らかなタンニン。
ミディアムからややフルボディでチャーミング。
好みのタイプです。

ma note : 90-92


クロ・デュ・ボー・ペール 2006 2009年7月9日

これも新しいポムロールです。
シャトー・ラトゥーアンの畑をジャンリュク・テュヌヴァンとその妻ミュリエル・アンドローが
2006年に取得しました。

その3ヘクタールのうち、80%が「ルネ」というセクターで深い砂利質土壌に
樹齢45年のメルロが栽培されています。
残り20%は「パタッシュ」というセクターにあり、ここは砂利と粘土質の土壌になっています。

面積:3ヘクタールのうち2ヘクタールは自社畑、1ヘクタールが借地。
品種:メルロ90%(樹齢45年)、カベルネ・フラン10%(樹齢20年)
熟成:18ヶ月間



紫の強いルビー色。ドメーヌ・ファヤ・テュヌヴァンより赤みが強い??
ローストされた香ばしい香りとミネラル香。

全体的にアルコールが強く感じられ、非常に解りにくい味。
時間と共に偉大さが感じられる。

ドメーヌ・ファヤ・テュヌヴァンは柔らかくてすぐに楽しめるワインであって
このクロ・デュ・ボー・ペールは固くて時間を要するのでしょうか?
現段階では判断が難しそうです。

ma note : 88?


シャトー・トロタノワ 2006 2009年7月20日

シャトー・トロタノワは1998年産から欠かさず毎年新しいヴィンテージを
テイスティングしてるのはいったい何故でしょうか?

その最大の理由はいつも価格が安定しているからでしょう。
トロタノワのリリース直後の価格はヴィンテージにあまり左右されず、
毎年10,000円〜15,000円の範囲で収まっています。

この価格帯なら懐が厳しい私でも、若過ぎて無謀とも言えるグラン・ヴァンの
テイスティングもなんとか実現できます。

いまさらトロタノワのテクニカルなんて・・・と思いでしょうが、
ムエックス社のサイトの資料を拝借すると以下です。

面積:7.2ha
品種:メルロ90%、カベルネ・フラン10%
土壌:砂利混じりの粘土と重粘土
醗酵:小さなコンクリート・タンクを使用
熟成:新樽50%にて18ヶ月間

ほんの少しエッジにオレンジ色帯びたパープル・ルビー。
非常に強い芳香を放ち、ベリーの香りが満載。ブルーベリー・ジャム。
そして香ばしい樽香り。ロースト香。
若々しさを象徴するかのような削った鉛筆の香り。
ぐっと引き締まった酸が、全体のバランスを保っている。
甘過ぎることもなく、えぐみもなく良くできたトロタノワである。

ma note : 91


シャトー・ラトゥアン 2005 2009年7月29日

ジャン・リュック・テュヌヴァンに買収され、シャトー・ラトゥーアンのラベルでは
この2005年が最後の年になってしまいました。

もともとこのシャトーは14世紀の終わり頃からシャトー・ランジェリュスと呼ばれていましたが、
サンテミリオンにも同じ偉大な名前のシャトーがあるためにシャトー・ラトゥアンに改名したようです。

いつ頃に改名されたのか正確には解りませんが、
以下のラベルを参照すると1960年代後半から1970年中頃だと思われます。

アンジェリュスとは「晩鐘」。19世紀画家ミレーの作品がラベルのデザインに使用されていますが、
調べてみますとこの畑は葡萄畑ではなく、馬鈴薯の畑のようです。

シャトー・ラトゥアンに改名後、ラベルにはポムロールの教会が描かれています。
こちらは間違いなく葡萄畑でしょう(笑)

ポムロールのシャトーは宗教にちなんだ名前が多いのですが、こうした名前が消えていくのは
少し寂しい気もします。(2006年よりクロ・デュ・ボー・ペールに改名されました。)

ネゴシアン・ラベル

やや赤みを帯びたルビー色。
まだ未熟で若いベリーの香り。
酸っぱいサクランボが連想される。
木の香り。土の香りと獣香りも感じる。
全体的に酸が支配している。
何年か熟成後が楽しみ。

ma note : 81


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