このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(55)
Chateau Haut-Manoir 2000
Chateau du Pin 1971 Daniel Sanders
Gravette de Certan 2007
Chateau Gazin 1999
Chateau La Fleur Petrus 2007


シャトー・オー・マノワール 2000 2010年6月5日

聞きなれないシャトーですがシャトー・ラ・コマンドリーのセカンド・ワインです。
グラン・ヴァンのシャトー・ラ・コマンドリーでさえ、日本ではめったに見かける事はありません。
似たような名前でプリウール・ド・ラ・コマンドリー、コマンドリー・ド・マゼイルなどありますが、このシャトーとは何の関係もありません。

シャトー・ラ・コマンドリーのプロフィール&テイステティング・コメントはこちらを参照ください。
私の好みではなかったようですね・・・。

2000年ですから期待したいものですね。



少しガーネット帯びた暗いルビー。
まだ完熟する前の(まだ酸っぱい感じの)赤いフルーツの香りと、少し植物(茎)っぽい香りがあります。
香りだけで偉大なワイン、そうでないワインの判断がつきます。
時間が経つと、甘いフルーツ、なめし革、杉などの複雑な香りがでてきます。
辛口のタンニン。ミディアム・ボディ。
最後に茎っぽさが残ります。
エキスよりアルコールが強く感じられ、余韻は短く、すっと消えてしまいます。
さらに時間が経つと(90分後位)腐葉土の香りに変化してきました。
落ちるのは早いようです。

ma note : 78

シャトー・デュ・パン (ル・パン) 1971 2010年6月13日 

「禍福は糾あざなえる縄の如し」とはこの事でしょうか?
不幸は突然にやってきました。

海外のオークションでこのワインを発見しました。
Chateau du Pin 1971
紛れも無くル・パン1971です。
現在のティエンポンが所有する前のル・パン1971です。

無名時代のル・パンの前所有者はマダム・ロービーですが、
このボトルはネゴシアン・ボトルです。
バルサックにあるダニエル・サンドル(Daniel Sanders)です。

このワインを発見したとき思わず武者震いがしました。
「何とか手に入れたい!」

出品者はフランスで発送はフランス国内のみでしたが、
日本への発送も承諾してもらい、入札することにしました。

1ユーロからのスタートで、現在価格は20ユーロ。
最大500ユーロまでなら落札したいと思っていましたが、
幸い、このワインがあのル・パンであることに気がついたオークショナーがいなかった事が幸いし、
予算の約1/9の価格56ユーロで落札に成功しました。

コリッシモ・インターナショナルで発送費が32ユーロ。
もう2度とお目にかかれない程世界的な貴重なワインを
合計10,000円強で手に入れることができたのです。

決済後、6日後に到着。
いつもより早い到着で喜びも一層。

しかし、その喜びはほんのつかの間。
開梱してみると、ワインが漏れていました・・・・・・・・。

なんと、コルクが落下していたのです。

こういう場合、コルクがかなり収縮してしまっているので、落下していなくても
ワインは100%劣化しているといっても過言ではありません。

この不幸で貴重なワインを飾りや資料として置いておく事にしたのですが、
劣化してても飲んでみたいとの声で後日飲むことにしました。

とりあえず、新しいコルクで栓をするためにキャップシールを剥がしてみると、
かなり噴いた跡がありました。
随分前からすこしずつ漏れていたような感じです。

瓶口から香りを嗅ぐと、ぬか床の匂いがし、予想通りでした。



数週間後、ホーム・パーティーの集まりで検証することにしました。

もちろん色は濁っています。
しかし、グラスに注ぐと香りは意外にもぬか床の匂いはなく、
全く飲めない事はありませんでした。

もしこれが状態の良いボトルだったら・・・と思うと素晴らしいワインだったと思わせる
ポテンシャルが感じられました。

もともと優れたテロワールで、当時は資金力があり醸造技術の優れているネゴシアンの瓶詰めワインだった訳ですから、
このボトルは偉大なワインだったかもしれません。

本当に残念です。


グラヴェット・ド・セルタン 2007 2010年6月18日

価格がお手頃でしたので、また2007年のポムロール検証の一貫として購入してみました。



紫のエッジのある、黒い黒いルビー色。
甘い香り!スモーキーな香りとピーマン香。(カベルネ・フランの割合が多いのでしょうか?)
まだ樽の中に漬けているようなぎすぎすした味。
しかし、偉大なワインから来る血筋(フィネス等)は感じられます。さすがです。
ただお化粧っぽさとかわざとらしさが嫌味として残ります。

ミルキーな香りから肉付きのよいボディを連想させられますが、
意外とボディは弱いタイプ。

その後、飲みながら香りは艶っぽくなり、文句なし。
カンゾウや火打石、ソーセージのような香りがでてきたかと思うと
ピーマン香が強く感じたり、まだまだふらふらとした不安定さも感じます。

ma note : 86-88


シャトー・ガザン 1999 2010年6月21日

シャトー・ガザンは毎年裏ラベルのデザインが変わっています。(1996年からだと思います。)

裏ラベル

イラストの下にJacob CATS - Bibliothèque de Bordeaux (ボルドーの図書館)と書かれています。
jacob catsをGoogleで画像検索すると8ページ目で同じイラストが出てきますが、絵が反転しています??
良く解りませんが、詳しく調べるには時間がかかりそうなのでここまでにしておきます。

1999年の生産量は79,962本
品種はメルロ85%、カベルネ・ソーヴィニヨン12%、カベルネ・フラン3%です。

暗いルビー。まだまだ紫色も残っています。
まだまだ若そうです。
焦がした芳ばしい香り。ソーセージやタールの香り。
これは期待できそうです。ひょっとしてまだ閉じているのではないかと心配していましたが、
1999年はもう11年経つんですね〜。いらぬ心配でした。
歳を取ると本当に月日が経つのは早いですね(笑)

さて、味ですが、最初に酸がぐっと来ますが、それにともなってタンニンと果実味もしっかりくついてきます。
これはなかなかいいワインです。
グラスが進むと青かびのチーズが欲しくなってきます。

ma note : 90


シャトー・ラ・フルール・ペトリュス 2007 2010年6月26日

シャトー・ラ・フルール・ペトリュスの歴史は1782年に遡ります。
Cock et FeretのBordeaux et Ses Vins 第3版(1974年)では、
Petrus-Lafleurという名前で初めて登場したようです。

当時の所有者はConstantファミリーでシャトー・クリネも所有していたようです。
その後ラ・フルール・ペトリュスのクレジットはPineauファミリーの名前で確認されています。

その後1953年にジャン・ピエール・ムエックスの所有となり、
1994年にお隣のシャトー・ル・ゲの畑を一部購入し、
面積が14.50haまでに広がり、平均生産量は45,000本となっています。

品種:メルロ80%、カベルネ・フラン20%

パープル・ルビー。
赤いフルーツや黒いフルーツとミネラル。ややミントも感じられます。
味はぐっと引き締まった感じでまだまだ何者も寄せ付けない感じで、
頑固に閉じています。
ソリッドなタンニン。

ma note : 89


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